合理的な方法と言葉の工夫で、朝の時間帯が気持ちよく過ごせる
朝から子どもを叱ると弊害がたくさんある
「毎日、朝から子どもを叱ってしまう」というお母さんの声をよく聞きます。
しかし、朝から子どもを叱ることには、いろいろな弊害があるのです。
叱られた子は、朝から不愉快になり、気持ちがもやもやしてしまいます。
こういう気持ちのまま登校すると、注意散漫な状態でうつむき加減で歩くようになり、交通安全の面でリスクが高くなります。
イライラしているので、ささいなことで友達ともめたり、けんかしたりする可能性が高まります。
授業中も引きずったままでいると、先生の話を集中して聞くことができなくなり、学力にも影響します。
もちろん、叱った親の方にも弊害があります。
一番多いのは、叱ったまま子どもを送り出すと、そのあとで後悔する気持ちが高まってくることです。
今回は、朝の時間帯を気持ちよく過ごすためにできる合理的な方法と言葉の工夫について紹介したいと思います。
私が考えたものもありますし、親御さんが実際にやっているものもあります。
朝起こすときの工夫とは?
- カーテンを開けながら、「わあ、今日もいい天気だよ」と明るく声をかける。
- 子どもが「まだ眠い」と言ったら、「眠いよね。もっと寝ていたいよねえ」と子どもの気持ちに共感しながら、ゆっくり掛け布団をはいでいく
- 「今朝は、大好きなスクランブルエッグだよ。できたてはおいしいよ」と、好きな食べ物で釣る。
- 「おはよう」と言いながらハグをする。
- 飼い犬の散歩係にして、「ポチが散歩に行きたがってるよ」と言う。
- 目覚ましを4つ用意して、1つは枕元に、2つめは2メートル離れた所に、3つめは5メートル離れた所に、4つめは洗面所に置き、4つ同時に鳴るようにセットする。そうすると、子どもはそれを止めるために起きて歩き出す。4つめを止めたときには、もう洗面所なので、「どうせここまで来たんだから顔を洗おう」という気になる
- なかなか起きないときはくすぐったり、鼻をつまんだりする。
- アラームをやめて、好きなオルゴールの目覚ましにかえたら、気持ちよく起きるようになった。
- おしぼりを渡して顔を拭かせる。やはり気持ちがいいみたいで、気分よく起きることができる。
- 長男に「お母さんは子どものころ『根性、根性、ど根性』と言いながら起きてたよ」と教えたら、真似するようになった。
弟は「イチ、ニイ、サン、ダー」と言いながら起きる。何らかの掛け声をかけることで気合いが入るらしい。 - 子どもが寝たままの状態で、まず、ふくらはぎや足裏をマッサージしてあげ、それから手足のストレッチを手伝う。これで気持ちよく起きられる。
朝食と身支度の工夫とは?
- 顔を洗ったら、口をすすいでうがいもして、コップ2杯の水を飲む。朝一番で水を飲むようにしてから便通がよくなった。
- 起きたらすぐ太陽を浴びさせるために、門扉の郵便受けに新聞を取りに行く係にした。
- ホワイトボードに「6:05 洗顔開始」「6:15 朝食開始」「6:40 朝食終了」「6:45 歯磨き終了」「7:10 うんち終了」「7:20 着替え終了」「7:30 登校」と書いて目立つところに立てておく。できたところにはキャラクター磁石を置いていくと、やるべきタスクと締切時刻を見える化できて実行しやすくなる。
- 朝食を食べ終わって、歯磨き、うんち、着替えが終わったら、ゲームをしていいことにした。
- 食べ終わる時刻、着替え終了時刻、登校時刻の3つの模擬時計をつくって、アナログ時計のまわりに貼った。
(※模擬時計とは、画用紙に描いた時計の絵で、長い針と短い針が該当の時刻を指している) - 卓上アナログ時計の横に、食べ終わる時刻を指した模擬時計を貼る。本物のアナログ時計の針が動いて、残り時間が減っていくのが目の前で見えるので、どれくらい急げばいいかがわかる。
- 親が「今日の給食は何かな?」と聞く。子どもは給食が楽しみな子なら、献立表を見て「○○だよ」と答え、やる気がわいて身支度も早くなる。
- 砂時計、目覚まし時計、ストップウォッチ、タイマー、アラームなどを駆使して、楽しく急がせる。新記録が出たらホワイトボードに「新記録! 9/15(日付)着替え25秒」などと書く。新記録が好きな子なら、張り切って集中してくれる。
- 「今日も○○くん(ちゃん)に会えるね」と好きな子の名前を言ってあげると、照れながらも身支度に集中する。
- 「あと10分」(黄色)、「あと5分」(朱色)、「あと1分」(赤)などと書いた3色のカードを見せて意識させる。口で言うよりも、親のほうは冷静でいられる。
登校前
- 家を出る直前に手鏡とクシを渡して、身だしなみの最終確認をさせる。髪の毛の三つ編みの乱れがあったら親が直してあげる。
- 「○○と□□は持った?」と聞いて、大切な持ち物の確認をする。
- 「今日は1年生とのペア活動があるね。レッツ、エンジョイ! 楽しんでね」など、その日の楽しみを意識させる。
- 「連絡帳を先生に見せる」「連絡帳を先生に見せる」「連絡帳を先生に見せる」……など、学校に着いたらやることを、5~10回大きな声でくり返し唱えるようにすると、忘れずに実行できる可能性が高まる。
- 「いってらっしゃい。気をつけて行ってきてね」と言いながらハグをする。
- 満面の笑みで送り出し、子どもが親の愛情を実感できるように努める。
- 子どもが道の角を曲がって見えなくなるまで見送る。時々振り返って、バイバイするのが、子どもにとってはうれしいようだ。
- 「○○の角では高校生の自転車に気をつけて渡ってね」「道を歩くとき縁石の中を歩いてね」など、安全面の再確認をする。
工夫し始めると楽しくなる
以上、方法の工夫と言葉の工夫についていろいろ挙げてみました。
そのままやってみてもいいですし、あるいはこれらをもとに自分で考えてみるのもいいと思います。
とにかく大事なのは、叱って済ませるのではなく、合理的な工夫をするということです。
工夫し始めるとけっこう楽しくなってきます。
うまくいかないことがあると、「どうやったらこれができるようになるか?」とチャレンジ精神が掻き立てられるようになります。
こうなったらしめたものです。
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