受験準備などであわただしくなるこの時期、子どもの受験ストレスを取り除くために親ができることは?
充分な自己管理能力を身に着けていない小学生
中学受験の秋は、これまで以上に取り組むことが増える時期です。
受験校の最終選定や学習における的の絞りこみなど、受験準備があわただしくなります。
それと同時に、学校でもさまざまな催しものが増えます。
そんなこの時期、中学受験において学力向上と同じぐらいに、またそれ以上に大切なことは、お子さんの体と心のケアです。
中学受験を控えた子どもはさまざまな疲れを抱えています。
まずは、日々の学習による疲れです。
学校での一日の活動のあと、塾や家庭学習と、子どもは休む暇もありません。
同時に、彼らは無事に合格できるかという不安を抱えています。
ところが、小学生の子どもは、まだ充分な自己管理能力を身に着けていません。
これが「中学受験は親子の受験」と言われるゆえんです。
学習面での不安は、塾や学校を頼ることもできますが、体と心のケアは親が積極的に引き受けるべきところです。
この時期、子どものストレスを軽減するために、親にできることを考えましょう。
子どものストレスサインを見逃さない
いつもと様子が違うと気づいたら、それはストレスサインかもしれません。
悪態をつく、親に対して普段より反抗的な態度で接する、いつもよりよくしゃべる、否定的な発言が多いなどという場合も、ストレスを感じているサインです。
それは、親に「助けて」と言っているのと同じです。
見逃さずに、しっかり対応しましょう。
声かけを意識する
親が子どもについつい言ってしまうのが、「がんばれ」という言葉。
親は励ましのつもりで言っているのですが、そう言われる子どもは、きっと「もっとやらなきゃいけないのか」「これじゃいけないんだ」と余計なストレスになっているかもしれません。
子どもは、すでにがんばっています。
では、すでにがんばっている子どもには、なんて言えばいいでしょう。
そうです、「その調子だよ」「よくやっているよ」ですね。
ところが、みなさんの中には「うちの子はまだがんばりが足りない」と思っている人がいるかもしれません。
充分にがんばっていない子に、「その調子!」なんて言ったら、油断してしまうのではないかと心配するのは当然です。
でも、少し考えていただきたいのです。
すでに模試も体験している子どもは、自分がどのレベルにいるかはよくわかっています。
なのに、集中してがんばれない、あるいはがんばっても結果になってこないとしたら、そんなときに「がんばれ」と言われても、心を閉ざすだけです。
「その調子だよ」と肯定されたとき、子どもは心を開いて、自分の気持ちを発散させることもできるのです。
子どもの気持ちに寄り添おう
「なかなか結果が出ない」「合格するかどうかが不安だ」「もう勉強なんかしたくない」……
こんなふうに子どもが訴えることがあったら、それはチャンスです。
これは、子どもが心を開いて、自分の思いを聞いてもらおうとしているのです。
それによって、ストレスを発散しようとしているのです。
そこで「何言ってるの!」「そんなこと言わないでがんばりなさい」などと言うのは、親が聞きたくないことを避けるための“逃げ”でしかありません。
そこはどんと構えて、子どもの気持ちに寄り添いましょう。
子どもの言葉を遮らず、おおらかな気持ちで聞くのです。
ときどき「そうか、焦るよね」などと、子どもの言葉を繰り返しながら、全てを受け止めましょう。
全部言い切ったら、子どもも落ち着きます。
そうすれば、何も言わなくても子どもは前に進みはじめるのです。
気分転換の機会をうまく作る
学芸会など、大きな行事の予定がある小学校も多いでしょう。
そんな日は思い切り遊べるように、学習時間を短めにするのも手です。
メリハリをつけて、気分転換の機会を作りましょう。
スポーツの好きな子であれば、何時間か思いっきり体を動かすことも効果的です。
お母さん自身の状態をベストに保つ
子どもだってストレスがあって当然です。
受け止めて、発散させて、そして気分を変える……。
この時期をうまく乗り越えることが、親としても子どもをサポートするうえでのよい成長の機会となります。
子どもが合格に向けて努力しているときに、親は子どもの心の安定を引き出すスキルを身に着ける努力をします。
お母さんは、自分の中に子どもの力と未来を信じる能力を育てましょう。
親が不安に飲まれることなく、どっしりと構えることが一番です。
ご自身にも、「よくやっているよ」と優しい言葉がけをしてみるのも大切です。
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