「合格カレンダー」を考える
家族は、「合格カレンダー」に沿って動く
早いもので、中学受験の世界では、本番直前という季節を迎えました。
6年生のお子さんは「過去問」に取り組む日々かと思いますが、この時期、お母さんにはこの過去問整理作業とともに、さらなるミッションが与えられます。
それは、「合格カレンダー」という入試スケジュール表を作成することです。
市販もされておりますし、受験雑誌の付録にもありますし、各塾が配布している場合もあります。
もちろん、ご自分で作られても、何の問題もありません。
この「合格カレンダー(入試スケジュール表)」は、家族がこれに沿って動いていくという大事な日程表になりますので、冷静に書き込んでいきましょう。
カレンダーの記入を始める前に
まず、合格カレンダーを書くためには、すべての受験予定校を決定する必要があります。
そのためには、下記8項目の答えを出しておかなければならないのです。
(1)第1志望校を何回受けるのか?
(2)これに伴う第2志望校以下の日程はどうなるか?
(3)午後受験はどうするか?
(4)ダブル出願(事前に2つの学校に出願して、前日の合否によってどちらを受験するのかを決める出願方法)は有りか?
(5)2月6日までの日程を頭に入れておくべきか?(東京、神奈川の場合)
(6)1月受験はするべきか?
(7)1月受験校に進学も有りか?
(8)地元公立中学への進学も有りか?
ここ数年の傾向では、受験は短期決戦となっていて、2月3日までに決着させたいという家庭が多いようです。
そうなると、午前→午後とダブルヘッダー受験をやり続ける日程を組みがちになりますが、お子さんの体力、午後受験校までのアクセスを考慮しなければなりません。
カレンダーに記入すべき項目とは?
この第1志望校を柱とした受験日程が決まったならば、カレンダーに記入すべき項目が出てきます。
- 各校の願書提出期限(インターネット出願か、学校出願か、当日受付可能か?)
- 出願校への受験料(納入済か、未納か?)
- 入試日の集合時間と受験番号
- 面接日と時刻
- 合格発表の日時(ネット発表か、学校掲示板発表か?)
- 入学金納入締切日と時刻
- 学校招集日
- 制服採寸
7と8は進学予定校が決定してからですが、6までは絡み合う糸をほどくような複雑な作業になりやすいので、ここは親の腕の見せ所です。
この時、「受験本番の日々、誰が何を行うのか?」という家族のミッションを分担し、“見える化”しておくことが必要です。
まずは、お母さんも仕事を持っている場合、有休をどう取っていくのかということを考えなければなりません。
お父さんと受験の付き添いをシェアできるのか?
子どもを受験会場まで送り届けるだけで大丈夫か?
会場内に保護者はいたほうが良いか?
……ということも、話し合いの机上に乗せなければならないでしょう。
受験の付き添いと合格発表の確認を同一人物ができるのか? ということも考えに入れなければなりません。
さらには、下のお子さんの世話は誰がするのか? ですとか、当日の昼食はどこで取るのか? ですとか、当日の夕食はどうするか? といった受験には直接関係しないけれど、決めておかなければならない大切なことは、できるだけ事前に夫婦で話し合っておきましょう。
本番で慌てないよう、シミュレーションを重ねる
本番の週は冷静なつもりでも、親も子も緊張感満載なので、通常の精神状態とは違うのが普通です。
慌てないために、この時期から、ひとつひとつの疑問や不安点を消していくことをお勧めします。
そのためには、シミュレーションを重ねることが大事です。
- 1月校に不合格だった場合、2月受験の前に急遽、受験して“合格”を取るべきか?
- 2月1日校の当日発表が不合格だった場合、または合格だった場合の翌日からの動き方
- “まさかのまさか”が起こった場合の受験校はどうするべきか?
つまり、こうなったらこう動く、こっちの目が出たらこうする、ということを事前に幾通りも考えておかなければ、大混乱必須ということなのです。
とても厳しい言い方をするならば、第1志望校に進学する子は5人に1人とも、3人に1人とも言われており、第2志望校以下に進学する子どものほうが多いのです。
もちろん、第1志望校を目指して受験するわけですが、親は冷静に“まさか”が起こった時の事も考慮に入れて、何が起こっても「想定内」という戦略を立てておくことが必要となります。
筆者の長い取材経験では、“まさかのまさか”を考えている親には、“まさか”は起こらないと感じています。
このシミュレーションは、思ったよりも大変な、こんがらがる作業ですが、逆に考えれば、ようやくここまで辿り着いたとも言えるのです。
泣いても笑っても、あともう少しで本番です。
中学受験は親子の受験ですから、ここまで来たら、ぜひ、お子さんと一緒に「思う念力岩をも通す」の精神で、必ずやり通すという強い決意を胸に、新年を迎えましょう。
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