「創造社会」を担う 次世代の教育とは

「創造社会」を担う 次世代の教育とは

人工知能の発達や IT 技術の進展で、20年後には今ある仕事の多くがなくなってしまうという話を耳にしたことがあるかもしれません。 子どもたちが社会に出ていく時代は、情報社会の次の段階「Society5.0」の時代といわれます。そのような新しい時代に備えるために、経済界は子どもたちにどんな力を期待し、教育に変革を求めているのでしょうか。

●情報社会の次の時代へ

私立中学・高校の多くは、「社会に貢献できる人材の育成」を教育理念として創立されていますから、これからの社会がどのように変化していくのか、そのために必要な教育とは何かを、学校経営者は常に関心を向けています。

2018年の11月に日本経済団体連合会(経団連)が発表した提言「Society 5.0-ともに創造する未来-」は、今後日本が目指すべき教育のあり方にもヒントを与えています。

以前、文部科学省の提言を紐解きましたが、今回は経団連の提言からこれから求められる人材像について見ていきます。

 

いま、地球規模で、AIやバイオテクノロジーなどの技術的革新、アジア地域の経済的台頭、地球規模の環境問題の深刻化など急激な変化が進んでいます。こうした社会の中では、「想像力を働かせて未来を切り開いていくことが重要」だとし、新しい社会のあり方を「Society(ソサエティ)5.0」と名付け、その実現を加速させていくべきと、経団連は主張しています。人類が誕生した狩猟社会をSociety1.0、農耕社会が始まった紀元前をSociety2.0、18世紀末からの工業社会をSociety3.0、20世紀後半の情報社会をSociety4.0と定義し、その次にくる時代をSociety5.0としているのです。

 

では、Society5.0の時代とは、一体どのような時代でしょうか。

提言では、デジタル技術を活用することで、様々な制約から人々が解放され、誰もが、いつでもどこでも、安心して自然と共生しながら価値を生み出せる「創造社会」だと説明しています。

 

そのために、例えば、企業が変わるべき具体的な点として、

  • 既存産業の保護ではなくスタートアップの振興を第一に考える
  • 業務プロセスを改革し 、AI を活用しやすい組織体制にする
  • 働き方や日本型雇用慣行をモデルチェンジする

――などを挙げています。

●課題解決力とリーダーシップ

人の手でおこなっている業務の多くは今後、 AI やロボットに代わられるため、この先、求められる人材像も変わっていきます。AIに仕事を奪われるのではなく、自ら課題を見つけて AI を活用して解決できる人材、多様性のある集団においてリーダーシップを発揮できる人材が求められます。

提言は次のように教育のあり方を提言しています。

 

<これからの教育の方向性は>

  • 異質な考えや能力を伸ばす教育
  • 失敗を恐れずにチャレンジする教育
  • 根性論ではなく論理的思考力の土台の上に展開される想像力と創造力

 

<必要となるリテラシー>

  • 知識を活用し自分で考える力
  • 文章や情報を正確に読み解く力
  • 自らの意思や考えを正しく的確に表現し伝える力
  • 科学的・論理的に思考する力
  • 感性・好奇心・探究力
  • 倫理観
  • 将来の進路にかかわらず、情報科学・数学・統計・生命科学などの基礎的な知識

 

このようなリテラシー育成の考え方は、中学校で2021年度から本格的に実施される新しい学習指導要領の内容に、すでに反映されています。Society5.0が目指す「創造社会」の実現のため、人材育成のあり方を変えなければならないというのは、教育界・産業界の共通項といえるでしょう。

●トップ人材の育成が期待される私立

提言は「文理分断からの脱却」「平等主義からの脱却(トップ人材の育成)」も重視します。

大学生には、AIや情報科学などを必修化し、文系の学生も理数の知識を身につける、理系の学生は人文・社会科学、芸術やデザインなどの領域を学ぶ、といった教養教育「リベラルアーツ」の必要性を説いています。

 

私立中高一貫校の中には、このリベラルアーツを重視する学校が少なくありません。どの進路でも高校で数学を履修させる、文学や哲学を重視する、さまざまな機会に文化や芸術にふれさせる、受験学年でも行事や部活動を制限しない――などです。

こうした教育方針は幅広い知識と視野を持ち、自分なりの世界観を持てる生徒を育てることを目指すものです。豊かな教養を身に付けることで他者の「多様性」を認めることができれば、抜きんでた才能を持つ生徒の存在も素直に認めることができます。

私立中高一貫校のリベラルアーツ教育は、将来のSociety5.0で求められる人材育成を先取りしているといえます。


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