ストレス発散方法~いちばん良くないストレス解消法を、親が子どもに教えていませんか?
親のストレスは子どもにぶつけられる
親のストレスは、多くの場合子どもにぶつけられます。
あなたは、大丈夫ですか?
あなたは、上司に言われたひと言で腹を立て、優秀な同僚の業績にショックを受け、夫の無神経な振る舞いにムカッとしたとします。
それらのストレスが、あなたの中でダムに水が溜まるように蓄積していきます。
あなたは、堰を切らないように理性で何とか持ちこたえてきました。
そんなあなたのことなどまるで感知しない子どもが、ちょっとした何かをしでかします。
たとえば、靴下を脱ぎっぱなしにするとか、玩具を出しっぱなしにするとか、きょうだいで取り合いをするとか、などなど……。
その瞬間、あなたのストレスは堰を切ったようにあふれ出します。
「何やってるの~! 何度言ったらわかるの~! 靴下を脱ぎっぱなしにしちゃダメでしょ~! ○#△&□*◎¥@!! ダメでしょ~!!」
ストレスは弱い相手にぶつけられる
あなたが溜め込んだストレスのすべてが、子どもにぶつけられます。
ストレスは常に弱い相手にぶつけられるもの。
かわいそうなのは子どもです。
ちょっと引き金を引いてしまったばっかりに……。
ちょっと地雷を踏んでしまったばっかりに……。
子どもは無邪気に、いつもと同じように振る舞っていたのです。
それが、突然の災難に襲われて、なす術もありません。
親という圧倒的な権力者の前で、子どもはまったく無力です。
叱られた子どもは萎れた花のようになる
ついさっきまで、楽しい気持ちで生き生きと子どもらしく躍動していました。
「今日、これとこれがあって楽しかった。今からこれとこれがあって、ああうれしいな」と、幸せな気持ちでいたのです。
ところが、今はうなだれて、しょげかえっています。
満開に咲きほこっていた花が、しょんぼりと萎れてしまいました。
今日はお母さんに、学校で先生にほめられたことを言おうと思っていたのに、もうそれどころではありません。
夕食は何かなと楽しみにしていたのに、今のお母さんの剣幕では期待できそうにありません。
大好きなアニメにも身が入りません。
勉強する気なんて、ますますなくなってしまいました。
親がストレス解消の悪い見本を見せてしまった
「あ~あ、なんだかなあ……。悲しいなあ。つまんないなあ。」
口には出さなくても、子どもはこんな気分です。
「あ~あ、むしゃくしゃする。イライラする。ぼくもイライラを発散させたいよ」
本人も気づかない無意識のうちに、だんだんこういう気分になってきます。
「あっ、弟がぼくのグローブにさわっている。ムカつく」
普段なら許せる弟の行動にも、やたらに腹が立ちます。
このように、親が降ろしたストレスという荷物を、子どもが背負い込むことになるのです。
そして、親がしたように、子どももそのストレスを自分より弱い相手にぶつけます。
そのぶつけ方は、親がすでに見本を見せてくれています。
何らかの理由をつけて、それを口実にぶつければいいのだということを、すでに子どもは学びました。
その相手は、弟、妹、ペット、あるいはクラスの弱い子かも知れません。
いずれにしても、理由はいくらでも見つかります。
ストレス解消の一番悪い方法を、親が教えてしまったのです。
「今、何が一番大切なのか?」大局的な見地で考え直そう
子育て世代の人たちは、確かに忙しいです。
子育てに追われ、仕事に追われ、家事に追われ、中には同時に介護をしている人もいます。
また、何事においても時間とお金がかかる世代でもあります。
ですから、当然、ストレスも大きくなります。
でも、そのストレスを子どもにぶつけるようなことだけは、絶対にやめてください。
そのためには、ストレス管理とアンガーマネジメントを心がけてください。
合理的な工夫をすることも大事です。
でも、工夫しても無理というくらい仕事が多すぎる場合は、減らすことも必要です。
つまり、「精選」と「集中」です。
今、何が一番大切なのか?
今、自分は何をするべきなのか?
そのためには、何をやめるべきなのか?
本当はどうでもいいことに、時間とエネルギーを割いていないか?
こういうことを人生の大局的な見地から考え直してみる必要があります。
日々の忙しさに追われているだけでは、「労多くして功少なし」になってしまいます。
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