


命令形をやめて「お尋ね形」と「相談形」にするだけでうまくいく(特に思春期・反抗期 の子には効果的)
「お尋ね形」にするだけで受け入れられやすくなる
相手に何かを頼むときは、ちょっとした言葉づかいで結果が違ってきます。
たとえば、大人同士が仕事のメールで相手に何かを頼む場合、「○○してください」と書くと、一方的で押しつけがましい感じになります。
中には、強制されたように感じて、素直に聞けない人もいるはずです。
それを避けるためには、次のような「お尋ね形」をつかうと効果的です。
「○○していただくことは可能ですか?」
「○○していただけませんでしょうか?」
「○○ですと、たいへんありがたいのですが、いかがでしょうか?」
これなら、頼まれたほうは悪い気がしません。
なぜなら、自分のほうに選択権があると感じるからです。
それで、かえって受け入れられやすくなるのです。
こういったことは、ビジネスメールにおける初歩です。
「自分に選択権がある」と思ってもらうことが大事
コミュニケーション能力の高い人は、こういうちょっとした言葉づかいの違いに敏感です。
そういう人は、職場の部下に頼むときも「忙しいとき悪いんだけど、○○してもらえるかな?」など、相手の気持ちをおもんぱかった言い方をします。
同様に、親が子どもに頼むときも、次のように相手の気持ちをおもんぱかることが大事です。
「○○を頼んでいい?」
「塾で疲れてるところで悪いんだけど、○○してもらえるかな?」
「○○してくれると助かるんだけど、今できるかな?」
こういう言い方なら、子どもも自分のほうに選択権があると感じることができます。
親のエゴの満足よりも、言葉が子どもに与える影響を優先しよう
でも、親の中には、「親なのに、なんで子どもにお伺いを立てなければならないのか?」とか、「育ててやってるのに、なんで子どもに遠慮する必要があるのか?」などと思ってしまう人もいます。
そういう言い方をすると、自分が子どもに負けたような気がするのです。
でも、それはただ親自身のエゴが満たされないから不満なだけなのです。
親として威張れないことが不満なのです。
本当に子どものことを大切に思っているなら、自分のエゴの満足より、言葉が子どもに与える影響を優先するはずです。
さらに言えば、そういう人は、深いところで自分に対して自信が持てないでいるということもあります。
つまり、子どもに威張ることで、相対的に自分が上位にくることができるというわけです。
深層心理の中で、無意識にこういう心理が働いています。
大人としては、そういうことに気づいていることが大事です。
気づいていれば、それに飲み込まれずにすみます。
気づかないままでいると、イライラに飲み込まれてひどい言葉をつかい続けることになります。
そして、親子関係が崩壊した後でも、それを子どものせいにして済ませてしまいます。
特に、相手が思春期・反抗期の場合には、上から目線の命令口調は逆効果になるだけです。
「子どもになめられてたまるか」とばかりに、反抗期の子どもを強圧的に押さえつけてしまう親が、時々います。
こういうことをしていると、子どもの心の中にルサンチマン(恨み)がくすぶり続け、後になってよからぬ形で出ることになります。
「相談形」にすると効果的
さて、「お尋ね形」のほかにも、もう一つ子どもをその気にさせるよい方法があります。
それは、「相談に乗ってもらう」という形、つまり「相談形」です。
例えば、子どもの靴の脱ぎ方が乱雑で散らかり放題だったとします。
そういうとき、「脱いだ靴をちゃんとそろえなきゃダメでしょ! 何度言ったらできるの?」などと言ってもうまくいきません。
それよりも、「○○さんの家に行ったら玄関まわりがすっきりきれいだった。玄関で家の印象が変わるなあって思ったわ。うちは玄関まわりが片づかないんだけど、何かいい方法ないかな?」と相談すると効果があります。
もちろん、子どもは、自分の靴のせいで片付かないのだと気づかないかも知れません。
それでも、いろいろ考えて「こうすればいいんじゃないの?」などと、何か提案してくれるかも知れません。
それで意識が高まれば、自分の靴の脱ぎ方も多少は意識するようになる可能性があります。
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