「中高一貫校はなぜ満足度が高いのか?」を考える
授業料の無償化が公立離れを生んでいる!?
今年の都立高校の入試後に、こんなトピックが各メディアを賑わせたことをご存じでしょうか?
【朝日新聞デジタル 「都立高入試、定員割れ急増 私立無償化の拡充影響か」(2/15)】
つまり、私立高校の授業料が無償化(注:無償化されるのはあくまでも授業料だけです)されるならば、公立ではなく私立を選ぶご家庭が増えているというニュースです。
もちろん、このことをもって、公立がダメで私立は素晴らしいということにはなり得ませんが、少なくとも、現在では保護者がわが子の教育の場をどちらにするのかを天秤にかけた場合、経済的な面から選択外だった私立高校も第一志望の有力候補になる、ということが言えます。
では、私立、特に私立中学が選ばれるという理由は何か? についてお話ししましょう。
今後、中学受験者数が増え続ける5つの理由
少子化&不況といわれて久しいですが、今年も首都圏における中学受験者数(私立と公立中高一貫校の総受験者数)は約6万人にのぼったと、各大手塾が算出しています。
これは、首都圏の小学6年生の5人に1人が受験したという数字になるのですが、識者たちは、少なくとも今後数年間、中学受験者数が増えることはあっても、減ることはないという予測をしています。
その理由は大きく分けて5つあります。
(1)私立高校授業料無償化に国が踏み切った(年収制限あり)が、そもそも高校受験では受験できる私立高校が少ない(=高校募集を取りやめて、完全中高一貫校にしている学校が続出している)ので、それを見越してわが子に中学受験をさせるため
(2)「2020年度問題」と呼ばれる大学入試改革に対する「新大学入試」への中高一貫校の対応力への期待値が高いため
(3)文科省を中心とした国がこれからの時代を生きるために「身に付けるべき力=学力の3要素」(「十分な知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協同して学ぶ態度」)を習得せよと強力に施策を推し進めているが、中高一貫校ではそういう学習を伝統的に実施しているため
(4)難関大学合格者ランキングでも圧倒的に私立(公立)中高一貫校が名を連ねる現実があるため
(5)高2までの先取りシラバス、環境の良さ、充実の設備、6年間で得られる一生ものの友人関係、豊富な体験、海外経験など、高校受験がない分、ゆっくりと自分を見つめる時間に充てられるなどのメリットが評価されているため
このようなことから、今年の中学入試でも人気校を中心に激戦が繰り広げられました。
中高一貫校に不満を持つ子や親が少ない理由
私は長年、中高一貫校に入学した生徒と保護者を取材していますが、「学校に大いに不満」という声はとても少ないという印象を持っています。
第一志望で入れる子は5人に1人といわれる中学入試ですので、意に沿わない学校に入学した子の方が多いはずですが、それでも結果として「この学校で良かった」とおっしゃるご家庭が本当に多いのです。
その理由の筆頭になるのが「子どもが楽しく通っているから」です。
さらに探ると、「先生と生徒の距離が近い」「面倒見が良い」「子どもがのびのびとしている」「良い友だちができた」「部活にトコトン打ち込める」という話が頻繁に出てきます。
保護者たちが入学前にスペックとして重視していた「学校の理数教育、英語教育などの教育方針」や「入学時偏差値と比べ、大学合格実績が高い」ということよりも、「わが子が良質な環境で、のびのびと生活できている」ということを《満足》と捉えるのだなぁ、と実感する次第です。
このように、中高一貫校は6年間という長いスパンで考えるものなので、帰属意識も刺激され、満足度が高いものになっています。
「ここならば、わが子は楽しく通えるだろう」と確信できる学校を色々な角度から選んでいくことが、ご家庭の満足度をさらに上げていくポイントになるといえるでしょう。
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