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受験勉強は、なかなか予定どおりには進まないものです。「学習計画を立てた、科目別対策もわかった、参考書もそろえた、あとは勉強するだけだ!」と意気込んではみたものの、途中でモチベーションが下がり、勉強に手がつかなくなってしまうことはよくあります。また、医学部入試は科目数が多く、受験勉強がうまくいっているときでさえ大きい負担がかかります。ましてや、調子が悪いときには、この状態が永遠に続くのではないかという絶望感に襲われがちです。
このコーナーでは、医学部対策について、「受験勉強のヒント」「くわしい入試情報」など、モチベーションの向上に役立つ小ネタ(Tips)を取り上げます。この記事で医学部受験のアウトラインを把握し、つらい受験勉強を乗り切ってください。
【医学部入試情報Tips②】Schola編集部特選! おススメ医学部はココだ!
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*この記事がもとづく情報は、執筆時点のものです。最新の情報は、大学が発行している紙のパンフレットや公式Webサイトから、必ずご自身で確認してください。
この記事では、全国に計82校存在する医学部の中から、Schola編集部が厳選したおススメ医学部を紹介します。医学部の志望校選びにおける6つのポイントを取り上げ、それぞれに該当する医学部をおススメの理由とともに提示しました。
医学部の志望校選びの基準として想定されるポイントは、以下の6つです。
ポイント1 | 学費が比較的安い |
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ポイント2 | 難関校の中のねらい目 |
ポイント3 | 所在地以外での知名度は必ずしも高くないが、じつは隠れた伝統校 |
ポイント4 | 周囲が受けるから、自分も受けたい |
ポイント5 | 関西の名門私立大医学部 |
ポイント6 | 学費は高いが、入試問題が比較的易しい |
東大理Ⅲと慶大医学部がすべてではない
以下、「おススメ医学部」を説明する前に、「おススメしない医学部」についてお話しします。偏差値が高い医学部は、多くの受験生にとって憧れの的です。とりわけ、国公立大・私立大のそれぞれで最高偏差値を誇る東京大理科3類と慶應義塾大医学部への合格を夢見る受験生はたくさんいます。しかし、この2校を志望校として設定することは、必ずしもおススメできません。
東大の入試制度はあまりにも特殊
東大理Ⅲを志望校としておススメしない理由は、以下のとおりです。
- 入試問題が格段に難しい
- 出題が、医学部の入試問題の一般的な傾向とは大きく異なる
- 科目負担が大きい
- 共通テスト重視の傾向が打ち出された
「入試問題が格段に難しい」ことの例は、「迷っている受験生必読! 『志望校』選びのヒントとなる3つの視点」という記事の中でも取り上げた東大の英語リスニング問題です。大ボリュームの読み上げ英文が3題分出ること、英検1級レベルの難単語が出ることなどから、対策に悩む受験生がたくさんいます。実際、慶大医学部には合格しながら、東大の英語リスニング問題にまったく歯が立たず東大には不合格となってしまうというケースもみられます。
医学部では近年、初めて目にしたときにはどう解いたらよいのか皆目見当がつかず、正解に至るために粘り強く試行錯誤することが求められる「初見問題」の出題が増えています。一方、従来型の「標準問題」もたくさん出ていて、上位校の入試問題であってもいまだにこの傾向を強く残しています。しかし、東大の入試問題はどの教科も「初見問題」だらけであり、「標準問題」の出題はごく一部です。東大入試では、「標準問題」で稼ぐという医学部受験の基本戦略が通用しません。上で「出題が、医学部の入試問題の一般的な傾向とは大きく異なる」と記したのはそのためです。
「科目負担が大きい」とは、「理系でありながら個別学力検査で国語が出題される」ことを意味します。個別学力検査における国語の配点は80点であり、各120点の配点である英語・数学・理科よりは低いものの、現代文・古文・漢文が1題ずつ出されるなど、理系受験生にとってはかなりヘビーな出題です。かといって、科目数が多い東大の対策として国語に多くのリソースを割くことは現実的ではありません。国語に苦手意識がある医学部受験生にとって、東大はあまりにハードルが高い大学だといえます。
東大は、2025年度の試験から共通テストの点数による第1段階選抜を厳格化すると発表しました。東大理Ⅲにおける第1段階選抜の予定倍率は例年約3.0倍ですが、2025年度以降は、このラインが下がり、もっと低い競争率でも第1段階選抜が実施される可能性があります。東大入試では、共通テストの点数が振るわなくても個別学力検査で高得点を稼いで合格する受験生が毎年散見されます。しかし、「共通テスト重視の傾向が打ち出された」ことにより、今後はこれまでのような逆転合格のケースが減っていくと考えられます。つまり、共通テストが苦手な人が東大を志望することは、だんだん難しくなっていくのです。
ここまでに述べてきたとおり、東大の入試制度はあまりにも特殊すぎ、他大学の入試制度との共通点が少ないため、東大との併願は受験勉強のコストパフォーマンスを大きく下げることとなります。その結果、東大も併願校も不合格という最悪の事態になりかねません。そのようなリスクから、東大理Ⅲを志望校として安易にめざすことは必ずしも得策ではないのです。
慶大医学部は、一般選抜の枠がせまい
上で、東大理Ⅲを志望校としておススメしない理由が、東大の入試制度がもつ特殊性にあると説明しました。一方、慶大医学部はどうかというと、こちらも入試制度が特殊であることからおススメ大学の対象とはなりません。
しかし、おススメしない理由は、東大理Ⅲのそれとは異なります。どういうことでしょうか。
慶大医学部は、1学年定員110人のうち、一般選抜で募集するのは66人であり、枠がせまいのです。残り44人は慶大附属校からの内部進学者の枠で埋められ、そのうち、慶應義塾高が22人の枠を確保しています。つまり、これだけの難関医学部でありながら一般選抜での募集枠が2ケタしか設定されていないのです。第1志望としてめざすにはあまりにもハードルが高い大学だといえます。
ポイント1学費が比較的安い☞おススメ大学:国際医療福祉大
ここからは、先に挙げた6つのポイントに沿って「おススメ医学部」を具体的に紹介していきます。
国際医療福祉大は、医師国家試験合格率も高い
医学部進学にあたっては、何を差し置いても「先立つもの=お金」が必要です。「学費(入学金・授業料など)」は、志望校決定における最重要ポイントだといっても過言ではありません。
私立大医学部の学費は、どこも高額です。学費の相場は、6年間で約3,500万円です。もはや、高級な外国車が数台買え、家が1軒建てられてしまうレベルだといえます。
私立大の中で最も学費が低いのが国際医療福祉大です。6年間で2,000万円以内に収まります。もちろん、理工系学部などに比べれば十分高額なのですが、最も学費が高い川崎医科大では6年間で5,000万円近い金額が必要であることを考えると、私立大医学部としては十分に「お得」な学校だといえます。
国際医療福祉大の特徴としておさえてほしいポイントは、以下の点です。
- 医学を英語で学ぶカリキュラムが導入されている
- 大学の本部は栃木県にあるが、医学部のキャンパスは千葉県にある
- 医師国家試験の合格率が全国トップクラス
「医学を英語で学ぶカリキュラムが導入されている」について説明すると、1・2年次には、医学科目をほぼすべて英語で学修させる講義が受けられます。また、6年次まで医学英語の講義が開かれていて、医師にとって必要な医学英語スキルが修得できます。このように、国際医療福祉大は英語重視であり、英語が得意な受験生にとっては有力な選択肢になりうる大学です。
2つ目で取り上げたように、国際医療福祉大医学部キャンパスの所在地は、東京都心から約60㎞離れている千葉県成田市です。都会でキャンパスライフを謳歌したいという人にとっては物足りない立地かもしれませんが、都会の喧騒(けんそう)から離れ勉学に専念できる環境だといえます。
「医師国家試験の合格率が全国トップクラス」については、2017年に開設された医学部が2023年に初の卒業生を送り出した際、約99%という高い医師国家試験合格率を達成したと話題になりました。2024年も同水準の高い合格率を維持し、「国際医療福祉大の学生は優秀だ」という世間的なイメージが定着しつつあります。このように、学費の安さだけでなく医師になるための体制の充実ぶりも高く評価されている大学です。
学費の安さだけで選ぶなら国公立大の一択だが……
上では、私立大医学部の学費最安校として国際医療福祉大を取り上げましたが、この学校の学費水準をはるかに下回る大学があります。それは、国公立大です。国立大の初年度納付金の標準額は81万7,800円であり、公立大だとプラス10万円が相場です。「学費の安さ」という観点だけであれば、私立大を選ぶ余地はまったくありません。
しかし、私立大という選択肢を対象外とし志望校を国公立大に一本化してしまうことは得策ではありません。受験戦略の大前提はあくまで「合格可能性を高める」ことにあります。私立大受験を取りやめて受験校を減らしてしまうと、その分だけ合格可能性が低下してしまいます。合格可能性を高めるためには、国公立大と私立大の併願戦略が現実的です。国公立大に絞らず、私立大もぜひ受験しましょう。
私立大医学部受験を、金銭的な理由からためらう人がいるかもしれません。しかし、多くの私立大医学部には充実した奨学金制度が存在します。具体的には、特定の地域や診療科に着任する意思のある受験生に学費を貸与するという修学資金制度があります。また、返済が不要な給付奨学金支給のしくみも存在します。奨学金の利用という選択肢も検討し、医学部合格の夢に近づいていってください。
ポイント2難関校の中のねらい目☞おススメ大学:北海道大
単科医科大には、学生数が少なく、キャンパスが小ぢんまりとしていてアットホームな雰囲気で学べるというメリットがあります。一方、総合大学の医学部には、広大なキャンパスで多くの学生に囲まれて切磋琢磨できる環境が整っている、というメリットが存在します。
全国に所在する総合大学の中でもとりわけ高い知名度と長い伝統を誇るのは、「旧帝国大学」と呼ばれる学校群です。ここには、東京大・京都大・東北大・九州大・北海道大・大阪大・名古屋大の7校が含まれます(以上、設置順)。旧帝大は多くの医学部受験生にとって憧れの的であり難関でもありますが、この7校の中でとくにおススメしたいのが北大医学部です。その理由は、以下のとおりです。
- 入試問題が比較的易しい
- 札幌市という暮らしやすい街にある
- キャンパスの立地がよい
- 地元・北海道では無敵
- 全国から集まった、多様な背景をもつ学生とともに学べる
「入試問題が比較的易しい」というのは、あくまで「難関校の入試問題としては標準的である」という意味です。難関校の入試問題ですから、もちろん、医学部の平均的なレベルの入試問題よりも相当にハイレベルです。とはいえ、ほかの旧帝大の出題に比べればかなり取り組みやすい問題です。共通テストの点数がある程度よければ、自信をもって個別学力検査に臨めます。
「札幌市という暮らしやすい街にある」について説明します。北大が所在する札幌市は、「リトル東京」と呼ばれることもあるように、東京から移り住んでくる人たちにもなじみやすい都市です。人口約200万人という都会でありながら、東京ほどは人出が多くなく、また交通機関もさほど混雑しませんから、とても快適に過ごせます。ただし、冬の寒さは覚悟しておいたほうがよいでしょう。
北大医学部のキャンパスは、札幌駅からたった1駅の札幌市営地下鉄南北線北12条駅が最寄りという、交通至便の場所にあります。北大は、水産学部以外のキャンパスがすべて札幌市の都心部に位置します。6年間過ごすことを考慮すると、「キャンパスの立地がよい」という点は、志望校選びのポイントとしてきわめて重要です。
北大は全国の受験生から人気がある大学ですが、とりわけ、道内の多くの医学部受験生にとっては最終目標です。北大は、道内を代表する医療施設である北海道大学病院を擁するだけでなく、関連病院も多数抱えています。まさに「地元・北海道では無敵」であるといえるでしょう。
北大における地元占有率(入学者数に対する地元出身者の人数比)は、例年4割です。これは、旧帝大7校の中でかなり低い水準に位置します。ここからは、北大が、北海道以外の他地域からも幅広く学生を集める大学であることがわかります。つまり、北大には、「全国から集まった、多様な背景をもつ学生とともに学べる」環境があるのです。
ポイント3所在地以外での知名度は必ずしも高くないが、じつは隠れた伝統校☞おススメ大学:新潟大/岡山大
国公立大には、地方にあるため地元以外での知名度は低いものの、長い歴史と伝統をもち、医学の世界で高く評価されている大学があります。そのケースに当てはまる大学として、ここでは、新潟大と岡山大を取り上げます。いずれも、上で取り上げた「旧帝国大学」(東京大、京都大、東北大、九州大、北海道大、大阪大、名古屋大の7校)と同様に戦前から大学として存在する学校であり、国公立大医学部の名門校グループである「旧六医科大学」(千葉大・新潟大・金沢大・岡山大・長崎大・熊本大)に含まれます。
新潟大のブランド力は、都内難関私立大医学部に匹敵
「国公立大・隠れた伝統校」の東日本代表は、新潟大です。新潟大は、所在する甲信越地方だけでなく、北関東や東海地方などの医学部受験生からも人気があります。偏差値は難関校レベルには達していないものの、上に挙げたように旧六医大の一角を占める名門校であることから、医学の世界における「格」はとても高い位置にあります。新潟大医学部のブランド力は都内難関私立大医学部である東京慈恵会医科大・日本医科大・順天堂大などに匹敵する、というのが、受験の世界における一般的な見方です。実際、新潟大は、これら私立大医学部難関校の併願先としてよく選ばれます。
共通テストと個別学力検査の配点比率は800:1,200であり、個別学力検査の配点が全体の6割を占めます。たとえ共通テストで思うような結果が残せなかったとしても、2次試験での挽回が十分可能な配点なのです。
研究力にすぐれる岡山大
「国公立大・隠れた伝統校」の東日本代表である新潟大に対して、西日本代表は岡山大です。岡山大医学部は、地元の中国地方をはじめとする西日本ではメジャーな学校ですが、首都圏のような東日本在住の受験生にとってはあまりなじみがないかもしれません。しかし、研究レベルは高く、がんゲノム医療などの先進医療における国内拠点の一つとなっています。
入試問題は他学部との共通問題であり、比較的易しめです。その分高得点勝負となりがちですが、標準レベルの問題が確実にとれ極端な苦手科目を持たない受験生であれば、合格はさほど難しくないはずです。
国立大は、国から運営費交付金を受け取ることができるため、私立大よりもおしなべて研究面で優位な立場にあります。研究医をめざしている受験生は、岡山大のように研究面が充実している国立大の受験を積極的に検討しましょう。
ポイント4周囲が受けるから、自分も受けたい☞おススメ大学:東京慈恵会医科大
受験生の中には、「自分だけあまり有名ではない大学を受けるのは心細い。みんなが知っているようなメジャーな大学を受けて、安心したい」と考える人がいるかもしれません。そんな受験生におススメなのが、東京慈恵会医科大です。
慈恵医大は、首都圏在住の受験生ならだれでも1度は受験を考えるといっても過言ではない、屈指の人気校です。その分競争率は高く、例年15倍を超えます。当然、偏差値も高く、国公立大上位医学部と同水準です。また、ブランド力も大変高く、都内の「難関大私立医学部御三家」(慶應義塾大・東京慈恵会医科大・日本医科大)の一角を占めています。
慈恵医大の特徴は、以下のとおりです。
- 一般選抜重視
- 調査書に「志望理由」の記入欄がない
- 問題が難しい
- メインキャンパスの立地がよい
慈恵医大で行われている地域枠による選抜の定員は、わずか5人です。全体の募集人員は105人ですから、残り100人が学力試験の枠です。つまり、慈恵医大は明確に「一般選抜重視」の大学なのです。
*慈恵医大の地域枠は、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の首都圏を除く各地域区分から1人を優先的に合格させるという制度。指定校推薦は存在しない。
慈恵医大の2次試験(1次試験合格者にのみ実施)では、面接・小論文が課されるだけでなく、調査書も評価の対象となります。その調査書が独特で、「調査書に『志望理由』の記入欄がない」のです。これは、慈恵医大においては学業履歴はあくまで参考程度で、ペーパーテストの出来で合否がほぼ決まることを意味します。
多くの単科医科大と同様、慈恵医大には「問題が難しい」という特徴があります。そういう意味では、標準的な出題を着実におさえて合格に近づくという戦略はとりづらい大学だといえます。
慈恵医大のキャンパスは、西新橋キャンパス(東京都港区)と国領キャンパス(東京都調布市)の2体制です。医学部医学科は、1年次だけ国領キャンパスで学び、卒業までの5年間は西新橋キャンパスに通うこととなります。文句なしに「メインキャンパスの立地がよい」大学だといえるでしょう。
ポイント5関西の名門私立大医学部☞おススメ大学:大阪医科薬科大/関西医科大
ここで取り上げる2校は、東日本の受験生にはあまりなじみがない大学かもしれません。しかし、関西ではどちらも名門校として知られ、受験生から大変な人気があります。
大阪医科薬科大は、関西国公立大医学部の併願先として人気
先ほど、首都圏の医学部受験生に絶大な人気がある大学として東京慈恵会医科大を取り上げました。その関西版ともいえる大学が、2021年に大阪医科大と大阪薬科大が合併してできた大阪医科薬科大です。
大阪医薬大は、京都大・大阪大など難関国公立大医学部の主要併願先として位置づけられています。国公立大の併願先になりやすい理由は、入試問題の出題傾向にあります。大阪医薬大の出題は記述問題主体であり、同じく記述問題主体である関西の国公立大の入試問題との相性がよいのです。入試問題のつくりが国公立大と似ていることにより、大阪医薬大には、難関国公立大医学部の受け皿となっているという側面があります。
そのような側面はありつつも、関西における大阪医薬大のブランド力は絶大です。それは、多くの私立大で実施されている繰り上げ合格者が例年きわめて少ないという点に表れています。大多数の正規合格者が入学を選び、辞退者がほとんど出ないのです。
大阪医薬大がもつ特徴の1つに、設備の新しさがあります。同校は、施設として、近年改築されたばかりの最新鋭の大学病院を擁します。医学部の関連施設にはつねに最新鋭の設備が求められますから、この点は学びのうえでとても有利です。ハード面の充実ぶりを重視する受験生にとってはきわめて満足度が高い大学だといえるでしょう。
学費を大幅に下げた関西医科大
大阪医科薬科大と並ぶ関西私立大医学部の人気校が関西医科大です。偏差値が大阪医薬大と同水準で、難関国公立大医学部の併願先になっているという点も大阪医薬大と似ています。京都府まで延びる京阪本線の沿線にキャンパスがあることから、とくに京都府・滋賀県の受験生に高い支持を得ていて、京都府立医科大・滋賀医科大の併願校として選ばれやすい傾向にあります。裏を返せば、国公立大医学部の受け皿となっている側面がある、といえます。ただし、大阪医薬大と同様、繰り上げ合格者は少なめです。ここからも、人気の高さがうかがえます。
関西医大は、入試問題が難しいことで知られています。とくに数学が難しく、4割とれていない受験生の中にも正規合格者が出ています。
先ほど、学費が安い大学として国際医療福祉大を取り上げました。じつは、この関西医大も、私立大医学部の中では学費が低く抑えられている大学です。2023年度入学者からは、6年間の学費が2,770万円から2,100万円へと、なんと670万円も引き下げられました。大学側による経営努力の賜物だといえるでしょう。
ポイント6学費は高いが、入試問題が比較的易しい☞おススメ大学:東京女子医科大/福岡大
受験生の中には、「学力が足りない。学費はなんとかなるので、とにかく医学部に入りたい」という人がいます。そんな受験生におススメの医学部が2校あります。それが、東京女子医科大と福岡大医学部です。この2校には、「学費は張るが入試問題は取り組みやすく、たとえ高学力層でなくても合格できる見込みがある」という共通点があります。金銭的な都合がつく女子受験生であれば東京女子医大、九州で6年間過ごすことに抵抗がない受験生であれば福岡大は、志望校の有力な選択肢になるといえるでしょう。
なお、東京女子医科大は医学部と看護学部のみの単科大学ですが、福岡大は医歯薬系以外の理系学部も文系学部も擁する総合大学です。また、福岡大の校舎は、医学部と医学部以外の学部が同じ場所にあるワンキャンパスとなっています。アットホームな雰囲気で学びたい人には東京女子医大、たくさんの学生から刺激を受けながら学びたい人には福岡大が向いている、といえるでしょう。
以上の説明から、医学部の志望校選びにはさまざまな切り口があること、また、それぞれの観点に即する魅力的な大学がたくさん存在することに気づいてもらえたかと思います。医学部は、東大理Ⅲと慶大医学部だけがすべてではありません。ここまでに述べてきた情報を踏まえ、紙のパンフレットや公式Webサイトを読み込んだりオープンキャンパスに参加したりして、自分にピッタリの志望校を見つけてください。
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