左から
校長:山澤賢一先生
講師:鈴木健寛先生
毎年多くの難関校合格者を輩出する横浜校。2023年度の大学入試でも東大2名をはじめ、東北大、北海道大などに合格者を出し、TOMAS全校舎中第1位の合格実績を記録しました。今回はそんな横浜校の合格の舞台裏を取材。校長の山澤先生とベテランプロ講師の鈴木先生に、指導のポイントやこだわりを聞きました。
生徒・教務・講師、全員が一体感を持って前に進むパワーをもち、同じベクトルで合格へと向かっていける教室をめざしています。
山澤校長
――2023年度の大学入試では、東大に2名の合格者(文Ⅰ・文Ⅱ)が出ました。生徒たちの合格までの道のりを教えてください。
山澤校長:
まず、文Ⅰに合格した生徒は、聖光学院中・高に通っていました。入塾したのは、中学受験が終わったタイミングです。もともと算数に不安を抱えており、授業の厳しい聖光で通用するのか悩んでいたようです。そのため中学入学直前の3月から、聖光での学習に耐えられるようビシビシ鍛えていきました。担当はそのころから鈴木先生です。鈴木先生は大学・医学部受験の生徒を担当することが多いので、中学生からすれば厳しい側面もあったかもしれませんが、先を見据えて計画的に鍛えてもらいました。
鈴木先生:
聖光は授業の進度が速いので、中学生の間は学校のフォローを中心に指導しました。まずは聖光での学習予定の範囲を予習して、わからなかった難しい問題を解説するという流れです。高校生になってからは、数学ⅠA・ⅡBをなるべく早い段階で仕上がるように進めました。共通テストは高2の時点で8割程度得点できており、そこから応用力を養成、高3の夏ごろから過去問をスタートしました。
落ち着いた物腰の中に、合格実績に裏打ちされた確かな自信をのぞかせる山澤校長。生徒・保護者からの信頼も厚い。
――6年間一貫して指導できるというのはTOMASならではですね。東大を受験するにあたり、弱点や課題はありましたか。
鈴木先生:
典型的な問題は得意だったのですが、応用の必要な問題や初見の問題にうまく対処できない点が課題でした。解答の方針が180度違ってしまっているということもありましたね。答案のよくなかった箇所を洗い出して、それを正解に近づけるためにはどのようにすればよいのかということを指導しました。
山澤校長:
もともと算数が苦手で入会した生徒なので、同じ先生が基礎から一貫して指導できたという点はとてもよかったと思います。特に鈴木先生は何より基礎を大切に、きちんと地固めをしたうえで応用に進みます。その点も相性が合っていたと思いますね。
鈴木先生は指導歴16年のベテラン。学生講師時代から横浜校一筋で指導に当たっている。東京大・京都大や医学部など、難関大に多数の生徒を輩出してきた。
――今年、文Ⅱに合格した生徒もいますね。その生徒も長く通っていたのですか。
山澤校長:
彼も中1から6年間通ってくれました。受講していたのは理系科目です。やはり6年間通して指導できるのはTOMASの最大の強みだと思います。さらに言えば、横浜校には中・高をまたいで指導できる能力の高い先生が多く在籍していることで、それを可能にしているとも思います。
――ここからは、進学実績を出すために校舎で意識していることについて聞かせてください。
山澤校長:
早め早めに単元学習を進められるよう意識したカリキュラム作りをしています。公立の学校に通う生徒たちについてはもちろんですが、中高一貫校に通う生徒たちも、学校の授業が復習になるくらいの進度を意識していますね。
また、カリキュラムは単に進度が早いだけでなく、かなり力を入れて組織的に作成に取り組んでいます。一人ひとり異なるカリキュラムを、横浜校の場合は400名ほど作らなければなりませんから……。まず講師がカリキュラムを作成し、その後3~5段階のチェックを経て、最後に私が承認します。確認した結果直しが必要だと判断すれば差し戻しします。
――3~5段階も! それは精度の高いカリキュラムができそうです。カリキュラム作成の中で特に意識していることはありますか。
山澤校長:
TOMASのもつ長年の合格実績に基づいた方針をすべてのカリキュラムに浸透させることです。組織的なカリキュラム作りにより、若手講師にもベテラン講師の知見を伝えていき、全社的な方針を浸透させることで、カリキュラムの精度がさらに上げられたと思います。
特に、学年や志望校によって推奨される模試の日程を整理し、カリキュラムにも明示するようにしています。個別指導のTOMASに通う生徒にとって、自分の現時点の学力を客観的に知ることができる模試は大変貴重な機会であり、目の前の模試でよい成績を取らせることがモチベーションにもつながります。
カリキュラムは保護者にもコピーをお渡しするのですが、「こんなに早く進めるんですか」「模試がこんなにあるんですね」と驚かれることも多いですね。
模試の日程は、教室にも一覧で掲示されている。
――そのほかに、横浜校ならではの特徴はありますか。
山澤校長:
生徒面談を多く行っています。大小問わずテストの日程をヒアリングしておいて、そこに向かってどう勉強していくか考えるためです。やはり、自分で2~3週間前から勉強計画を組み立てられる生徒はなかなかいないので。
校舎の雰囲気としては、人数が多いので非常ににぎやかですね。授業が終わると生徒と講師合わせて100人くらいが一気にブースから出てくることになりますので、活気はどの校舎にも負けないと思います。
エネルギッシュな雰囲気の横浜校。本インタビューも終始和やかな雰囲気で進められた。
――最後に、今後の抱負をお願いします。
鈴木先生:
夢の第一志望校に向かって、生徒・教務・講師が三位一体となって、妥協せずに意見を出し合って切磋琢磨しながら進む、ということを目標にしています。
山澤校長:
鈴木先生が言うように、全員で一丸となって行動に移せるような校舎にしていきたいと思っています。先ほど述べたカリキュラム作りは、その第1段階です。
さらにそれを推し進めて、講師全員が「カリキュラムを使って成績を上げよう、志望校に合格させよう」となるよう士気を高めていきたいですね。全員で一体感を持って前に進むパワーはものすごいので、これを生徒の志望校合格につなげていきたいと思います。
燦然と輝く多数の表彰状やトロフィーたち。これらはすべて、数あるTOMAS校舎の中でも横浜校が優秀である証だ。
エントランスには2023年度合格者たちのポスターが並ぶ。