受験は通過点。人生を長いスパンで見よう
中学受験・高校受験・大学受験・就職試験などを前にすると、誰でも人生の非常に大きな分かれ目にさしかかったように感じるものです。
つまり、「これで将来が決まる。人生が決まる」というように考えてしまいがちです。
当の子ども以上に、親御さんたちはそういう危機感のような思いを強く持つと思います。
受験指導をする塾の中には、そうしたことを言って、やたらに不安を煽ってくるところも少なくありません。
私としては、「イヤイヤそんなことはありませんよ。そんなことで人生は決まりません」と言いたいです。
受験直前のこの時期、親御さんには特に注意してほしいと思います。
親が抱えている負の感情はダイレクトに子どもに伝わります。
焦りや不安にとらわれていないか、親の側も試されているといっても過言ではありません。
子どものやる気スイッチを親が押すことはできない
一方、子どもたちはどうかというと、彼らなりに受験というものについては大きなことだと感じてはいます。
みんなやはり不安ですし、どの子も「がんばらないといけない」という気持ちは持っていると思います。
でも、そういう気持ちはあったとしても、実際に勉強するかというとまた別の話になるわけです。
もちろん、子どもの中には、やる気スイッチが入って実際に目標に向かって勉強をがんばる子もいます。
でも、不安を抱えつつも実際にはそれほど勉強をしない子もいるのです。
しないというかできないというか、そこは微妙です。学力が不足している場合もありますし、自己管理力がまだ育っていない場合もあります。
一番大きいのは、本当に大切であるはずの、内面的なモチベーションを持てていない子が多いということです。
外部からの介入によってモチベーションを持たせるのは難しいので、本人が自分で獲得する時期を待つ必要があります。
世間には、「子どものやる気スイッチを押す方法」とか、「子どものモチベーションの上げ方」などの情報が溢れていますが、表面的なことはさておき、本当の意味での内面的なモチベーションは他人の働きかけでどうにかなるものではないのです。
長いスパンで人生を見よう
もうひとつ私が言いたいのは、「受験」というものを過度に大きな関門のように考え過ぎない、ということです。
後になってみると、受験など実はそれほど大きなことではなかったとわかるからです。
はっきり言って、すべてはただの通過点に過ぎません。
私は今64歳ですが、自分や自分の同級生たちを見ていてもそう思います。
高校受験に成功し、地域で一番の進学校に行った人でも、その後パッとしなかった人もいます。
逆に、底辺校に行った人で今は会社を5つ経営している人もいます。
こうした例はみなさんのまわりにもあると思います。
ですから、私は親がもっと長いスパンで人生を見るのが大事だと思います。
心に余裕を持ってドーンと大きく構えよう
子どもにとって、長いスパンで人生を見ることは難しいでしょう。しかし、それなりに長く生きてきた大人であれば可能なはずです。
ぜひ、大きな視野を持ち、長いスパンで子どもの人生を見るようにしてください。
そうすれば、心に余裕が出てきてドーンと大きく構えられるようになります。
親が視野狭窄になってしまって、受験を過度に大きなものと思い込んでしまうのはよくありません。
なぜなら、必要以上に大きなストレスを感じてしまいますし、また、そのストレスは必ず子どもにぶつけられるからです。
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