そのほめ方、上から目線になっていませんか?
大人は「上から目線のほめ方」をしがち
子どもをほめるとき、上から目線のほめ方になっていませんか。
親も先生も、大人はどうしてもそうなりがちです。
例えば、子どもが食器を洗ったとき、「やるべきことがちゃんとできてえらい」。
子どもがお風呂掃除をしてくれたとき、「お手伝いを忘れずにできて立派」。
お兄ちゃんが妹の面倒を見てくれたとき、「お兄ちゃん、えらいね」。
これらはすべて上から目線のほめ方です。
こういうほめ方が全部NGだというつもりはありませんが、いつもこういうほめ方ばかりだと、子どもは「ほめられるためにやる」という意識になる可能性があります。
「横から目線のほめ方」を意識しよう
そこで、意識してほしいのが、次のような横から目線のほめ方です。
「ママは仕事で疲れていたから、手伝ってくれて助かったわ」
「ありがとう。○○をやってもらえて本当に助かるわ」
「あなたが○○をやってくれて楽になったよ。うれしいなあ」
「○○をやってくれたおかげで、夕食の準備がはかどったわ」
「妹の面倒を見てくれてありがとう。助かったよ。妹もうれしそうだったね」
これらの言葉は、素直に感謝する気持ちや、喜びの感情を伝えています。
つまり、親と子どもが上下の関係にあるのではなく、一人の人間同士として、感謝したり喜びを伝えたりしているのです。
「ほめられるため」ではなく「共に幸せになるため」に
感謝や喜びを伝えられた子どもは、相手が喜ぶのを見て自分もうれしいと感じます。
つまり、相手の喜びが自分の幸せでもあるという経験をすることになります。
こういう経験をたくさんすることで、「ほめられるため」ではなく、「共に幸せになるため」に行動すること自体に喜びを感じるようになります。
言い換えると、「ママ・パパのため。兄弟のため。家族のため」という気持ちで行動することで、自分も幸せを感じるようになるのです。
ひいては、「社会のため。世の中のため。人のため」に行動することで幸せを感じることにつながります。
これは極めて大切なことです。ぜひ、頭に入れておいてほしいと思います。
自己有用感が自己肯定感を高める
また同時に、人に喜ばれたり、感謝されたりすることは、子どもが「自分は人の役に立っている」と実感できることでもあります。
このように実感できるのは誰にとっても非常にうれしいことであり、これを自己有用感といいます。
そして、この自己有用感は自己肯定感を高めることにもつながります。
ぜひ、「横から目線のほめ方」を意識してみてください。
子どもの中によいものがたくさん育っていくと思います。
「横から目線のほめ方」は人間同士の心の絆をつくる
最後にひとつ付け加えます。
横から目線のほめ方は、親子だけでなく、全ての人間関係においても効果があります。
例えば、職場で上司が部下をほめる場合などに意識してみてください。
そうすれば、人間同士としての心の絆が生まれ、よりよい人間関係が築けるようになります。
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