おかあさんの参考書
ほめるときのコツとは? 子どものほめ方

ほめるときのコツとは? 子どものほめ方

親野智可等

条件つきのほめ方は子どもをコントロールするためのもの

「子どもを叱ってばかりではよくありません。もっと子どもをほめましょう」

私はいつも、こういう話をしています。

さぼったことを叱るより、がんばったことをほめる。

できていないことを叱るより、できたことをほめる。

足りない部分を見て叱るより、足りている部分を見てほめる。

できて当たり前と思わず、その子なりのちょっとした進歩をほめる。

こういうことは大事です。

でも、実はこういうほめ方だけでは不十分なのです。

なぜなら、これらはすべて条件つきのほめ方だからです。

条件つきとは、つまり、がんばったときや結果がよいときはほめるけれど、がんばらなかったときや結果が悪かったとき、失敗したときはほめない、ということです。

これは、子どもを親の思い通りにコントロールするためのほめ方と言ってもいいと思います。

ほめるときとほめないときの落差が大きい親

そして、親の中には極端な人もいて、ほめるときとほめないときの落差が非常に大きい人がいます。

落差を大きくすることで、コントロールする力を強めようとしているのです。

特に、子どもの受験を意識している親の場合、点数がいいときはものすごくほめて、悪いときにはものすごく叱る、という人が実際にけっこうたくさんいます。

あるいは、しつけ主義に走っている人の場合、片づけやお手伝いができたら大いにほめて、できないときは厳しく叱りつけるということになります。

条件つきのほめ方ばかりだと、「親に愛されている」という実感が持てない

親がいつもこういう条件つきのほめ方ばかりしていると、子どもは親の顔色ばかりうかがうようになります。

何をするにも、「叱られないでほめられるため」ということになります。

勉強をするのも、片づけをするのも、お手伝いをするのも、すべてそのためです。

そして、自分の気持ちよりも親の気持ちを優先するようになり、自分は何をやりたいのかがわからないまま成長することになります。

一番問題なのは、「自分は本当に親に愛されている」という実感を持つことができなくなることです。

叱るのではなく、受け入れて共感してあげる

こうならないために、2つのことを提案したいと思います。

1つは、がんばらなかったとき、結果が悪かったとき、失敗したときなどに、叱ることはやめるということです。

それよりも、本人の悔しい気持ちに共感してあげてください。

ドンマイと言ってあげましょう。

あるいは、見逃してあげる、見て見ぬ振りをする、ということも大切です。

つまり、その子のどんな有り様も受け入れて許してあげるということです。

「条件つきのほめ方を一切しないように」とは言いませんが、がんばらなかったとき、結果が悪かったとき、失敗したときなどの対応も愛情に満ちたものにして欲しいと思います。

無条件にほめよう

もう1つは、「無条件にほめる」ということです。

例えば、子どもに次のような言葉を、できるだけたくさん贈ってあげてください。

○○のこと、大好きだよ。

あなたがいてくれるだけで幸せ。

あなたは私たちの宝物だよ。

生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。

ママとパパのところに生まれてくれてありがとう。

あなたがいてくれて、ママもパパも本当に幸せ。

どんなあなたも大好きだよ。

あなたといると楽しい。

あなたの笑顔が大好き。

今日も一緒にいられてうれしい。

おかえり。無事帰ってきてくれてよかった。

言葉だけでなく、ハグもしてあげるといいですね。

親の愛情を心から実感できる

日本人の国民性として、こういう言葉は気恥ずかしいと感じてしまう人もいるかも知れませんが、ぜひ実際に言葉にして言ってあげてください。

「言わなくても親子なら伝わる」と思わずに、素直に親の愛情を表現してください。

その方がはっきり伝わります。

親にこういうことを言ってもらうと、子どもは本当にうれしくて幸せな気持ちになります。

なぜなら、親の愛情を心から実感できるからです。

高学年で早熟な子は、うれしそうな素振りを見せないかも知れませんが、心の中ではうれしいのです。

素直になれて、思いやりも育つ

親の愛情を実感できている子は、心が満たされて気持ちが安定します。

親に対しても素直になれますし、兄弟や友達にも優しくなれます。

自分のことも大切にしますし、人の気持ちを思いやることもできるようになります。

特に、本格的な反抗期を目前に控えた時期には、親の愛情を実感できるようにしてあげることはとても大切なことなのです。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


親野先生 記事一覧

ALL

オススメ記事

記事一覧

ALL

お近くのTOMASを見学してみませんか?

マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。

首都圏駅前103校 校舎検索はこちら

校舎名をクリックすると、詳細をご覧になれます。

ひばりヶ丘校 大宮校 阿佐ヶ谷校 柏校 本八幡校 二子玉川校 津田沼校 錦糸町校 千葉校 成増校 北浦和校 川越校 南浦和校 所沢校 志木校 西日暮里校 池袋本部校 教務本部 八王子校 川口校 練馬校 大泉学園校 松戸校 高田馬場校 メディックTOMAS 市ヶ谷校 立川校 荻窪校 巣鴨校 三鷹校 府中校 赤羽校 飯田橋校 国分寺校 中野校 渋谷校 三軒茶屋校 調布校 笹塚校 目黒校 麻布校 聖蹟桜ヶ丘校 成城学園校 大森校 自由が丘校 町田校 本厚木校 武蔵小杉校 たまプラーザ校 蒲田校 横浜校 川崎校 門前仲町校 新百合ヶ丘校 千歳烏山校 青葉台校 藤沢校 新浦安校 下北沢校 上大岡校 千歳船橋校 葛西校 東戸塚校 日吉校 日吉校 南大沢校 四ッ谷校 田町校 浅草橋校 戸越校 センター北校 国立校 戸塚校 向ヶ丘遊園校 武蔵境校 メディックTOMAS横浜校 白山校 大崎校 石神井公園校 市川校 吉祥寺校 綱島校 海浜幕張校 下高井戸校 桜新町校 学芸大学校 多摩センター校 宮崎台校 スペックTOMAS自由が丘校 上尾校 メディックTOMAS大宮校 大船校 流山おおたかの森校 二俣川校 浜田山校 尾山台校 海老名校 大井町 中目黒校 勝どき校 月島校 メディックTOMAS渋谷校 御茶ノ水校 船橋校 用賀校