(左)チーフ講師:鈴木 善理先生
(右)副校長:松村 啓次郎先生
早稲田大学のお膝元高田馬場に校舎を構えるTOMAS高田馬場校。
もちろん早稲田大学や附属校への実績も多いが、それ以上に際立った実績をあげ続けているのが医学部受験である。
20年度は医学部御三家の一つ、日本医科大学医学部2名、国公立の新潟大学医学部1名、東京女子医科大学医学部1名の合格者を出している。さらに19年度には東京大学理科三類にも合格者を出しており、その勢いはとどまるところを知らない。合格の裏には医学部合格請負人の専門的な指導があった。
−−まずは今年の難関校合格者たちのエピソードや指導などについて伺っていきたいと思います。
日本医科大学に合格した2名からお願いします。
松村副校長:
一人は日大二高から現役で、もう一人は渋幕高から浪人で合格しました。
現役の生徒について振り返りますと、彼は中学受験のときからTOMASに通っていました。当時はそこまで受験勉強に意欲的ではかったと聞いています。
中学、高校と学年が上がるうちに徐々に勉強に対して前向きになり、高2で医学部を志望することに決めました。
鈴木講師:
医学部志望になったタイミングで、私が担当することになりました。当初の志望校は東京医科歯科大です。
彼は習った内容を理解する能力は高かったのですが、応用問題への対応力が伸び悩んでいました。
基本的な内容や、知識で勝負できる問題には強いが、首都圏国公立大などに多い熟考型の難問・超難問を出す問題との相性はあまり良くなかったのです。
そこで、相性のよい大学に的を絞って対策することで現役合格の可能性を上げるか、浪人してでも国公立大をめざすか、どちらを優先するかの意思確認を行いました。
本人は現役合格を優先したいとのことだったので、国公立対策についてはセンター試験で成功したときのみ残り一カ月でやることにして、まずは確実に現役合格することを目標に設定しました。
のちほどお話しますが、東京大学理科三類に合格したSさんは、慶應、日医、昭和すべて補欠合格で正規は東大だけでした。医学部受験は問題との相性や、対策の進め方が結果を大きく左右する世界なのです。
松村副校長:
現役で日本医大に合格した生徒に話を戻しますと、彼は、漠然と最難関の医学部に行きたいと言っていた頃より、現役合格をめざすと決めたあとのほうが勉強にも身が入っていましたね。
学校のテストではよく1位をとっていましたが、途中から学校内のことよりも医学部志望者の中での自分の立ち位置を意識するようになり、授業がない日も含めほぼ毎日TOMASの自習室に籠るようになりました。
鈴木講師:
彼はやる気は十分でしたが、ときどき余計なことに時間を費やしてしまうところがあったので、自習室を頻繁に覗いて、自習内容をチェックするようにしていました。
集団塾と違い担当している生徒の数が多すぎないので、一人ひとりの自習の様子も把握できるのがTOMASの良いところですね。
TOMAS医学部受験指導の第一人者。
東大、慶大、筑波大などへの合格実績をもつ。
−−ほかの生徒についてもお聞きします。東京大学理科三類に合格したSさんはどのような指導を受けていたのですか。
松村副校長:
Sさんは中学受験のときにTOMASに入会し、第一志望の女子学院中に合格しました。進学後は集団塾に入ったものの、高1の秋に再びTOMASに戻ってきました。
鈴木講師:
本人は当初から東大を意識していたので、二年半かけて東大に合格するカリキュラムを組みました。
まずは一通り全範囲を扱い、高2のはじめに一度東大の過去問に触れさせました。そこで見えた課題をもとに弱点強化などを重ね、高3夏の東大模試に照準を絞って指導を展開。その後は東大の対策を中心に、併願校の対策も折を見て進めていきました。
−−東大の対策と、その他の難関私大の対策にはどのような違いがありますか?
鈴木講師:
医学部入試では偏差値が下がるほど知識量が必要になってくる傾向があります。
彼女には東大や慶大などの、知識量より思考力を問う入試問題向けの対策を行ってきました。当然知識量を増やすことに関してはあまり時間を割けません。
もともと本人も覚える作業が苦手で、単語や社会科目はもちろん、暗記が多い化学も苦戦していたので、得意なフィールドで勝負する道を選んだのです。
結果としては先に挙げた通りで、東大以外すべて補欠合格からの繰上りです。
慶大との相性は悪くなかったのですが、数学で確率が1を超えるという凡ミスをやらかしてしまったそうです。
松村副校長:
医学部受験では入試問題との相性や、ご家庭の経済状況、浪人の可否、地方か都内かなど、いろいろなことを加味して志望校を定めて、志望校に特化した対策を進めていくことが必要ですよね。
鈴木講師:
今年新潟大に進学した生徒も、併願した私立大ではかなり苦戦していましたからね。狙いを定めた志望校に対して、高い突破力をもたせるのが医学部受験の個別指導の戦い方です。
−−中学受験についてもお聞きします。
松村副校長:
今年は早実中と慶應中等部にW合格した生徒がいます。
この生徒は昨年度聖光学院中に合格した生徒のご家庭からの紹介で小6の夏に入ってきました。
集団塾との併用で、前半は算数のフォロー、秋からは志望校対策に特化していきました。
早実の野球部に入りたいという強い意志があったので、モチベーション高く最後までついてきてくれました。
結果的に慶應中等部とW合格する高い学力を養うことができたのは、心に決めた志望校があったからです。
TOMAS歴15年のベテラン。
生徒とのコミュニケーションを大切にしている。
−−ニーズとしては医学部と早稲田系列を狙う生徒が多いのでしょうか?
松村副校長:
そうですね。医学部、早稲田大学、早稲田大学附属校志望はかなり多いです。
医学部志望の生徒が来たら鈴木先生と、もう一人霜村先生という医学部合格請負人のお二方にお願いし、早稲田系を志望する生徒は早稲田大学出身の先生、あるいは在学中の先生にお願いしています。他県から早大対策希望で問い合わせをいただくことも多いです。
−−高い進学実績を出し続けるために校舎として工夫していることはありますか?
松村副校長:
2つありまして、まずは授業回数をしっかりと確保することです。
現状の学力から、合格に必要なレベルにもっていくまでに必要な授業時間をしっかりと見極め、時間切れになることのないように、必要数をしっかりと受けきれるようにするのが担任の仕事です。いざ直前期になって、授業を受ける時間がない、などという事態は絶対に避けなければなりません。
もう一つは、生徒とのコミュニケーションのとり方です。
授業以外の自習の時間でも、登校時や帰宅時、あるいは自習中などの生徒からのちょっとした相談や報告などに耳を傾け、気軽にコミュニケーションをとっていただくよう、講師の方々にもお願いしています。
鈴木講師:
とても大事なことだと思います。
思ったことを気軽に言える仲でないと、お互いに齟齬が生じて、結果的に授業の質の低下や試験結果にも影響するようになります。
私も率先して生徒たちに声をかけるようにしています。
−−最後に今後の目標をお願いします。
鈴木講師:
この仕事は大人数とは関われないけど、受け持った生徒一人ひとりと一緒に一喜一憂しながら伴走することができ、その結果は生徒の人生を大きく左右します。
これからも責任の重いこの仕事で、一人でも多くの生徒の夢を叶えるお手伝いができたらと思います。
そして、夢を叶えていろいろな職業で活躍する教え子たちに、いつか困ったら助けて欲しいなといつも考えています(笑)。
松村副校長:
教え子に診てもらったことはあるんですか?
鈴木講師:
まだないんですよ。でも、近くの歯科医院に教え子がいることが判明したので、近々お世話になるかもしれません。
松村副校長:
行かれたら教えてください(笑)。
私は校舎の責任者として、この校舎をもっと大きくしていきたいですね。たくさんの生徒をお預かりし、その全員を夢の志望校合格に導いていきたいです。