おかあさんの参考書
親の気持ちが楽になれば子どもは幸せになる。これが子育てと家庭教育のコツ

親の気持ちが楽になれば子どもは幸せになる。
これが子育てと家庭教育のコツ

親野智可等

多くの親を見てきて思うのは、「親の気持ちが楽になれば、子どもは幸せになる」ということです。親がいっぱいいっぱいな状態で子どもに接していると、ろくなことになりません。どうしても否定的に叱ることが増えるからです。

いっぱいいっぱいな状態とは、例えば次のようなことです。

子育ては難しく、誰がやってもうまくいかないもの

時間的にも経済的にも余裕がない……。

ワンオペ育児で、一人で抱え込んでいる……。

やる気がない、だらしがないなど、子どもの短所ばかりが目につく……。

子どもの学力が志望校レベルに届かないので、気持ちが焦る……。

「子どもが伸びないのは自分のせいでは?」など、親として自信が持てない……。

こういったことで、いたずらに焦ったり自分を責めたりして、必要以上に子育てに苦しんでいる親が多いのです。

もし、あなたがそういう状態になっているのなら、一度開き直ってみる必要があると思います。

そもそも子育ては難しく、誰がやってもうまくいかないものなのですから……。

苦しいときは、子どもを産んだだけでも大したものだと、自分をほめましょう。

実際、少子化が日本の最大課題である昨今、子どもを産んだだけでも大したものなのです。

そして、なんとか曲がりなりにも今日まで育ててきました。

実に立派なものですよ。

あなたは十分がんばっています。

あなたは偉い!

親はもっと自分で自分をほめよう

他人はなかなかほめてくれません。

特に、親としてほめられるということは、まずありません。

親はちゃんと育てて当たり前と思われているからです。

世間の人は、子育て中の親に厳しいものです。

おじいちゃんやおばあちゃんもいろいろと言ってきます。

先生もあれこれ言ってきます。

教育評論家もああしろこうしろと説教してきます。

テレビのコメンテーターも文句ばかり言ってきます。

ですから、親はもっと自分で自分をほめたらいいと思います。

自分のことがわかるのは自分しかいません。

自画自賛で自己満足して、とりあえず気持ちを楽にすることが大切です。

自画自賛こそ幸せへの近道です。

写真でほめる「ほめ写」も効果的

まずは、子どもを産んだときから今に至るまでの写真を、目につくところに貼ってみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんを抱っこしている、おんぶしている、あやしている……などの写真。

子どもと一緒に遊んでいる、食事を食べさせている、着替えを手伝っている、文字を教えている……などの写真。

入園式、卒園式、入学式……などの写真。

こうした写真をいつも目にしていると、「自分も親としてけっこうがんばってきたな」と思えるようになります。

また、これは子どもにもよいことがあります。

子どもがこういう写真をいつも目にしていると、「自分は親に大切にされている」「自分もけっこうがんばってる」と思えるようになります。

これによって、自己肯定感と親への信頼感がともに高まります。

これは「写真でほめる」ということであり、私は「ほめ写」と呼んでいます。

親にできることはして、結果については達観しよう

そして、何事においても、子どもに結果を求めるのはやめましょう。

これも親が楽になる秘訣です。

もちろん、親としてできることはやってあげてください。

子どもがやりやすいように方法を工夫したり、子どもにかける言葉を工夫したりすることは大事です。

でも、親にできることはそこまでです。

その結果、子どもが変化するか否かを、親がコントロールすることはできません。

わが子といえども、全く別の人格を持つ一人の人間だからです。

親という一人の人間が、子どもという他者をコントロールすることはできないのです。

子育てや教育においては、万事そうです。

親は自分にできることはやり、結果については達観したほうがいいのです。

結果を出すのは、親ではなく子どもだからです。

結果を求めると親子ともども苦しくなります。

親は、自分にできることをエンジョイしながら子育てをやることです。

その過程そのものが、人生の貴重な時間なのですから。

子どもに感謝しよう

そして、そういう機会を与えてくれるわが子に感謝するとよいと思います。

そもそも子どもは、あなたを親にしてくれた恩人です。

今も毎日あなたにエネルギーと喜びを与えてくれています。

いろいろな人生経験をさせてくれて、日々あなたを成長させてくれています。

親になる前のあなたは、今よりはるかに未熟で愚かだったはずです。

そして、これからもあなたにいろいろな経験をさせてくれて、ますます成長させてくれる得がたい存在です。

もう感謝しかありませんよね。

最後に大切なことをもう一つ。

親として疲れたら、とにかく休むことが大事です。

子どもと離れて一人になれる時間が持てれば最高ですね。

自分の愚痴を共感的にたっぷり聞いてもらうのも効果的です。

そういう場所や相手を確保するよう、日頃から心がけましょう。

国や自治体も、そういったことにもっと予算をつけるべきだと思います。

一人で抱え込んだり自分を責めたりするのは、絶対に避けてください。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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