


ほめるときのコツとは? 子どものほめ方
条件つきのほめ方は子どもをコントロールするためのもの
「子どもを叱ってばかりではよくありません。もっと子どもをほめましょう」
私はいつも、こういう話をしています。
さぼったことを叱るより、がんばったことをほめる。
できていないことを叱るより、できたことをほめる。
足りない部分を見て叱るより、足りている部分を見てほめる。
できて当たり前と思わず、その子なりのちょっとした進歩をほめる。
こういうことは大事です。
でも、実はこういうほめ方だけでは不十分なのです。
なぜなら、これらはすべて条件つきのほめ方だからです。
条件つきとは、つまり、がんばったときや結果がよいときはほめるけれど、がんばらなかったときや結果が悪かったとき、失敗したときはほめない、ということです。
これは、子どもを親の思い通りにコントロールするためのほめ方と言ってもいいと思います。
ほめるときとほめないときの落差が大きい親
そして、親の中には極端な人もいて、ほめるときとほめないときの落差が非常に大きい人がいます。
落差を大きくすることで、コントロールする力を強めようとしているのです。
特に、子どもの受験を意識している親の場合、点数がいいときはものすごくほめて、悪いときにはものすごく叱る、という人が実際にけっこうたくさんいます。
あるいは、しつけ主義に走っている人の場合、片づけやお手伝いができたら大いにほめて、できないときは厳しく叱りつけるということになります。
条件つきのほめ方ばかりだと、「親に愛されている」という実感が持てない
親がいつもこういう条件つきのほめ方ばかりしていると、子どもは親の顔色ばかりうかがうようになります。
何をするにも、「叱られないでほめられるため」ということになります。
勉強をするのも、片づけをするのも、お手伝いをするのも、すべてそのためです。
そして、自分の気持ちよりも親の気持ちを優先するようになり、自分は何をやりたいのかがわからないまま成長することになります。
一番問題なのは、「自分は本当に親に愛されている」という実感を持つことができなくなることです。
叱るのではなく、受け入れて共感してあげる
こうならないために、2つのことを提案したいと思います。
1つは、がんばらなかったとき、結果が悪かったとき、失敗したときなどに、叱ることはやめるということです。
それよりも、本人の悔しい気持ちに共感してあげてください。
ドンマイと言ってあげましょう。
あるいは、見逃してあげる、見て見ぬ振りをする、ということも大切です。
つまり、その子のどんな有り様も受け入れて許してあげるということです。
「条件つきのほめ方を一切しないように」とは言いませんが、がんばらなかったとき、結果が悪かったとき、失敗したときなどの対応も愛情に満ちたものにして欲しいと思います。
無条件にほめよう
もう1つは、「無条件にほめる」ということです。
例えば、子どもに次のような言葉を、できるだけたくさん贈ってあげてください。
○○のこと、大好きだよ。
あなたがいてくれるだけで幸せ。
あなたは私たちの宝物だよ。
生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。
ママとパパのところに生まれてくれてありがとう。
あなたがいてくれて、ママもパパも本当に幸せ。
どんなあなたも大好きだよ。
あなたといると楽しい。
あなたの笑顔が大好き。
今日も一緒にいられてうれしい。
おかえり。無事帰ってきてくれてよかった。
言葉だけでなく、ハグもしてあげるといいですね。
親の愛情を心から実感できる
日本人の国民性として、こういう言葉は気恥ずかしいと感じてしまう人もいるかも知れませんが、ぜひ実際に言葉にして言ってあげてください。
「言わなくても親子なら伝わる」と思わずに、素直に親の愛情を表現してください。
その方がはっきり伝わります。
親にこういうことを言ってもらうと、子どもは本当にうれしくて幸せな気持ちになります。
なぜなら、親の愛情を心から実感できるからです。
高学年で早熟な子は、うれしそうな素振りを見せないかも知れませんが、心の中ではうれしいのです。
素直になれて、思いやりも育つ
親の愛情を実感できている子は、心が満たされて気持ちが安定します。
親に対しても素直になれますし、兄弟や友達にも優しくなれます。
自分のことも大切にしますし、人の気持ちを思いやることもできるようになります。
特に、本格的な反抗期を目前に控えた時期には、親の愛情を実感できるようにしてあげることはとても大切なことなのです。
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