東大?それともハーバード!?
海外の名門大学をめざすという選択
【第3回】海外大学進学に必要な英語力とその対策
海外大学へ進学するなら、絶対に欠かせないのが英語力。英語力は一朝一夕で身につくものではないので、実際にどれくらいの能力が求められるかという目標を定めたうえで、逆算して計画的に学習を進めていくことが肝心です。海外大学進学に必要な英語力と、その対策についてお伝えします。
海外大学進学に必要な英語資格・得点の目安
出願時に評価対象となる英語資格は留学先によって異なりますが、北米の大学であればTOEFL iBT、イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの大学はIELTSが一般的です。TOEFL iBTはオンライン上での試験、IELTSは試験会場での筆記試験という違いがありますが、いずれもリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能をはかる試験であることは変わりありません。
国内の大学入試と同様に、留学を希望する大学のランクによって求められるスコアの水準は異なります。TOEFL iBTで120点満点のうち65点以上のスコアがあれば、海外の大学を目指すことは可能です。80~90点以上とれていれば、国内におけるMARCHレベルの有名大学を目指せます。さらにその上のアイビーリーグを目指すのであれば、100点以上は必須でしょう。
ただし国内の大学入試とは異なり、海外の大学入試においては明確な偏差値や足切りのボーダーなどが存在するわけではないので、これらの目安はあくまで参考として考えていただきたいと思います。そうはいっても、英語力は高ければ高いほど、海外大学への入学はもちろん、その後の留学生活でも役立つことは間違いないので、可能な限り高い水準を目指すことは大切です。
英語資格以外で出願に必要なものは
アメリカの大学に出願する場合、日本のセンター試験のような学力テストを受験する必要があります。「SAT」と「ACT」という2種類のテストがあり、留学先の地域などによってどちらを選択すべきかは変わりますが、いずれも日本国内での受験が可能です。
このテストはアメリカの高校生も同様に受験する試験で、基本的には国語(英語)・数学に加えて、その他の科目を英語で理解する能力がはかられます。ただし英語においてはネイティブと対等に競い合うことは難しいため、日本人の場合、英語はTOEFL iBTのスコアによって評価されると考えてよいでしょう。その代わりに、数学はなるべく満点に近いスコアの得点が必要と言われています。
また、こうした学業の成果だけでなく、面接やエッセイライティングが求められる点も海外大学への出願における大きなポイントです。英語力に多少の不安があったとしても、大学に入って学びたい専門領域やその志望理由など、意欲の面をきちんと伝えることができれば優遇してもらえるケースも多くあります。
海外大学進学へ向けて、どんな対策をすべきか
前述の通り、TOEFL iBTで最低でも65点以上のスコアがなければ海外大学への進学は厳しくなりますが、高校生で一年間海外へ留学した経験があれば、80点程度は得点できるようになることが多く、高校卒業まで3年間の留学を経験すると、100点を超える生徒も出てきます。国内での英語学習だけでは限界があるため、やはり海外の名門大学を目指すのであれば、18歳以前に一年以上の留学によって“英語漬け”になる経験をしておくことは欠かせないでしょう。
一方で、留学の前に国内で英語学習の基礎固めをしておくことも重要です。特に重点的にやっておきたいのが、語彙と文法です。留学生活がスタートすると、すぐに大量のリーディングとライティングをこなさなければならないため、国内にいるうちに基礎をしっかり固めておくことをおすすめします。これらの知識が定着していれば、総合的な英語力の向上に役立ちます。
また、海外の大学に出願するにあたって国内の大学入試との大きな違いは、面接やエッセイライティングを重視されるという点です。これらの対策として英語力が欠かせないのはもちろんですが、それ以前に「自分の意見を組み立てる」ことが日本人にとっては意外と難しいものです。海外では、小学校からエッセイやスピーチを通して自分の意見を発信するという練習を重ねています。海外の大学でも当然その能力が問われるため、日頃からさまざまなテーマに関心を持って自分の意見をまとめたり、自分の考えを積極的に伝えたりする習慣をつけておきましょう。
海外の大学への進学に向けて準備を進めるなら、早いに越したことはありません。新型コロナウイルスの影響がいつまで続くのか見通しの立たない状況ではありますが、海外大学進学という目標を見据えて、まずは国内でできることから始めていきましょう。
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