高原現象と渓谷現象があることを頭に入れておこう
人間は停滞と飛躍を繰り返して成長します。
身長にも、伸びない時期と一気に伸びる時期があるように、学力やスポーツの成長についても、精神面の成長についても同じことがいえます。
成長というものはいつも右肩上がりに続くようにイメージしてしまいがちですが、決してそういうことはないわけです。
成長して、止まって、しばらく同じ状態でいて、また成長して、また止まってということを繰り返すのです。
成長曲線の高原現象とは?
学習やスポーツなどの伸びをはかるのに、成長曲線というグラフがよく知られています。
成長曲線は、横軸が勉強や練習の量や時間で、縦軸が成果や成長の達成度合いです。
最初のころは、やればやるだけ成果が出て、順調に右肩上がりで伸びます。
ところが、しばらくすると停滞した状態になります。
この状態が高原(プラトー)に似ているので、こうした一時的な停滞のことを高原現象(プラトー現象)と呼びます。
高原というのは、一定の高さはあるものの、それ以上ではない状態のことです。
成長における停滞状態は、昆虫のサナギ状態に似ていると思います。
サナギは表面的には変化が止まっている状態です。
でも、内面では全ての細胞が組み替えられるような大きな変化と成長が続いています。
ですから、子どももみなさん自身も、伸びていないように見えるときも実は内側では伸びているのです。
高原現象だけでなく渓谷現象もある
さらに、私としてはつけ加えたいことがあります。
昆虫と違って、人間の成長においては停滞現象だけでなく退化現象もあり得るということです。
たとえていえば、高原ではなく渓谷です。
私は、高原現象だけでなく「渓谷現象」というものもあると思うのです。
つまり、いくら努力を続けていても、勉強の成績が下がったり、運動のパフォーマンスが低下したりすることはあるのです。
それは、子どもの勉強、運動、精神面の成長においてだけでなく、大人であるみなさんの仕事や精神面の成長においてもいえることだと思います。
停滞だけならまだしも、退化というのはつらいものですよね。
高原現象や渓谷現象のときは親の待つ力が大事
高原現象や渓谷現象の中にあるとき、やたらに焦ったりパニックになったりしないためには、こういう現象は起こり得るのだと頭に入れておく必要があります。
特に子どもを持つ親御さんたちには、これは非常に大事です。
なぜなら、こういう状態のときに親がキレて叱ったりすると、よけい悪い結果につながってしまうからです。
ですから、高原現象や渓谷現象のときは親の待つ力が大事です。
待てる親なら、子どもは自分のペースで着実に伸びていけます。
親が待てないと、結局は子どもの足を引っ張ることになってしまいます。
親野先生 記事一覧
オススメ記事
記事一覧
お近くのTOMASを見学してみませんか?
マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。