おかあさんの参考書
心配ごとの97%は取り越し苦労

心配ごとの97%は取り越し苦労

親野智可等

心配性の人っていますよね。
実は私もちょっとその傾向があります。

そんな私があるとき、心配ごとについて書かれた文章を読んで「なるほど」と思ったことがありますので、紹介したいと思います。

アメリカのシンシナティ大学の研究によると、アメリカ人の38%の人が、毎日のように何らかの心配ごとに心を煩わせていることがわかったそうです。

楽天的に見えるアメリカ人の38%ですから、不安遺伝子を持っている人が多い日本人には、もっと多いのではないか? と私は思っています。

2つの大学の研究で同じ結果が

この研究では、心配性の人に依頼して、「何が心配なのか」「この先何が起こるのか」について2週間にわたって記録してもらいました。

その結果、心配していたことの85%は実際には起こらなかったそうです。

しかも、心配ごとが起こってしまった残りの15%の場合でも、そのうち79%は予想よりもよい結果につながっていったそうです。

最終的な結論として、なんと心配ごとの97%が取り越し苦労だったということが判明したのです。

また、ミシガン大学でも同じような研究をしたのですが、その結果、心配していたことの80%は起こらなかったそうです。

そして、残りの20%のうち、16%は準備をしていれば対応可能なものだったというのです。
ミシガン大学の研究結果から導き出された結論は、なんと心配ごとの96%が取り越し苦労だったということが判明したのです。

準備や備えも楽しもう

シンシナティ大学の研究が97%、ミシガン大学が96%ですから、ほぼ同じ数字です。
つまり、「心配ごとのほとんどは大丈夫」といっていいでしょう。

これは、親御さん自身の心配ごとについてもいえますし、子どもたちのことにも当てはまります。

今、わが子の勉強のこと、受験のこと、将来のこと…いろいろなことで心配している親御さんも多いと思います。
ですが、そのほとんどは大丈夫です。

もちろん、ミシガン大学の研究にもあるように、できる準備はしておいた方がいいでしょう。
でも、あまり心配しすぎると親御さんも子どもも大変になってしまいます。
準備をするのも楽しみながら、無理のない形で、できる範囲でいいと思うわけです。

「心配事の97%は取り越し苦労」ということを頭に入れて生活しましょう。
きっと心が軽くなると思います。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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