校長:扇谷洋平先生
チーフ講師:西真紀先生
大学受験では東大・筑波大・東工大・慶應大・早稲田大など、高校受験では慶應義塾・慶應志木・学芸大付属・早稲田本庄など、中学受験では開成・女子学院・駒場東邦・聖光・栄光・渋幕・慶應中等部・早稲田など。今年も輝かしい実績は枚挙に暇がありませんが、それを支えているのは、生徒の“心・人生”を大切にするきめ細やかな指導でした。
–18年連続の合格実績ナンバー1、おめでとうございます。
扇谷校長:
ありがとうございます。数年前に私が校長に着任した頃は、中学受験・大学受験で1位でも、高校受験だけ少し下でした。それが今年は高校受験も1位になり、目標だった総合進学塾を実現できたのではないかと思います。
–どうして高校受験を伸ばすことができたのでしょうか。
扇谷校長:
慶應義塾高に合格した生徒の例で言えば、今年は早くからお預かりしていた生徒をじっくりと伸ばすことができたからです。4名が合格しましたが、そのうち2名は小5からの入塾。その時点から目標は中学受験ではなく高校受験でした。中学に入る前から高い意識で指導することができたのは大きいです。
–早くから計画的に指導できたわけですね。
扇谷校長:
それだけではありません。実は、中1の最初が肝心なんです。というのも、中学最初の成績で本人の中にモノサシができる。例えば、学年で150位の生徒が50位になったら「100人抜いた!」と喜びますが、10位の生徒が50位に落ちたら「ヤバい!」と思いますよね。同じ50位でも、その後の真剣さが違ってくる。この「10位のモノサシ」を持って欲しいのです。
–「10位のモノサシ」を持つ生徒は、自然と意識も高くなるわけですね
扇谷校長:
そうです。特に中学受験を経た生徒が「150位のモノサシ」になってしまうと、「ボクはまぐれで合格したんだ」と思ってしまい、下位1/3人生が始まってしまう。そうなると後からプライドを持つことは難しい。「慶應だって狙えるよ!」と言っても「そんなの無理ですよ」となって、モチベーションに繋がらないんです。往々にしてあるのは、保護者の方が「10位のモノサシ」で、本人が「150位のモノサシ」というパターン。これでは話も通じるわけがありません。
西講師:
1週間に90分の授業だけでは、どうしても限界があります。その間の時間にも「勉強しなくちゃ」という意識を持ってもらいたい。そのためにはプライドも大切です。
高校受験成功のカギは、中学最初の定期テストだという。「10位のモノサシ」を持つことが大切と説く扇谷校長。
–プライドのある方が成績も伸びるわけですね。
西講師:
言い換えれば「カッコイイ自分でいたい」だけなんです。日々の指導でも生徒のプライドは大事にしますが、腫れ物に触るような感じではなく、むしろ突いてくすぐる(笑)。例えば、宿題も「この量ができたら凄いなぁ……」と言うと「もっと行けますよ!」と食いついてくる。逆に、苦手意識の強い生徒には、基礎的な問題を大量に出して「解ける自分」を味わってもらい、自信を育てます。もちろん、基礎と言ってもムダではありません。基礎を定着させるのは、何にも勝る得点源なのですから。
–プライドが高いと指導を聞かなくなるのではありませんか?
西講師:
「プライド」と「素直さ」は両立しますよ。例えば、単元でつまずいた時は、その場で要点を解説して類題を出します。1つ理解すると、いくつも解けるようになる。成長を実感できますし、なにより5分で解決できた自分のプライドにもなる。宿題でも、成長を感じてもらいます。答え合わせまでが課題なのですが、次の授業では疑問が残っていないか訊き、その上で「×」だった問題の類題を出します。そこで答えられると「解けるようになった!」という自信に繋がる。もちろん、答えられなければ「質問しなくちゃダメじゃない!」となり、「×は残しちゃいけない」という素直さが身につく。私は英語担当ですが、努力がすぐに成績に表れにくい教科。だからこそ、1回1回の授業で必ず成長した実感を持ち帰ってもらうことを日々の目標にしています。
–そうしたきめの細かさは、個別指導ならではですね。
西講師:
そうです。1人ひとりの性格に合わせられることも大事ですが、大切なのは「その場ですぐ解決できる」こと。集団塾などでたくさん勉強しているのに伸びないというお子さんは、おおよそ「×」がそのままになっています。その点、TOMASは自在にカリキュラムを変えて即応できる。後回しは禁物です。プライドどころか苦手意識だけが積み上げられてしまいますから。
扇谷校長:
もちろん、たるんでいればガツンと叱ることもあります。中高生は、できない言い訳をする知恵もつく年頃。しかし、環境や他人のせいにしていても何も解決しない。その辺は講師の先生と私の役割分担ですね。
–配慮の行き届いた指導が自由が丘校の武器なのですね。
扇谷校長:
もちろんです。もう1つ挙げるなら、受験スケジュールにも気を遣っています。特に中学受験・高校受験は短期決戦なので、受験校選びは非常に大切です。よくあるのが「第1志望以外はどうでもいい」というもの。もちろん、第1志望校はモチベーションの源なので極めて重要ですが、それだけではダメ。一番の理想は事前に何校か合格を重ね、場慣れと勢いをつけたところで「えいや!」と第1志望へ臨む。逆に難関校ばかりに挑戦して、落ちて落ちて自信を失った状態で第1志望の入試を迎えるのは最悪です。こうした併願計画は、精通したプロではないと難しい。中学にしろ、高校にしろ「失敗だった」と思って入学していったら、プライドどころの話ではない。もし、第1志望に届かなかったとしても、やり切った実感を持ってもらいたいのです。
西講師:
それは1回1回の授業も同じです。やり切った実感、成長した実感があるから、楽しみに通ってくれる。卒業した後にも遊びに来てくれますよ。
この前、海外留学に行く前日の生徒が来てくれましたが、「英語なんて大嫌いだったのに、先生のせいで留学までしたくなったんだからね」と笑っていました。もう、我が子がたくさんいるような気分です。プライドの高い子も可愛いし、自信のない子には手助けしたくなる。その心に寄り添えて、成長を間近で見られて、感謝までしてもらえる。こんなに嬉しい仕事はありません。
教え子は全員我が子のようだと語る西講師。「プライドの高い子も可愛いし、自信のない子には手助けしたくなる」。
授業の合間の「1分間講師ミーティング」。実績をはじき出すベテラン講師がずらりと並ぶ様子は圧巻。