テスト結果の活用法を考える
模試や復習テストを活用しよう
塾に通う中学受験生は、塾生活のなかでたくさんのテストを受けることが普通です。
大規模な模試から、各塾が実施する復習テスト、さらには各教室で行われる小テストまで、6年生ともなると、ほぼ毎週、何らかのテストを受けることになるでしょう。
模試は、早ければ3年生から受けることが可能ですが、志望校の合格判定の目安として参考になるのは6年生の秋以降です。それまでは、どちらかと言えば、本番の試験への「場慣れ」という意味合いが強い試験になります。
模試の場合ですと、いつもの塾の教室から離れて、わざわざ指定の会場まで出向かなければなりません。たいてい、本番の午前の試験同様に、朝早い時間から実施されます。そのためには慣れない電車を乗り継いで会場入りすることもあるでしょうし、知り合いが全くいない、しかも初めて行く場所で試験に臨むことにもなるでしょう。
模試を何度も受けることによって、この“特別な緊張感”に慣れ、本番でも会場の空気に飲まれることなく実力が発揮できるように練習していくのです。
さらに、模試は出題範囲が決まっていないので、より本番に近い形での受験になります。
一方で「復習テスト」というものがあります。各塾によって名称は様々ですが、習った単元をどこまで理解しているのかを見定めるための試験です。
こちらは中学・高校の中間テストや期末テスト同様、出題範囲がわかっているものになります。
テストの「振り返り作業」が力を伸ばす
6年生では毎週のようにテストや試験の結果が返ってくるので、親の方がため息をつくことが多くなるのですが、ここで結果に一喜一憂することは得策とは言えません。
何故なら、本番前のどのテストも、本命校へ合格するための学力向上のチャンスになるからです。
模試であれば、不正解だった理由は主に次の5つが考えられます。
(1) ケアレスミス
(2) 時間配分のミス
(3) 解けそうだったが時間切れ
(4) 習ったことは思い出せるが忘れてしまった
(5) 全く解らなかった
まずは正答率が50%以上なのに落としてしまった問題をチェックしていきましょう。不正解の理由がどれに当たるのかを簡単でよいので、まずは振り返ることが大事です。
この「振り返り作業」は復習テストにおいても有効です。
例えば、下記のような「振り返り作業」のやり方があります。
模試の振り返りと同じように、原因を把握し、(3)(4)(5)の中で基礎問題または応用問題であっても正答しておきたい問題をセレクトします。試験解説やテキストを見直し、理解を深めます。さらに、その問題のコピーを取って、もう一度解き直してみます。正答できたらその問題は破棄してかまいません。再び不正解となった問題は、(3)(4)(5)という別々の箱に入れておきます。
そして、少し時間が経過した後に、その箱の中からアトランダムに問題を取り出して、やってみるという方法です。
ここで全く理解できない問題が出たときは逆にチャンスです。
該当する単元の基礎に戻ってやり直すことができるので、不得意を得意に変える可能性が生まれます。
テスト後の対応が合格のカギ
先日、ある塾の先生から「生徒がテスト結果を塾のトイレに流してしまい、トイレが詰まって大騒ぎになった」という話を聞きました。
この背景には、頑張っているのに思うように成績が伸びないと苛立つ子どもと、点数だけを見て強く叱責する親御さんがいたようです。
中学受験には数字との戦いという側面がありますが、子どもの力ははかり知れないもので、受験の本番中にも伸びる子はたくさんいます。
模試も復習テストも本番の試験ではありません。そこでは、むしろ出来ていない問題が見つかったほうが望ましいのです。
親は偏差値や正答の数に一喜一憂しがちですが、その気持ちをグッとこらえて冷静になることが合格への一番の近道と心得てください。
入試はどの学校であろうとも全問正解は必要ありません。まずは、それぞれのレベルで正答しておきたい問題を見極めて、そこをしっかり押さえていく心がけが必要です。
子ども自身では、そのあたりが見極められないので、ここは親の出番です。子どもの「やる気の芽」を摘まないようなやり方で、ぜひ、上手にリードしてあげてください。
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