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子どもの勉強と「リスキリング」の関係は?

子どもの勉強と「リスキリング」の関係は?

ニュースなどでよく「リスキリング」という言葉を聞くようになりました。仕事で新たに必要となる知識や技術を獲得することを意味します。
デジタル技術をあらゆる産業分野で活用する必要が高まるなか、政府も推進に乗り出しています。このリスキリングは今の社会人だけでなく、将来社会で活躍する今の子どもたちとも関わりがありそうです。

リスキリングとは、新しい仕事の知識やスキルを“再び”身につけること

リスキリングは、日本語に訳すと「職業能力の再開発」などといわれます。“re”は「再び」を意味する英語で、スキルを再び獲得し直す「リ・スキリング」を単語にしたものです。
なぜ今、リスキリングが注目されているかというと、変化の激しい社会の動きが背景にあります。特にデジタル技術の進展はめざましく、あらゆる分野でデジタル技術を活用した働き方が求められているからです。

会社員の勤怠管理はかつてタイムカードを使っていましたが、今ではICカードやスマートフォンなど、さまざまなデバイスから打刻することができ、就業時間や給与も自動で計算できるようになりました。商品の受発注や在庫管理、製造部門の生産管理などもシステム化することで効率化でき、生産性アップにつなげています。

日常生活を見渡しても、デジタル化は急速に進んでいます。
買い物をする際の電子決済や、子どもが通う学校からの連絡システムなど、スマートフォンひとつで済むことが多くなってきました。レストランでは、事前にアプリで注文すれば、待つことなくテイクアウトができるようになりました。通塾や中学受験の際も、ネットでの申し込みや願書提出など、オンライン化が進んでいます。
便利になったと思う反面、スマホをはじめとするデジタル・デバイスの操作スキルや知識がなければ取り残されてしまう、と感じる人もいるでしょう。

これからは、テクノロジーの活用で仕事の進め方や生活がアナログからデジタルに変わるだけでなく、そもそもデジタル技術を土台とした新規事業や業務改善のアイデアを生み出すことに価値がおかれるようになります。データを人工知能(AI)で分析する、クラウドコンピューティングやデータセキュリティの知識やスキルは、もはや情報系の専門家の仕事ではなく、多くの職業人が身につけて仕事に生かす時代になるのです。
こうした仕事を担える人材を育成するため、企業が従業員に対してより高度な知識やスキルを身につけてもらう「リスキリング」という考え方が出てきたといえるでしょう。

リカレント教育よりも人事戦略の意味合いが強い

「知識やスキルを再び学ぶ」という意味で、リスキリングと似た言葉に「リカレント教育」があります。社会人が大学などの教育機関に戻って学び、再び仕事に就くサイクル(還流)を意味するものです。
大学を卒業して企業に就職、大学に戻って別の学士号を取得、起業、学びながら副業もする、といった「マルチステージ型」の人生に対応する学び方を指します。本人の自発性により、仕事や学び方を選び取る方法のひとつ、という意味合いが強いのがリカレント教育です。

これに対して、リスキリングは企業の人材育成・人材戦略の一環として学び直す機会を提供する意味合いが強いものです。大手企業が全社員にデジタル研修を実施することもリスキリングに含まれます。デジタル技術を活用した仕事のやり方に2025年までに追いつかなければ、その企業は競争力を失い生き残れなくなるとさえいわれています。
岸田首相が経済対策の一環として、リスキリング推進に5年間で1兆円の投資を表明するほど、デジタルを中心とした高度人材育成のニーズは高まっているのです。

大学でもAI、データサイエンス教育が盛んに

近年、大学でも国公立・私立を問わずAI(人工知能)や「データサイエンス」の科目、学部を設けるところが急増しています。データサイエンスとは、大規模なデータ(ビッグデータ)を統計やプログラミングで分析し課題解決につなげる学問です。
お茶の水女子大学では、文理融合AI・データサイエンスセンターを設立し、どの学部の学生もデジタルについて学ぶことができます。上智大学では2022年度から「データサイエンス概論」が全学部で必修化されました。2023年度に新設される一橋大学の「ソーシャル・データサイエンス学部」は志願倍率が6.1倍にも上り、注目を集めています。
2023~27年度の国の教育の方針を定めた教育振興基本計画の検討会議では、リスキリングも話題に上り、リカレント教育を通じた高度人材育成が方針に盛り込まれています。

今の子どもこそ「未知なこと」への対応力を

リスキリングが必要なのは今の社会人だけで、子どもは関係ないのでは? デジタル化がもっと進めば不要になるのでは? と思うかもしれません。
しかし、昨今は社会の変化が激しく、先行きが不透明で将来予測が難しい時代だといわれます。日本の企業でも年功序列や終身雇用制度が崩れ、人材の流動性が高まりつつあります。想定外の出来事に対応しながら、解決策を提起する力はますます求められ、学校を終えても生涯にわたり学び続けるリスキリングが日常化するといっても過言ではありません。

多くの私立中高一貫校では、この「学び続ける力」の育成に力を注いでいます。自分で課題を発見し、自分の頭で考え、行動しながら答えを探していく「探究学習」が盛んなことからも明らかです。また、プログラミング教育やデータサイエンスを学ぶ「情報科」の授業を充実させ高度なデジタル技術を体験できる学校も増えてきました。
「答えのわからない未知なこと」に向き合い、必要な答えを見出せる力を中学・高校時代から培うことは、リスキリングへの適応力を高めることにもつながります。進学や進路の選択の幅を広げることにも直結しているといえるでしょう。


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