嫌みな疑問形は自分がイライラしている証拠
人は感情的になると、疑問形で相手を責める
20代の女性・宮崎さん(仮名)が子どものころのことです。
なにかの用事で家を出るとき、宮崎さんは玄関においてあった金魚の水槽を倒してしまい、玄関が水浸しになってしまいました。
すると、お母さんが「なにやってるの!? どうしたらいいの!?」と怒りながら叫びました。
そう言われても、子どもの宮崎さんはどうしていいかわからず、オロオロするばかりでした。
とりあえず、目の前のティッシュの箱から数枚抜き取って拭きました。
それを見て、お母さんは「なにやってるの!? そんなので拭けると思ってるの!?」と怒りました。そして、しばらくしてから浴室に行き、タオルを5、6本持ってきて、「これで拭きなさい」と言ったそうです。
私はこの話を聞いて、「感情的になったとき、人は疑問形で相手を責めるものなんだ」と改めて感じました。
冷静になって、具体的な指示を出そう
このことは、以前もこのコラムで書いたことがあるのですが、嫌みな疑問形で詰問して、相手を困らせて溜飲を下げようという意図が無意識のうちにあるのです。
特に、自分より目下と思っている相手には、そうなりやすいものです。
それは、親子や上司・部下、先輩・後輩などであり、夫婦でもそうかもしれませんね。
こういうときは、「どうしたらいいの!?」と嫌みな疑問形で感情的に責めるのではなく、冷静になって「タオルで拭こう。5枚くらい持ってきて」など、具体的な指示を出すことが大事です。
誰でも、日頃の生活の中で子どもに嫌みな疑問形をつかってしまうことがあると思うのですが、そういうときは自分がイライラしているのだと気づいてほしいと思います。
そして、冷静になって具体的な指示を出すように努めましょう。
例えば、次のようなことが考えられます。
具体的な指示の例
「どこでテレビ見ているの!? 目が悪くなるでしょ」
↓
「テレビを見るときはこの線まで下がろうね」
「タオルをもっと上手にたためないの!?」
↓
「タオルの端と端を合わせてたたむといいよ」
「挨拶しなきゃダメでしょ! ほら、何て言うの!?」
↓
「『こんにちは』って言ってみよう」
「いつになったら宿題やるの!?」
↓
「5:31になったら宿題を始めよう」
あるいは「10分後に宿題始めよう。タイマー、スタート」
あるいは「夕飯を食べて歯を磨いたら、1分以内に宿題をやろう」
「はやくしなさい! いつまで食べてるの!?」
↓
「6:30までに食べ終わろうね」
「勝手にどこに行くの!?」
↓
「ここに座っててね」
「なんでお皿を出しっ放しなの!?」
↓
「お皿を食器棚に入れてね」
「なんでちゃんと噛んで食べないの!?」
↓
「30回ずつ噛もうね」
「姿勢が悪いわよ。なんでそんな姿勢しかできないの!?」
↓
「背筋をピンと伸ばそう」
「部屋がゴミだらけじゃない。いつになったら掃除するの!?」
↓
「今から部屋のゴミを30個ずつ拾おう。よーいドン!」
ということで、嫌みな疑問形は自分がイライラしている証拠ですので、お互い気をつけましょう。
親野先生 記事一覧
オススメ記事
記事一覧
お近くのTOMASを見学してみませんか?
マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。