中学入試最新情報
開成中学校入試の試験日・過去問対策まとめ
開成中学校合格は算数で差がつく! 合格点をとるための過去問対策とは?
受験本番まで残りわずか。志望校対策を本格的に始める時期になりました。
受験生の保護者の皆さんにとっては、模試や過去問の成績推移を見るたびに、不安になることも多いのではないでしょうか。
志望校を変えようかと本気で悩むことも出てくることと思います。しかし、成績の推移に一喜一憂するのは時間のムダでしかありません。過去問を正しく活用して志望校の出題傾向に沿った対策を進めれば、入試本番までに合格点に到達することは十分可能です。
ここでは、正しい過去問演習の進め方や、親としてサポートできることについて紹介します。
夢の開成中学校合格に向かって、最後まであきらめることなく対策を進めていきましょう。
記事作成日:2021年10月19日
記事執筆者:TOMAS入試対策本部
【 目 次 】
- 開成中学校入試の基本情報
- 開成中学校とは
- 2022年度開成中学校入試の出願情報・入試日
- 開成中学校の合格者平均点と合格者最低点
- 開成中学校の受験者数・合格者数と実倍率
- 開成中学校の科目別配点と試験時間
- 開成中学校入試の攻略方法
- 開成中学校の国語で合格点をとるポイント
- 開成中学校の算数で合格点をとるポイント
- 開成中学校の理科で合格点をとるポイント
- 開成中学校の社会で合格点をとるポイント
- 開成中学校の合格者の声
- 開成中学校の過去問の使い方
- 過去問は何年分、いつから解く?
- 過去問の復習法はどうする?
- 過去問がなかなか解けないときは?
- まとめ
開成中学校入試の基本情報
開成中学校とは
東大合格者数39年連続1位の言わずと知れた名門男子校。
校名の由来は、「(開物)素質を開花させ、(成務)人としての務めを果たす」。
課外活動を重視しているのも大きな特徴で、特に5月の運動会は有名。
運動会などの行事を通して、集団の一員として自分の役割をきちんと果たすことができるたくましい人間の育成をめざす。2020年に創立150周年を迎えた。
- ◎ 住所
- 〒116-0013 東京都荒川区西日暮里4丁目2番4号
- ◎ 最寄り駅
- 西日暮里駅(JR、東京メトロ千代田線、日暮里・舎人ライナー) 徒歩3分
◎ 開成中学校をめざす受験生へ 野水勉校長先生からのメッセージ
(※TOMAS会員誌『スカラ』2020年11月発行号より抜粋)
開成には多様な個性をもつ生徒が集まっています。中学では1学年300人、高校では400人の同級生がいるので、運動が不得意であっても数学が得意だったり、ゲームに詳しかったり、さまざまな得意分野をもった仲間がいます。基本的にダメと言わない校風ですから、挑戦したいことが見つかったら、仲間を募って、協力して実現するチャンスを得られる学校です。いろいろなことに挑戦してみたいと考えている人にぜひめざしてほしいですね。きっと刺激的な6年間を送ることができるでしょう。(談)
2022年度開成中学校入試の出願情報・試験日
2022年度 開成中学校入試
募集 男子 300 名
出願情報入力・入学検定料支払
2021年12月20日(月)~2022年1月22日(土)〈インターネット出願〉
学力試験
2月1日(火)合計310点
国語 | 算数 | 理科 | 社会 |
50分 | 60分 | 40分 | 40分 |
85点 | 85点 | 70点 | 70点 |
発表
2月3日(木)12:00(正午)頃 学園ホームページ上に発表
開成中学校の合格者平均点と合格者最低点
合格者最低点
201点(310点満点)
合格者平均点(2021年度)
国語 | 算数 | 理科 | 社会 |
58.0 | 55.8 | 54.1 | 49.9 |
受験者平均点(2021年度)
国語 | 算数 | 理科 | 社会 |
49.1 | 45.8 | 49.7 | 45.9 |
合格者平均点と受験者平均点を比較すると、算数で10点もの差がついています。
合格者と不合格者を分ける科目は算数であると言っても過言ではありません。
開成中学校の受験者数と合格者数・実倍率
2021年度
定員数 | 偏差値 | 偏差値前年差 | 受験者 | 受験者前年差 | 合格者 | 合格者前年差 | 実倍率 |
300 | 71 | 0 | 1,051 | ▲137 | 398 | 1 | 2.64 |
※2021年2月時点
開成中学校の科目別配点と試験時間
満点 | 試験時間 | |
国語 | 85点 | 50分 |
算数 | 85点 | 60分 |
理科 | 70点 | 40分 |
社会 | 70点 | 40分 |
開成中学校入試の攻略方法
開成中学校の国語で合格点をとるポイント
物語と説明文の両方で得点が必要
開成中学校の国語は、物語と説明文という出題が定着しています。配点は物語の方に比重がありますが、説明文でも同程度の得点率をめざすことが合格のカギとなります。
設問の一字一句に留意する
まずは本文を正確に読み取ることが前提です。そのうえで、設問の一字一句に留意し、問われていることに対して正面から答える姿勢で記述をまとめ上げることが得点につながります。漢字は頻出外から出題されることがあるため対策が必要です。
開成中学校の算数で合格点をとるポイント
図形・数の性質・速さを徹底的に対策
開成中学校の算数は、例年3~4題出題され、解答用紙に式や考え方を書く形式となっています。分野的には図形・数の性質・速さが頻出となっていますので、重点的な対策が必要です。
問題の取捨選択を身につける
公式にあてはめるだけで解ける問題は少なく、全体的に空間や図形の認識力、数的処理能力、論理的思考力などが多角的に試される問題となっています。
過去問を10年分以上解き、最適な時間配分を身につけることがポイントです。各問題の難易度を見極め、問題の取捨選択をすることが合否に大きく関わってきます。
開成中学校の理科で合格点をとるポイント
4分野まんべんなく、グラフの読み書きも
開成中学校の理科は、例年4分野からまんべんなく出題されています。グラフの読み書きは毎年の定番となっており、年度によっては作図も出題されます。
身近な現象から「?」を導かせるリード文が秀逸で、近年は記号選択・語句・数値を答えさせる問題を主としています。日頃から身近な現象について科学的な視点で考える習慣が問われます。
開成中学校の社会で合格点をとるポイント
基本問題を絶対に落としてはいけない
開成中学校の社会は、男子御三家の中で唯一、記号・適語補充形式の基本問題中心の出題となっています。例年、易しい問題が多い一方で、問題の本質を素早く正確に読みとる力が要求される思考型記述問題もあります。ともあれ、高得点域での戦いが予想されるため、メインの基本問題では絶対にミスが許されません。
開成中学校合格者の声
開成中学校合格 Sさん
合格校:開成中学校、渋谷教育学園渋谷中学校、渋谷教育学園幕張中学校
▽ Sさんの過去問スケジュール
8月 | 海城中・栄東中など第二志望群の過去問演習スタート。 |
9月 | 開成中・筑駒中など第一志望群の過去問演習スタート。 |
10~12月 | 1月受験校、渋渋中・渋幕中など併願校の過去問演習を並行。 開成中の過去問10年分を解き終える。 |
1月 | 引き続き開成中の過去問演習で時間配分を体得。 |
Q 開成中学校の過去問を解いた第一印象は?
第一印象は「めんどくさい」でした。9月に初めて解いたときは、得意の算数も合格点に届きませんでした。
Q 偏差値はどのくらいあった?
6年生の前半は65、9月に一度60まで落ちました。12月ごろから伸びてきて、直前で一気に70まで伸びました。
Q 過去問演習で気をつけていたことは?
基本の徹底です。過去問演習だけでなく、計算や漢字の練習も毎日続けていました。また、間違えた問題の解き直しをしてから次の年度を解くこともルールにしていました。
Q 過去問で合格点に届いたのはいつ?
10年分の過去問を解き終えた12月ごろに変化がありました。問題の取捨選択ができるようになって、苦戦していた時間配分に悩まされることがなくなり、得点が安定してきました。
開成中学校の過去問の使い方
過去問は何年分、いつから解く?
過去問演習は小6の9月から本格的に始めるのが一般的です。
とはいえ、単元学習が終わっていないのに焦って過去問に取り組んでも、自信を失うだけになりかねません。11月でも決して遅くはありませんので、基礎をしっかりと固めてから取り組むことをおすすめします。
逆に基礎がほぼ完成している場合や、難関校を志望している受験生であれば、夏休みから過去問に挑戦してみましょう。志望校の出題傾向を早目に把握することで、秋からの対策を有利に進めることができるだけでなく、志望校のレベルと現在の力のギャップを知ることで目標が明確になり、学習のモチベーションにもつながります。
初めて過去問に取り組む際は、第二志望校から始めるとよいでしょう。開成が第一志望なら、海城や栄東などから取り組み、段階的にレベルアップしていきます。
解く年数の目安は10年分です。開成をねらうなら、ライバルを圧倒するほどやり込んで差をつけたいところです。特に重要なのが算数の過去問演習です。難関中入試は算数で大きく差がつき、算数が合否を分けると言っても過言ではありません。算数の過去問は遅くても9月から始め、第一志望校は10年分、第二志望校は5年分、第三志望校以降は3年分を目安に解きましょう。国語も同様に第一志望校は10年分が目安です。
社会については、時事問題などは古い年度になると参考にならないため、5年分が目安になります。理科も5年分を目安に解きましょう。
過去問の復習法はどうする?
過去問演習で大切なのは、「やりっぱなしにしない」ことに尽きます。
間違えた問題は、なぜ間違えたのかを分析するところまでやるということです。ミスの原因が知識不足であれば、その単元の知識をチェックし直します。思考系の問題であれば、どの過程でミスがあったのかを確認し、条件の読み飛ばし、計算ミス、途中式の書き方など、失点原因別の対策が必要です。
近年はグラフや作図など、書かせる問題が増える傾向があります。自分ではきちんと書いたつもりでも採点官が点をつけられない答案になっていることが多々あります。「わかっている」ことを採点官にそのまま伝えられる答案づくりを心がけましょう。
とはいえ、記述答案の採点・添削指導は、集団指導の塾ではなかなか対応が難しいものです。過去問演習においては、個別指導塾などの力を借りるのも一つの方法です。
もう一つ大切なのは、過去問の解き直しをする際は、「振り返りノート」を作ること。模試も含めて、間違えた問題を時系列でノートに貼っていき、自分の解答や間違えたポイントなどをまとめます。
努力しているにもかかわらず、なかなか点数に反映されないという受験生は、どこに何があるのか整理できていないことが原因になっているケースが多くあります。振り返りノートをまとめることで、「大切なことはすべてこのノートに集約されている状態」を作ることができます。復習の効率が格段に上がるだけでなく、ノートを見直すことが精神的な支えにもなるでしょう。
過去問がなかなか解けないときは?
なぜ解けないのか、原因を分析しましょう。単元学習が十分にできておらず、知識が足りないために解けないのであれば、その単元に戻って復習し直すことが必要です。失点が目立っているようなら、どの過程でミスがあったのかを確認します。前段でも述べましたが、失点の原因が計算ミスなのか、条件の読み飛ばしなのか、あるいは途中式の書き方なのを見極め、原因別に弱点を補強することで、徐々に得点が安定してきます。
合格したお子さんも、最初に解いたときの得点率は5割以下というのが珍しくありません。解けないからといって焦らず、数を重ねて復習をしっかりと行うことで、12~1月には手応えが得られるはずです。
また、難問揃いの過去問を解いていると、簡単な問題を難しく考えてしまい、ミスが目立ってくるケースもあります。過去問演習と並行して、計算や漢字などの基礎も毎日欠かさず継続してください。
まとめ
繰り返しになりますが、保護者の皆さんに心掛けていただきたいのは、点数に一喜一憂しないこと。最大の目的である「志望校の出題傾向を理解・体得すること」を忘れずに、いつどの年度を解くか、過去問演習スケジュールを綿密に組んでみましょう。第3志望校まで解き切るためには、保護者の皆さんのスケジュール管理が非常に重要になってきます。
また、お子さんが過去問を解く際には、ストップウォッチなどを用意し、時間をきっちり計って挑ませてください。入試本番では4科目タテに続けて受験します。途中で息切れしないように集中力を持続させる訓練も必要です。日曜日などに4科目続けて過去問に取り組んでみるとよいでしょう。
入試当日はわずか12歳にして一人で戦わなければなりません。普段から本番同様の環境で解く体験を積むことで徐々に自信をつけ、さらに1月入試で実戦を経験し、2月の本命校入試につなげていきましょう。
TOMASは、御三家・最難関中に強い完全1対1の進学個別指導塾。一人ひとりの過去問演習カリキュラムや併願戦略を作成し、難関中合格へ導く。
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