子育て・教育情報を読んでもうまくいかないのは、なぜ?
情報があふれている現代
「東大生の多くが子どもの頃にピアノを習っていた」
「年中から親子日記を続けたら難関大学に合格した」
「朝食前に親子で2kmのジョギングを3年間続けたら、運動能力だけでなく学力も上がった」
日々、このような子育てや教育に関する情報が、本、新聞、雑誌の中に、そしてスマートフォン(スマホ)からアクセスできるインターネット空間にたくさん登場しています。
私は基本的には、これはとてもよいことだと思います。
その理由の1つめは、実際に子育てしている同世代の親たちの悩み、本音、工夫などにたくさん触れることができるからです。
悩んでいるのが自分だけではないとわかれば、それだけで気持ちが楽になります。
また、実際的な解決法や工夫、アイデアも得ることができます。
最新の研究や専門家の知見を知ることができる
理由の2つめは、研究者や専門家が発する情報にたくさん触れられるからです。
特に、近年は児童心理学・教育学・脳科学などが目覚ましく発達してきて、今までわからなかったことが科学的・学問的に明らかになってきています。
例えば、今では赤ちゃんには赤ちゃん言葉で対応するほうがよいことがわかっています。
赤ちゃんが犬のことを「わんわん」と呼んだら、「わんわんだね」と言ってあげたほうがよくて、無理に「違うよ、犬だよ。犬って言ってごらん」などと言い直させないほうがよいということです。
片づけが苦手な人は創造力が高い傾向にあることもわかっています。
また、「子どもが自分でできないからといって、親が手伝ったり、やってあげたりすると自立できなくなる」という説は迷信であることもわかっています。
こういうことがわかってきたのは大きなことですし、その情報に子育て中の親たちが触れられるのも非常に有益なことです。
今ほど情報がなかった頃は、自分の親をモデルにするか、井戸端会議の情報などしかなかったわけで、それに比べればはるかによい状況だと思います。
情報は積極的に取りに行こう
こういう状況ですから、子育て・教育の情報を積極的に取り入れるのはとてもよいことです。
ところが、情報への接し方は二極化しているようで、せっかく有益な情報がたくさんあるのに、積極的に取りに行かない人たちも結構いるのです。
積極的に情報を取りに行くと、ますます関連する情報に触れる機会が増えます。
なぜなら、スマホのニュース記事や情報は、非常にパーソナライズされているので、読者の関心のある情報がどんどん上がってくるようになっているからです。
逆に、そういう情報を自分で取りに行かない人のスマホ上には上がってこないのです。
せっかくいろいろな情報が供給されているのですから、子育て中の人は、育児や教育に関する情報を取りに行かないともったいないと思います。
その教育情報は、あなたやお子さんに合っていますか
ここまで、スマホなどからインターネット上の有益な情報を積極的に取りに行きましょうというお話をしました。
次に、情報を利用するときの注意点についてお話ししたいと思います。
ひと言で言うと、子育て・教育の情報を鵜呑みにしないで、「自分とわが子に合っているか?」「自分にもできるのか?」「わが子にも当てはまるのか?」を考えるのが大事だということです。
例えば、冒頭に挙げた「東大生の多くが子どもの頃にピアノを習っていた」という情報ですが、わが子はピアノに全く興味が持てないかもしれません。
そういう子に無理強いしてもやる気は出ませんし、叱ることばかり増えて自己肯定感がなくなったり、親子関係が悪くなったりする可能性もあります。
「年中から親子日記を続けたら難関大学に合格した」という情報を読んで、わが子にやらせようと思っても、その子は書くことが大嫌いかもしれません。
「朝食前に親子で2kmのジョギングを3年間続けたら、運動能力だけでなく学力も上がった」というのをやろうとしても、親自身の生活や仕事のスタイルに当てはまらないかもしれません。
情報を鵜呑みにすると不必要に苦しむことになる
子どもの個性や家族のライフスタイルに合わないことを無視して強行すると、子どもを伸ばすどころか、親子ともども不必要に苦しむことになります。
実際、情報を鵜呑みにして苦しんでいる親子は少なくありません。
そうならないように、情報を読んだら「自分とわが子に合っているか?」と考えるようにしてほしいと思います。
そして、情報を取り入れる場合も、そのまま取り入れていいのか、あるいはちょっとアレンジが必要か、なども考えてほしいと思います。
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