(左)校長:奥原健司先生
(右)チーフ講師:藤田和宏先生
2016年度の中学入試で、駒場東邦中1名、桜蔭中3名、豊島岡女子学園中3名・浦和明の星女子中3名、立教女学院中1名等々、多数のお子様の夢を実現させた笹塚校。それほどの実績を生み出した秘密とは、なんなのでしょうか。取材の中で見えてきたのは、正解だけに留まらない学習指導と、お子様に寄り添って夢を見つけていく進路指導でした。
–今年の指導を振り返ってみて、多数の合格実績をどうお感じになりますか。
奥原校長:
良い結果になりましたが、特に新しいことをしたわけではありません。今まで積み重ねてきた実績が地元に根付いた結果と受け止めています。最難関を望む保護者様のネットワークの中で「最後に頼れるのはTOMAS」とのご信頼をいただき、優秀なお子様の後押しができたのだと思います。
藤田講師:
今年、御三家に合格されたお子様の場合、小3の頃から入会された生徒と、口コミで他塾からいらした生徒が約半々でした。長くTOMASに通っていた生徒はもちろん、他塾で悩みを抱えた生徒たちも上手く指導できたのだと思います。
「将来の夢を具体的に持っていないお子さんもたくさんいます。夢を見せて、引き出してあげることも大切です」と奥原校長
–他塾から来られるお子様は、どんな悩みを抱えていますか?
藤田講師:
「特定の教科が伸び悩んでいるのに、どうしていいか分からない」「成績の上下動が激しい」といったことですね。集団塾は勉強量こそ多いのですが、どうしても質的にきめ細やかさには欠けてしまう。基礎力のある生徒でも、それが志望校の出題に合わせてカスタマイズできていなければ、成績も安定しません。
–笹塚校では、どんな指導をされるのですか?
藤田講師:
まず、生徒の悩みの原因を探ります。国語で重視しているのは「ちゃんと読めているか」。読んだ気になっていても読み切れていない、内容を把握できていないことが多いですから。1回1回、1問1問、読み方を徹底的に確認します。
奥原校長:
笹塚校では「正解だからOK」で先に進むことはしません。どう考えて答えたのか、その根拠まで掘り下げます。それは算数でも同じ。例えば、「王道シリーズ」の例題をノートに貼って、途中過程までていねいに書かせる指導をしています。
藤田講師:
カリキュラムもそれに合わせてどんどん修正。授業ごとではなく、授業中でも常に志望校を頭に入れてリアルタイムに変更します。
–他塾とのダブルスクールの生徒はいましたか?
奥原校長:
はい。最難関校に合格した生徒も、他塾で悩みを抱え、TOMASなら解決できると頼ってくださった生徒です。
–最難関校に合格するために一番重要なことはなんですか?
奥原校長:
できるだけ早い時期から計画的に目指すことです。中学受験は、小学校の学びだけで対応できるものではありませんから、できるだけ早い時期に範囲を終え、演習・練習の時間を作ることが大切。できれば小6になる前の春休み、どんなに遅くてもゴールデンウィークからは演習を始めたいですね。今年、御三家に合格した生徒は、小5のうちに範囲を終えていました。
藤田講師:
小5で範囲を終わらせるためには、小4から準備を始めたのでは1年しかない。遅くとも小3の夏休み明けには先取りを始めないと厳しいかも知れません。受験勉強は残り時間との勝負です。
校舎は笹塚駅南口の「笹塚幼稚園」近く。渋谷区や中野区、世田谷区などから生徒が通う。
–最難関校に合格するお子様に共通点はありますか?
奥原校長:
個性はみんなまるで違います。強いて言うなら「素直な子」「自分で考え、行動できる子」でしょうか。自分で考えられる生徒は「この学校に入りたい!」という強い意志がありますから。
–そういうお子様はなかなかいないのではないですか?
藤田講師:
はじめから成熟した考えができるわけではありません。大事なのは「夢を見せる」こと。面談や雑談の中で「どんな職業に就きたい?」と聞き、「そのためにはこの学校が良いよね」と繋げてあげる。先々が見えることで生徒の気持ちが高まっていくのです。
奥原校長:
具体的な将来の夢がない子の場合は、趣味の話でもいい。野球が好きなら野球部の強い学校の話、ドラえもんが好きならロボット工学に強い大学の話など、なにかしらヒントはある。その目標から逆算した「夢の中学校」を見せるのです。そのために、学校説明会にも行きますし、先輩たちの生の声も聞きます。実際に志望校に通っている先輩が身近にいるのもTOMASの強みですね。
–子ども自身から夢を引き出されているのですね。
奥原校長:
はい。小学生ですから、生徒本人が気づいていない本心を引き出す事も大切です。例えば、授業の後で生徒に感想も聞きますが、それだけで終わりにはしません。「今日の授業のことをおうちで話してね」と話し、家庭での会話が終わった頃を見計らって電話もします。生徒の話しぶりや表情、宿題のでき具合、ご家庭での様子。そのすべてに注意を払い、模試の結果だけでなく「何かあるな」と思えばすぐ面談します。
受験勉強は残り時間との勝負。御三家レベルをめざすなら、小3の夏休みから先取り学習を始めないと厳しいという。
–「夢の志望校にこだわる」とは、どんな意味があるのでしょうか。
奥原校長:
一言で言えば「成長」です。目標・夢を持って努力するようになり、その喜びを知ること。そして、達成した自信を持つこと。ただ、全員が全員、第1志望校に合格するわけではないのも現実です。ですから、第3志望、第4志望の学校も必ず視野に入れ、子ども達にも話します。仮に、公立中学に進む事になったとしても、どこか1校は必ず合格させて「合格したけど、自分の意志で行かない」という形に持って行く。「どこにも受からなかった」というトラウマは絶対に残さない、その決意をもって日々指導しています。私たちは、お子様の人生にこそ責任があるのですから。