おかあさんの参考書
メンタルが弱い子の受験対策を考える

メンタルが弱い子の受験対策を考える

鳥居りんこ

受験前の「落ち着かなさ」の原因は「不安」

いよいよ中学受験の本番が近づいてきました。

受験生本人は当然ですが、保護者の皆さんにとっても落ち着かない日々が続きます。

この「落ち着かなさ」というものの原因は、ズバリ「不安」です。

合否はもちろん、当日の体調、天候、電車の遅延など、受験を取り巻く環境のありとあらゆることが気になり、不安の波が押し寄せてくるように感じられるでしょう。

これが、受験生とその保護者のごくごく普通の感覚です。

ただでさえ不安な上に、多くの中学受験生にとって、「入学試験」というものが人生で初めての経験です。

実際、当日の出来いかんで決まる一発勝負という事実に、足がすくんでしまう子どもは多いのです。

志望校の校門前に大挙して並ぶ大手塾の先生方による応援の列ですら、プレッシャーに感じる子もいます。

このように、入試本番当日は今まで慣れ親しんできたはずの模試とは雰囲気が全く異なることもあり、この独特な空気に呑まれてしまい、十分に実力が発揮できない子どもが現れます。

もし、お母さんが我が子に「本番には強くなさそうだ」とか、「気が弱い」という受験にとってのマイナス面を感じているならば、これから先の受験本番当日までに下記のことを実行してみてください。

1 本番前のリハーサル受験を考慮に入れる

東京・神奈川を中心とした2月受験が本番の人は、是非、1月に受験をしてみて下さい。

それ以外の人も、本命校受験の前に、どこかの学校で本番に慣れるための受験をしておくことをお勧めします。

先程申し上げたように、受験本番の会場の雰囲気は模試とはまったく異なります。

会場全体から立ち昇る「緊張感」が違うのです。

この独特な空気に呑まれないようにするには、予行演習が有効です。

2 なるべく早い時期に合格証書を取れるように受験スケジュールを組む

受験のプレッシャーは12歳にとって相当な重荷です。

このプレッシャーを緩和するのに、一番有効となるのは「合格証書」です。

実際に進学する・しないは後にして、なるべく早い段階で「合格証書」という目に見える「がんばってきた証」を手にすることが、本命校へ自信を持って挑む「景気づけ」の作用をもたらします。

子どもがさらなる大輪の笑顔を咲かせるような、「好循環受験」スケジュールをシミュレーションしてみてください。

3 応援団に徹する

「ウチの子、まったくのん気で受験直前とは思えません」

「この期に及んでも、本気度が見られないんです」

などと、焦りを口にされるお母さんが多くおられます。

反対に、「ウチの子は受験を怖がって泣いているんです」という場合もあります。

どのようなケースであっても、不安を感じない受験生はひとりもいません。

合格したい気持ちでいっぱいなのも、ほかならぬお子さん本人です。

お子さんの態度に緊張感がない、逆にメンタルが弱すぎる、とお子さんにプレッシャーをかける親御さんが多くいらっしゃいます。

しかし、お母さんがやるべきことは、「不安の追い打ち」ではなく「プレッシャーの除去」です。

この時期からは、是非、プラスの言葉かけをするように努めてください。

もし、その口から不安が飛び出そうな場合は、急いで「この子が喜びそうな食べ物は何かな?」ということに思考を切り替えて下さい。

お母さんこそが最高の応援団長だということを忘れないでくださいね。

4 魔法をかける

プレッシャーに弱い、本番に弱いという子はたくさんいます。

受験本番が近づくにつれ、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったり、吐いたりと、体調に出る場合も多いですし、周りの友人たちの動向を必要以上に気にして自信を失いかけているケースもあります。

そういうときに、お母さんが「大丈夫? 大丈夫?」と我が子に迫ってはいけません。

お母さんは、必ず「大丈夫!」と言い切ってください。

自分が発した声が自分の耳に届くことによって、まずお母さんが落ち着きます。

是非、お試し下さい。

その上で、根拠がなくても構わないので、このように呪文を唱えましょう。

「お父さん(←ここに入るのは親族の誰でも良い)に似て、あなたは本番に強いから!」

「大丈夫! ドーンと受けてらっしゃい!」

そして、どうにも平常心では受験に臨めそうもない受験当日は、こうしてみてください。

整腸剤、あるいは目新しい飴などを用意して、「お守り」としてお子さんに渡しておくのです。

何か不安になったときや、緊張がマックスになったときに、「休み時間に試してみて! 合格のお守りだから、効き目抜群!」と言って渡しましょう。

受験本番中、親は教室には立ち入れません。たった一人での戦いになります。

人間とは不思議なもので、そんなときに何でもいいので「お守り」となるものがあると、それだけで落ち着くこともあるのです。

是非、我が家オリジナルの「魔法」をかけるべく、お母さんは知恵を絞りましょう。

さあ、いよいよ「決戦」です。「悔いのない受験」のために、お母さんがやれることに全力を注いでください。

きっと笑顔の春が待っていますよ。

著者プロフィール

鳥居りんこ
鳥居りんこ
とりいりんこ

作家&教育・介護アドバイザー。2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。保護者から“中学受験のバイブル”と評された当書は、その後シリーズ化され、計6タイトルが出版された。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に『【増補改訂版】親の介護をはじめたらお金の話で泣き見てばかり』(双葉社)、『【増補改訂版】親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(同)、『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス)、企画・取材・執筆を担当した『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(やまざきあつこ著・小学館)、『たった10秒で心をほどく 逃げヨガ』(Tadahiko著・双葉社)、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(鹿目将至著・同)、『神社で出逢う 私だけの守り神』(浜田浩太郎著・祥伝社)など多数刊行。最新刊は『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(石黒智也著・双葉社)

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