(右)副校長:細野智仁先生
(左)チーフ講師:鈴木広美先生
開校10周年を迎えた二子玉川校。2015年には大型商業施設もオープンして街は賑わいを見せる中、校舎規模も成長を続け生徒数300人に迫る勢いです。合格実績も躍進を続け、2018年度入試では東大1名、桜蔭1名、東京外国語大1名、豊島岡女子中1名、渋谷教育学園幕張中1名など、難関校への合格報告が相次ぎました。細野副校長と、開校当時からチーフ講師を務める鈴木講師にお話を伺いました。
−−18年度入試もすばらしい合格実績でしたね。今年東大に合格した生徒はどのような受験生でしたか?
細野副校長:
TOMASには中2のときに入会しました。最初は漠然と医学部を志望していたのですが、高校に進学してから将来何をしたいのか真剣に考えるようになり、志望校を東大に変更しました。
鈴木講師:
東大をめざすと決めてから一気に成績が伸び始めました。英語は高2の終わりには、難関大の過去問に取り組めるレベルまで達していましたね。
東大の過去問に取り組む前に旧帝大や、早慶の問題を解かせたところ、これは問題なく解けた。しかし、いざ東大の問題を解いてみると通用しない。苦戦らしい苦戦はこのときが初めてだったかもしれません。東大英語に特化した指導をするとともに、英作文では「解いては添削」を繰り返しました。地道な努力が奏功して秋の模試ではA判定。これには驚きました。
細野副校長:
今、自分が抱えている課題、鍛えなければいけないところを自らしっかりと把握していて、毎回の授業も「今日の授業ではこの単元を習得する」「この部分を克服する」など目的を明確にして臨んでいました。他の難関校に合格した生徒たちも含め、伸びる生徒は①自分の課題を自分で把握している②毎回の授業の目的やゴールを明確にしている、この二つにあてはまることが多いです。
−−桜蔭中に合格した生徒についてもお聞かせください。
細野副校長:
将来は医師をめざしており、医学部に強い桜蔭が第一志望と決めていました。早く力をつけさせたいという親御さんの意向で、年長からTOMASに入学。少々早めのスタートだったため、完全独自のカリキュラムを作成して指導にあたりました。前倒しで学習を進めた結果4年生の段階で過去問に取り組めるレベルまで到達しており、受験では併願校含めすべて合格することができました。
この生徒も毎回の授業に目的意識をもって臨んでおり、自分が今何をしなければいけないかをわかっていましたね。
−−自分の課題を理解し、授業に目的意識をもって臨むことが大切なのですね。
細野副校長:
その通りです。TOMASには板書五項目(日付、生徒名、講師名、科目、本日の目標)というものがあり、二子玉川校では、この板書五項目を重要視しています。特に本日の授業のテーマや目標を授業開始時に講師と生徒でしっかりと確認し、白板に記すことで授業に臨む姿勢も変わってきます。
この板書五項目は担任への情報共有にも役立っています。私たち担任は巡回しながら各授業の板書五項目を見て回り、授業後には生徒の書いたノートや、講師の指導レポートをチェックすることで、きちんとゴールに向けて学習できたかを確認しています。
鈴木講師:
合格する生徒は自習室での様子も特徴的です。姿勢がちょっと崩れていたり、ウトウトしたりする生徒もいる中で、ずっと微動だにせずひたすら集中し続けている。必要だと考えている学習時間の基準も一般的な受験生より多いんですよ。先ほどの東大に合格した生徒は高2の時点で週に40~50時間は勉強していましたが、それでもまだ足りないと言っていました。
2年前早稲田大に合格した生徒は、校舎の開く朝八時半(夏期講習期間中)まで近くのファストフード店で勉強し、開室時間中はTOMASで勉強、校舎の閉まる22時以降も同店で勉強する生活を送っていました。1日15時間くらい勉強していたかもしれませんね。
「指導上特別なことはやっていません。板書五項目やノートチェックなど、基本に忠実な指導を続けることが大切」と語る細野副校長。TOMASには長年培った指導ノウハウがあり、教務担任は皆それを徹底している。
−−合格するには意識を高くもつことが必要なのですね。では、意識が低い生徒を受け持った場合、どのように指導されるのでしょうか。
細野副校長:
残りの期間と、合格に必要な学力から逆算したカリキュラムを作成して提示します。いつまでにこの段階に到達していなければならない、ということを可視化するのです。受験までの期間が長いと危機感が湧かない生徒もいるので、その場合は1週間のスケジュールを生徒自身に記入させることもあります。それまで口頭では「土日は1日10時間くらいやっていますよ」と言っていた生徒が、実際に詳細を記入してみたところ、半分以下の勉強量だったことが発覚しました。無駄な時間も浮き彫りになるので言い逃れはできません。
鈴木講師:
生徒の様子の変化に気づいてあげることも重要です。今まではやる気があったのに、最近どうも勉強に身が入っていない。そんな生徒に対し頭ごなしに「集中しなさい!」と叱ってもやる気は下がる一方でしょう。何かつらいことがあったり、悩みを抱えていたりするのかも知れません。本音を丁寧に引き出し、状況に応じた指導に切り替えることで、再びやる気を取り戻させるようにしています。
「何を教わりたいか、自分の意見を言うのが苦手な生徒もいる。そういう生徒と信頼関係を築き、導いていけるのも個別指導の面白さです。」厳格な印象の鈴木講師だが、生徒との思い出話になると笑みがこぼれる。
−−1対1の個別指導だからなせる指導ですね。お二人にとってこの仕事の魅力とは?
細野副校長:
もともと子どもが好き、教えることが好きだったので、教育業界には興味がありました。その中でも個別指導は、一見不可能と思われるような成績からでも逆転合格させられるところが面白いと思います。集団授業だと偏差値で輪切りに判断せざるを得ない面もありますが、個別指導だと、その生徒に必要なところをピンポイントで補強できる。最後まで合格を信じ頑張る受験生たちの姿から自分もエネルギーをもらっていますし、期待に応えなけばという想いも強まります。
鈴木講師:
一生懸命やれば見返りがあるということですね。たとえその時はつらくても、頑張れば頑張った分だけ成果として生徒に返ってきます。頑張った本人も、ご両親も、そして指導をする我々も、皆が幸せになれる仕事だと思っています。
−−最後に、今後の二子玉川校の目標を教えてください。
細野副校長:
おかげさまで御三家中や慶應附属高、東大・早慶大などへの合格実績を積み重ねてくることができました。これからは医学部への合格実績も今まで以上に出していきたいですね。
この辺りは医師の方が多くお住まいになっており、二子玉川校にも医学部を志望するご子息が多く在籍しています。彼らをしっかりと夢の志望校に合格させて、「医学部に強い二子玉川校」にしていきたいと考えています。