失敗して後悔しないための中学受験術

失敗して後悔しないための中学受験術

入試がある以上、合格か不合格かの結果が出るのは仕方のないこと――わかってはいても、子どもと二人三脚で受験生活を送ってきた保護者からすれば、何とか合格を勝ち取ってほしいものです。中学受験に失敗して後悔しないようにするにはどうしたらいいのか、受験勉強が本格化する前から少しずつできる準備があります。

中学受験の「失敗」は不合格だけではない

「中学受験に失敗する」とは、そもそもどのようなことを指すのでしょうか。一般的には「受験したすべての中学校で不合格になった」ことを指します。しかし、受験生の様子を見ると事情は複雑です。
「第一志望の中学に合格できなかった」ことや、「本当は行きたくなかった学校に行くことになった」ことを失敗だと捉えて後悔する受験生もいます。さらには、「合格はできたけれど、受験勉強がつらすぎた」と受験生活をネガティブに捉えてしまうケースもあります。
中学受験の「成功」「失敗」は入試の合否だけで決まるのではなく、受験生活全般を振り返ったり、中学入学後になってみないとわからないものなのです。

不合格の原因はさまざま

現実として、「不合格」の事実を突きつけられるのは子どもも保護者もつらいものです。不合格になってしまう原因を見てみます。

1. 受験校の選び方にミスがあった

首都圏では、最難関校の入試日である2月1日をピークとして、1月から入試が始まります。受験生の多くは5、6校を目安に出願しますが、志望校の選び方にミスがあると合格する確率が低くなります。
ほとんどの受験生は、実力にふさわしい「第一志望」以外に、併願校を選んで受験します。ゆとりを持って合格できる「安全校」、少し背伸びをする「チャレンジ校」、受験の雰囲気に慣れるための「お試し校」などを含めて、確実に合格を勝ち取れる併願スケジュールが大事です。

2. 保護者が子どもの学力を正しく把握できていなかった

保護者が子どもの実力を適切に把握できていないと、本番で失敗してしまうこともあります。
志望校は公開模試の偏差値を参考にしながら決めますが、子どもの実力とかけ離れた難関校を設定してしまうと、不合格のリスクが高まります。また、模試の結果を楽観的に受け止めすぎてしまうのもリスキーです。判定が合格に近いからといって、これまでの準備をやめてしまうと実力は下がってしまいます。

3. 家族や親戚が志望校選びに干渉しすぎた

家族や親戚に中学受験の経験者がいると、志望校選びについ口を出したくなることがあります。入試の難易度や、その中学校の雰囲気などはその人が受験した「当時」の情報にすぎません。理想とする中学に入ってほしいという願望はわからなくもないですが、これまでの準備や志望校選びを迷わせるような言動は、子どもにはプレッシャーでしかありません。
入試の現状をよく知らないまま周囲が子どもにあれこれ口出しをしないよう、保護者がガードしてあげましょう。

4. 無理なスケジュールや学習環境になっていた

小学6年生になると、通塾に加え、公開模試の受験や夏期講習への参加、志望校を決めるための学校見学などが続きます。スケジュールに無理があると疲れがたまり、冬の総まとめの勉強や特訓、本番まで体力が持たない場合があります。
また、受験直前になって塾を変更したり、家庭教師を追加でつける、といった急激な学習環境の変化は子どもにストレスがかかります。

5. 入試本番で緊張してしまい普段の力が出せなかった

実力を試される場にひとりで臨まなければならない入試本番は、12歳の子どもには過酷なものです。どんなに準備して模試や塾内のテストなどで慣れていても、当日に緊張するのは当然のこと。むしろ入試本番のここまで来られたことを、しっかり認めてあげることのほうが大切です。
緊張しないようにするには、当日の流れや心がまえ、注意点などをあらかじめ細かく伝えておくのが効果的です。事前に、入試が始まる時間帯に合わせて自宅から会場までの道をたどってみるなど、リハーサルしておくのもよいでしょう。

中学受験で後悔しないために、保護者ができること

中学受験の失敗の原因を見ると、6年生になる前の、小学4・5年生のうちから準備できることがあります。保護者の意識や、子どもの生活・勉強習慣などから見てみましょう。

1. 「受験生の親」という意識を固める

高校受験や大学受験と違い、中学受験は保護者のサポートによって受験生本人のがんばりが左右されます。本人の意思で勉強を進めたり、志望校を選んで見に行く、といったことがまだひとりではできないからで、中学受験が「親子で挑むもの」といわれる理由もそこにあります。
「もし不合格になったらどうしよう」という不安は、すぐに子どもにも伝わってしまいます。「合格に向けて力を尽くす」だけでなく、「中学受験という経験を意味のあるものにする」「わが子の成長のチャンスにする」という覚悟を保護者が持っていれば、子どもも正面から中学入試に向き合えるでしょう。

2. 子どもの生活や健康管理を丁寧にする

入試シーズンは、インフルエンザを始めとする感染症のリスクが高い時期です。近年は新型コロナウイルスも心配です。体調を崩すと回復するまでに時間が必要で、すぐには元の態勢に戻れません。
家族が日ごろからの健康管理をしっかり行い、万全の体調で入試日を迎えさせてあげたいものです。入試までのスケジュールも無理しすぎないことがポイントです。

3. 志望校は家族と一緒に考える

志望校を選ぶ際、「本人の気持ち」を最優先にする家庭が増えています。本人の意思を尊重するのはいいことですが、「思い込み」に陥っていると志望校選択の幅を狭めてしまうことになります。
保護者が一緒に学校パンフレットを見たり、実際に訪問した印象を語り合ったりする機会を持つとよいでしょう。また、模試の結果や進学塾のアドバイスなど、情報を総合的にすり合わせながら志望校を選んでいけば、併願スケジュールも適切なものになります。

4. 具体的な言葉でほめて自信を持たせる

入試本番が迫ると、家族の緊張も次第に増していきます。親子のコミュニケーションも、「あと少しだからがんばって」などと抽象的な声がけに終わりがちです。そうではなく、より具体的な言葉がけをしたり、本人の努力をほめてあげましょう。子どもの達成感や自己肯定感を高め、「入試まで自分は努力してきた、あとは本番に向き合うだけ」と思えるようにしていきましょう。

中学受験に失敗したときの対応策

入試には合格・不合格がつきものです。たとえ不合格になった場合でも、適切な対応をすることで、心が折れてしまうことなく、新しい目標を見出すことができるでしょう。

1. 「不合格」を伝えるときは共感から

中学入試の合否は一部の校内掲示の学校を除き、多くが学校ホームページへの掲載で公表されます。小学校は通常の授業がある時期ですから、入試の結果は保護者から子どもに知らせるか、子どもの帰宅を待って一緒に見るかになるでしょう。
不合格の場合は冷静に事実から伝えるようにしましょう。ここで保護者がひどく落ち込んだ表情を見せたり、泣いてしまったりしては、まだ入試が残っている子どもに大きなプレッシャーになってしまいます。

「結果は残念だったけど、ここまでよくがんばったね」と、これまでの努力を認めたあとは、同じくショックを受けている子どもの感情を、そのまま受け止めてあげてください。
そして、子どもが落ち着いてきて話を聞けそうなタイミングになってから、次の受験に向けた励ましや今後の対策について話し合っていきましょう。

2. 複数回受験や二次募集を利用する

出願した学校すべてが不合格に終わっても、どうしても私立中学校に通いたいと希望する場合には、志望校の別の入試回に再チャレンジする、二次募集や三次募集を実施する私立中学校の入試に挑む、など次の一手を検討することになります。
出願期間や方法が限られているため、不合格とわかったらすぐに情報収集を始めて、行動に移さなければなりません。保護者としては最悪の事態を想定しておき、子ども本人には知らせないとしても、事前に調べておきたいところです。

ただし、子ども本人に受験し続ける意向があるかどうかの確認は重要です。
保護者は、「これまで準備してきた受験勉強を無駄にさせたくない!」と焦りがちですが、もし子ども本人が納得するのなら、ここで終わりにする判断もありえます。本人の気持ちや状態をよく観察し、大事にしながら進めるのがポイントです。

3. 中学受験をした意味を振り返る

怒涛のような中学入試本番が終わると、「忘れかけていた日常」が戻ってきます。親子ともども長い受験勉強の生活から解放され、家族で遊びに出かけたり、友達と会う時間も増えて、小学校では一気に卒業モードに入っていきます。
中学受験が不本意な結果に終わった場合、春休みまでひきずっているのはよくありません。卒業式や中学入学の準備は、気持ちを切り替えて臨みたいものです。

結果は残念だったとしても、中学受験は人生のひとつの通過点に過ぎず、挽回するチャンスはこの先もある、という気持ちで整理をつけていくことが大事です。
そうすれば、家族全員で中学受験に挑んだことをポジティブに捉え直すことができ、「高校入試でリベンジする」「中学では勉強も部活もがんばる」といった新しい目標が見えてくるでしょう。

まとめ

中学受験に不合格のリスクはつきものです。しかし、志望校を適切に選んで受験プランを練り、学習環境や生活環境を整えていけば、希望する学校からの合格通知は必ずもらえるはずです。
仮に不本意な結果に終わったとしても、粘り強さや真剣に取り組む力は、受験勉強をすることでしか得られないものです。何ものにも代えがたい経験ができるという意味では、残念な結果に終わってもなお、中学受験は価値あるものだといえるでしょう。


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