


深呼吸と呼吸の観察・マインドフルネス瞑想で、イライラを子どもにぶつけなくなる
イライラを子どもにぶつけない方法
中学受験の最大のリスクのひとつが親子関係の崩壊です。
これは、親が叱りすぎることで起こります。
子どもは、親が思うように勉強してくれませんし、テストの成績も上がりません。
「がんばる」と口では言っていても、いざとなるとダラダラしてしまいます。
その結果、どうしても親は叱ってしまうのです。
叱ることの弊害については、この連載で何度も書いています。
それを読んだときは、親も気をつけるのですが、またすぐ忘れてしまいます。
そこで今回は、親がイライラを子どもにぶつけない方法を提案したいと思います。
まずは胸式呼吸の深呼吸
一番簡単なのは「深呼吸」です。
呼吸を変えると気持ちが変わります。
自分がイライラしていると気づいたら、とりあえず胸いっぱいに空気を吸い込みます。胸式呼吸の深呼吸です。
そして、ゆっくりゆっくり息を吐きます。
腹式呼吸の深呼吸に切り替える
吐き切ったら、今度はお腹から膨らませる感じで空気を吸い、次にみぞおちあたりを膨らませ、最後に胸いっぱいに吸い込みます。
つまり、腹式呼吸の深呼吸です。
本当は、1回目もゆっくり空気を吐くところから始める腹式の深呼吸が一番いいのですが、イライラしているときはその余裕がないと思いますので、とりあえず最初は胸から吸い込む胸式の深呼吸でも大丈夫です。
深呼吸を1回でもやればイライラが静まります。
腹式呼吸の深呼吸を3回もやれば、もうイライラに飲み込まれて叱りつけることは不可能になります。
目をつぶって行うと、より効果的です。
呼吸の観察
さらに、もっと気持ちを静めたいときにオススメなのが、「呼吸の観察」です。
つまり、目をつぶって、自分の心の目で呼吸を観察するのです。
息が出ていくときは、出ていく息を見守ります。
息が出てしまうと、次に息が入ってくるまでの間に息が止まっている状態になります。
息が出てもいないし、入ってもいない状態です。
この状態も見守ります。
すると、やがて息が入ってきますので、それも見守ります。
息が入り終わると、次に息が出始めるまでの間に、また息が止まっている状態になります。
この状態も見守ります。
息を見守ることに集中していると、雑念が消えます。
雑念が消えることで、自然に安らかな状態が生まれます。
呼吸を観察するときは普通の呼吸で
なお、深い腹式呼吸を何回も続けながら、この呼吸の観察をしているとかなり疲れます。
ですから、深い腹式呼吸でなく普通の呼吸に戻して観察します。
無理に腹式呼吸をしなくても、息を観察していると自然に呼吸が長くなります。
とにかく大事なのは、息に集中して雑念が入ってこない状態にするということです。
人生のいろいろな場面で活用
ここまで、深呼吸と呼吸の観察について書いてきました。
この2つを身につけるだけでかなり違います。
イライラに飲み込まれて叱ることが減れば、親子関係は必ずよくなります。
妻や夫、上司や同僚、どんな人ともよい関係を築けるようになります。
それだけでなく、人生のいろいろな場面で活用できます。
例えば、自分の仕事でプレゼンするときです。
緊張してあがってしまうことがあると思いますが、そのとき深呼吸と呼吸の観察をすると平常心を保つことができます。
子どもにも教えてあげよう
ですから、子どもにもこの2つを教えてあげてください。
そうすると、子どももイライラに飲み込まれなくなります。
また、人前で話すとき、ピアノ発表会で演奏するとき、受験のときなどなど、いろいろな場面で平常心を保つことができ、パフォーマンスが上がります。
毎日の勉強に取り掛かるときにも、この2つをやるようにするといいでしょう。
イライラや雑念が消えて集中力が高まるからです。
脳波の面から見ても、アルファ波が増えることで理解力や記憶力が高まります。
近年、マインドフルネス瞑想が注目されていますが、呼吸の観察は一番取り組みやすいマインドフルネス瞑想と言えます。
ほかにも、イライラを子どもにぶつけない方法はいろいろあります。「アンガーマネジメント」で検索してみましょう。
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