愛情不足になる?子どもを否定的に叱り続けることで起こる7つの弊害(1)
愛情が空回りし続ける親たち
「勉強を好きになってほしい」
「自分から進んで勉強してほしい」
親はみんな、わが子に対してこう思っています。
すべては、子どもの幸せを願う気持ちからです。
でも、実際には、なかなか思うようにはならず、その気持ちが空回りしている親たちがたくさんいます。
いつまでもエンジンのかからない子どもを見て、どうしても叱ることが増えます。
「また勉強してない。自分から進んでやらなきゃダメでしょ!」
「○時から勉強するって約束したよね。なんでちゃんと守らないの?」
「何度言ったら自分からやれるようになるの? 『がんばる』って言いながら、口ばっかりね」
子どもはよけいにやる気をなくす
毎日、子どもにこういう言葉を浴びせかけている親がたくさんいます。
でも、これで子どもがやる気になるということは、絶対にありません。
やる気が出るどころか、弊害がたくさんあります。
弊害の1つめは、ほんのちょっとはあった「やっぱ、やらなきゃ……」という気持ちすら、摘み取ってしまうということです。
というのも、こういう言い方をされると、「自分がとがめられた。否定された」と感じるからです。
「自分がとがめられた」と感じた瞬間に、人は心を閉じて、素直に受け入れることができなくなります。
受け入れるどころか、「なにくそ、絶対やらない」という気持ちにすらなります。
叱られ続けると、愛情不足感が出てくる
弊害の2つめは、こういう言葉を浴び続けると、親に対する不信感が出てくるということです。
「お母さんは、ぼくのことをよく思っていないようだ。ぼくはダメな子だと思われている。あんまり大切にされていないかも……」
「お父さんは私のこと好きじゃないのかな。愛されていないのかも。嫌われているのかな……」
こういう気持ち、つまり親に対する愛情不足感が出てきてしまうのです。
すると、ますます素直になれません。
そして、お互いの不信感が高まることで、親子関係が冷え切ってしまい、ついには親子関係の崩壊という事態に至ります。
愛情不足感のある子は、愛情確認行動に突っ走る
さらに、深層心理学では、次のように言っています。
親に対する愛情不足感がある子は、不安でたまらないので、親の愛情を確認したいという強い衝動に駆り立てられます。
すると、危険なことや反社会的なことをしてしまいます。
例えば、万引き、火遊び、落書き、物を壊す、深夜徘徊、スマホの出会い系にはまる、弱い子をいじめる……などです。
こういうことをすると親が心配します。
心配する姿を見て、「ほら、こんなに心配してくれている。愛されている証拠だ。ああ、よかった」と確認するのです。
もちろん、これを意識して意図的にやるわけではありません。
愛情不足感という強い不安から、無意識的かつ衝動的に、愛情確認行動に突っ走ってしまうのです。
叱られ続けると自己肯定感が持てなくなる
弊害の3つめは、こういう言葉を浴び続けると、子どもは自分に対する自信を持てなくなるということです。
「何度言われてもできない。私ってダメな子だな。どうせ何をやってもできっこない」
「毎日叱られてばかり。どうせぼくなんてダメな子だよ。何をやってもダメだよ」
このように感じてしまうと、自己肯定感が持てなくなり、自己否定感に支配されてしまいます。
すると、勉強はもちろん、遊びでも生活習慣でも、何事においても「自分はできない」と思い込むようになってしまいます。
当然、チャレンジしてがんばる気力も出なくなります。
たとえ少しやってみたとしても、ちょっとした壁があると、「ダメだと思ったけどやってみた。だけどやっぱダメだ。どうせ自分なんかできるはずがない」となって、乗り越えられなくなります。
自己肯定感が高い子は、何事においても「自分はできる」と思えるので、チャレンジしてがんばる気力がわいてきます。
たとえちょっとした壁があっても、「自分はできるはずだ」となって、乗り越えられるのです。
この違いは大きいのです。
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