子どもを親の思い通りにすることはできない
「子どもが勉強しない」「成績が上がらない」という悩み
「子どもが勉強しない。なかなかやる気スイッチが入らない」
「勉強しているのに結果が出ない。成績が上がらない」
「偏差値が上がらない。受験が近いのに困ったものだ」
「勉強のことでいつも親子げんかになる。家の雰囲気が最悪」
中学受験を考えている家庭では、このようなことで悩んでいる親御さんが多いと思います。
学力を上げるために、たくさん情報収集して塾や教材をあれこれ検討したり…。
ほめたり、共感したり、やる気が出る言葉を工夫したり、叱ったり…。
親は子どものためを思って一生懸命なのですが、それが子どもには伝わらないことも多いと思います。
イギリスの有名なことわざ「馬を水飲み場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」の通りです。
親ができることはしつつ、その結果については達観しよう
私は、これは仕方がないことだと思います。
なぜなら、一人の人間が別の一人の人間を思い通りにすることなどできないからです。
わが子といえども、相手は別の人格を持つ別の人間なのですから、親の思い通りにできるはずがないのです。
逆に、できたら怖いですよね。
今、子どものことで悩んでいる人は、これをはっきりと胸に刻むことが大事だと思います。
そうでないと、思い通りにならない子どもにひどい言葉をぶつけ続けることになるからです。
その結果、親子関係が悪くなれば、子どもは親に不信感を持つようになる可能性があります。
また、子どもの自己肯定感が下がって、向上心や努力する心がしぼんでしまう可能性もあります。
ですから、親にできることはしてあげつつ、その結果については達観するようにしましょう。
子どもという他者に結果を求めるのはやめたほうがいいです。
結果を求めずに、親として子どもにしてあげられることを、楽しみながらやってください。
その過程そのものが貴重な人生のひとときです。
それで十分ですし、それしかできませんし、それ以上のことをしてはいけないのです。
何のための中学受験なのか?
同時に、親が視野狭窄にならないことも大事です。
今は、偏差値を上げるとか志望校に合格するなどの直近の目標が過度に大きくなっていると思います。
でも、本当の目的は、子どもが幸せになることや、充実した人生を送ることのはずです。
中学受験もそのための手段であったはずです。
手段が目的になってしまうことを「手段の目的化」と言いますが、これは人間が非常によく陥る過誤の一つです。
幸せになるために、そして充実した人生を送るためにはいろいろな手段や道筋があります。
人生を山登りにたとえれば、山頂に至る道は一つではなく、いくつもあるのです。
中学受験でうまくいかなくても、幸せになる道筋はほかにいくらでもあります。
ですから、そもそも何のための中学受験なのかということを、もう一度親子で考えてみるとよいと思います。
失敗、道草、無駄足に思えることが、実は必要なステップ
それに、「人間万事塞翁が馬」です。
私は大学受験の1年目は全敗で浪人しました。
そして、2年目に1校だけ合格した大学に入学して、そこでリスペクトできる親友に出会い、大変よい刺激を受けました。
また、就職試験でも1年目に県庁と市役所に落ちて浪人しました。
2年目は教員採用試験に落ちて、再び浪人しました
そして、3年目にやっと合格して教師になりました。
大学入試と就職試験、合わせて3浪したわけですが、この3年間のモラトリアムの時間が私の人生にとって非常に大きな栄養になりました。
今の自分があるのは、この3年間のおかげだとすら思っています。
失敗、道草、無駄足に思えたことが、実は必要なステップだったということは、誰の人生にもあるはずです。
みなさんにもそういう経験があるのではないでしょうか?
子どもに対しても、ぜひ長い目で見るようにしてあげてください。
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