


学校のホームページから中高一貫校を考える
まずは情報収集から
親が“中学受験”を意識したときに、我が子のためにやらなくてはならないことのひとつに、「情報収集」があります。
「塾」「教育にかかる費用」「学区公立中学の評判」「公立中学に進学したと仮定したときの高校受験対策」「変わる大学入試」なども、「調べておきたい情報」になりますが、それよりも真剣に吟味しなければならない情報が、「中高一貫校そのもの」になります。
気になる学校には実際に足を運んでみる、というのが理想なのですが、そうは言っても、毎日の生活に追われていると、なかなか思うように時間が取れないものです。
しかも、ひと口に「中高一貫校」と括っておりますが、その数は首都圏で200校以上あるのです。とても全部を見て回ることはできません。
それゆえ、候補となる学校を厳選して、見学に行く親御さんが多いのでしょう。
まずは、以下を考慮して、目指す学校を考えます。
- 自宅から通う
- 寮生活も可
- 親戚宅から通う(注:中高一貫校は、寮を除いて保護者宅から通学することを入学の条件にしているところがほとんどですが、保護者は両親のどちらかに限ったり、祖父母までは認めたりするなど、保護者の定義はそれぞれの学校で異なります)
- 入学校近辺に引越しも可
通学可能なエリアを絞る
その方針が決まったら、次に通学時間を考えなければなりません。
一般的に、中学生はドア・ツー・ドアで片道1時間半までが限界と言われていますが、2時間を超えて通学している生徒の話もたくさん耳にしていますので、要は“熱意”の問題とも言えます。
しかし、中学生の手荷物はとても重いという現状がありますので、体力がなくて続かないと思われる子の場合は、通学時間は短いほうがいいでしょう。
では、体力に問題がないと判断し、自宅から通うと仮定しましょう。
塾や学校合同説明会で配布される地図資料を参考に、「どの地域に何という学校があるのか」の情報を得なければなりません。
近年は、直通で遠方まで行ける鉄道路線が増え、少し前ならば考えられない地域まで通学できるチャンスも拡大しています。
「ここは遠くてあり得ない」と真っ先に候補から外す前に、自宅から学校までの「朝の通学時間」を把握することも大切です。
自宅を起点に半径何kmのエリアまでが通学可能かを確認したら、そこに存在している学校が候補校ということになるでしょう。
各学校のホームページをチェック!
ここから出番となるのが、各学校の「ホームページ」です。
学校のホームページは、それぞれの中高一貫校が予算と威信をかけて作っているということもあり、学校毎に創意工夫が見られるので、とても楽しい作りになっています。
まずは、通学可能な学校順にアクセスしてみましょう。
トップページには、何が一番目立っているでしょうか?
ある学校では、「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校」または「SGH(スーパーグローバルハイスクール)校」であることを強調しているでしょう。
また、ある学校では、「国際交流」を前面に打ち出しているかもしれません。
今は流行りということもあり、「グローバル」「サイエンス」「アクティブラーニング」「ICT」という言葉が踊っている学校も多いでしょう。
さらには、「東大理3現役合格!」「難関私大現役合格多数!」「国公立大学医学部合格者数〇〇人」などを、誇り高くトップページの見出しとして掲載している学校もあるでしょう。
あるいは、淡々と「新着情報」として、「転編入学入試、募集要項を更新しました」などというトピックスだけを並べてある学校もあるでしょう。
なかには、「校長通信」「学校便り」といったブログとの連携も見られます。
トップページの目立つ箇所は、その学校が一番伝えたいという事柄ですので、そこを見るだけでも、その学校が今、何に向かって頑張ろうとしているのかが見えてくるわけです。
そこを押さえながら、必ず掲載されている「教育方針」に目を通しましょう。
その学校が目指している人間像、つまり「こういう大人になって欲しいので、こう教育する」という強い信念を感じることが大切なのです。
ホームページの中から、その学校が創設以来、大切にしている変わらない理念と、時代に合わせて変わっていこうとする勇気、人を育てるという使命感がどのように謳われているのかをしっかりと読み取らなければなりません。
そこから、「我が子に合うかもしれない」「納得感がある」「興味がある」「我が家の教育方針と合致している」「ここ、好きかも?」という感触を得たならば、実際に足を運んで、その情報が正しいのかどうかを検証しましょう。
中高一貫校にとって、同じ環境の下で6年間に亘って思春期の子どもたちを預かるのですから、その責任は重大です。
是非、学校のホームページから、その学校がご家庭に対して、どのような「お約束」をしているのかを感じ取ってみてください。
そして気になったら、迷わず実際に出かけてみて、あなたの目と耳で確かめてみることが、「中学受験」に必要な行程になるのです。
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