おかあさんの参考書
受験本番、お母さんが行うべき受験対策を考える

受験本番、お母さんが行うべき受験対策を考える

鳥居りんこ

1月入試からの激戦で、お母さんの心の揺れがマックスになる時期に突入しました。

さあ、いよいよ2月。東京・神奈川での受験本番が始まります。

前回のコラム「メンタルが弱い子の受験対策を考える」では、受験本番に弱いお子さんのための“秘策”を伝授しました。

今回は、「お母さんのための受験本番対策法」をお伝えしましょう。

お母さんのメンタルが子どもに大きな影響を与える

お母さんのメンタルがお子さんに与える影響は、計り知れないほど大きく、合格にはお母さんのメンタルの安定が必須です。

しかし、冒頭にも書きましたが、本番直前のこの時期、お母さんの心の揺れ幅は大きく、恐らく自分史上最大級に「不安」を感じて過ごしているお母さんのほうが多いのです。

母親自身が受験を経験してきたはずなのに、ましてや自分が受験するわけでもないのに、不安が寄せては返す波のように、常にお母さんの心を満たしていることでしょう。

そうです。大抵のお母さんが、「自分が受験したほうがよっぽど楽!」だと言います。

我が子だからこそ、「努力が実って欲しい」「できることなら傷つかないで欲しい」「未来が幸せでありますように」という“祈り”で、お母さんの心は溢れます。

「お願い、神様! 合格させて!」という一念で、本番の日々を過ごすことになるのです。

これが、ごくごく普通のお母さんの心情です。

子どもにはできるだけ普通に接する

お母さんの中には、合否もわからないうちから、ものすごく暗いオーラでお子さんを包み込んでしまう方もおられますし、これとは対照的に明るくしようと盛り上げすぎて、お子さんに不自然な振る舞いをしてしまう方もおられます。

この感情の振り幅のギャップが、お子さんの緊張感を煽ってしまう結果になるので、できるだけ普通に接することが大切です。

11~12歳の年端もいかぬ大切な我が子の試練に対して、「冷静で居続けよ」というほうに無理があるのは承知しておりますが、それでもあえて申し上げましょう。

受験は「淡々と」が鉄則です。

本番前までは、親子とも、できるだけ普段どおりのスケジュールで過ごすことがポイントです。

夜型の子を無理矢理、朝型に変えなくても大丈夫ですし、知識の穴に気付き、慌て出す必要もありません。

学校に行かせたほうが子どもの気分転換になるのであれば、いつもどおり登校させれば良く、インフルエンザの流行などで、逆に登校することがリスクであると考えるならば、休ませれば良いのです。

直前の時期はあまり大騒ぎすることなく、やるべきことを淡々とこなすという日々にしてください。

そのほうが親子ともども、落ち着いて過ごせるからです。

受験本番の1週間に、お母さんがやるべきこと

ここからは、本番直前あるいは本番中の1週間に、お母さんがやるべき注意事項をお話ししましょう。

1.受験直前、特別な声掛けはいらない

よく、「受験直前に、どんな言葉を子どもにかけるべきか?」という質問を受けますが、想定問答集を用意する必要はありません。

あなたは本番当日、精一杯のエールを、言葉だけではなく全身を使ってお子さんに伝えるはずです。

それがお子さんにとっての一番の応援です。

2.受験スケジュールの確認

落ちつかない日々ですが、スケジュールに誤りや漏れがないかを今一度、確認しましょう。

この1週間は、「毎日が受験」ということも考えられます。

つまり、スケジュールはパズルのようになるのです。

1日にA校に合格した場合、2日はB校なのかC校なのかという算段、それにともなう交通手段や昼食はどうするのか、合格証書は誰が取りに行くのか、夕食の用意の有無、下のきょうだいの面倒……。

これらに加え、忘れてはならないことが入学金支払いの締切日です。

過去には、締切期限を間違えたために入学を取り消されたケースもあるので注意してください。

さらに、もうひとつ注意事項があります。

連日試験が続くご家庭では、受験票が間違っていないか、学校指定の持ち物が揃っているかなどもしっかりと何度も確認してください。

みなさんご存じの通り、東京・神奈川の場合は2月1日からの数日間、毎日午前・午後と試験が続きます。

スケジュール管理だけでなく、受験票や持ち物を間違えないようにすることも大事です。

みなさん気が張っているので、初日の2月1日は完璧です。しかし、2日以降パニックになります。

毎年、間違って他校の受験票を持ってきたり、上履き指定があったのに入れ忘れたりという信じられないミスを犯してしまうものです。

たいていはどうにか受験させてもらえますが、心理的にはかなりのマイナスになってしまうので、気を付けましょう。

3.何かに没頭する

「もし、ダメだったら……」という思いに苛まれることは普通です。

心配でたまらなくなったら、無心で玄関やトイレを掃除しましょう。

受験会場では、没頭できる何かを持ち込むことをお勧めします。

数独でも良いですし、クロスステッチなどもお好きならば無心になれますね。

何かに没頭することで、マイナス思考を上書きしてしまうのです。

4.節分を大切にする

2月3日の夜。もし、思うような結果になっていないときは、春を呼び込むために「豆まき」をしましょう。

うまく行かない時にこそ、「リセット」効果を活用するのです。

これは毎年、なかなか効果がある方法だと思っておりますので、是非!

5.ご縁を信じる

合格を勝ち取りたいのは当然のことです。

けれども、第一志望校進学者というのは受験生の5人に1人、或いは3人に1人と言われるほど難しいのが実状です。

受験本番前から、親は自分の心に、繰り返しこの言葉を送らなければなりません。

「きっと、この子にあった道を神様は用意してくださる」と。

中学受験は“結果”ではありません。

もし“結果”に黒い気持ちが引っ張られるときには、無理やりにでも「受験をやって身に付いたこと」を思い出してください。

これまでのプロセスであなたのお子さんが成長したことを見て下さい。

結果がどうであれ、自分自身の力で、自分の未来を手繰り寄せようとしたお子さんを認めている親御さんのご家庭は、これからも安泰なのだということをお伝えしておきましょう。

さあ、泣いても笑っても、怒涛の1週間が始まります。

笑顔の春を祈っています。精一杯、チャレンジしてきてください。

著者プロフィール

鳥居りんこ
鳥居りんこ
とりいりんこ

作家&教育・介護アドバイザー。2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。保護者から“中学受験のバイブル”と評された当書は、その後シリーズ化され、計6タイトルが出版された。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に『【増補改訂版】親の介護をはじめたらお金の話で泣き見てばかり』(双葉社)、『【増補改訂版】親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(同)、『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス)、企画・取材・執筆を担当した『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(やまざきあつこ著・小学館)、『たった10秒で心をほどく 逃げヨガ』(Tadahiko著・双葉社)、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(鹿目将至著・同)、『神社で出逢う 私だけの守り神』(浜田浩太郎著・祥伝社)など多数刊行。最新刊は『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(石黒智也著・双葉社)

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