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今の子どもは将来、月に行けるかも! 宇宙探査の新時代に必要な学びは
2021年は「宇宙旅行元年」といわれ、宇宙をめぐる様々なニュースが社会をにぎわせました。世界の実業家が宇宙旅行を体験したり、宇宙旅行の開発を競い合ったりしています。
日本でも13年ぶりに日本人宇宙飛行士の募集が始まるなど、2022年も宇宙の話題が続きそうです。新たに募集される宇宙飛行士に求められるのは、学歴や体力だけではありません。表現力や発信力、コミュニケーション力も求められるといいます。
宇宙が新たなビジネスの場に
「宇宙なう」――そうツイートしたのは、大手ファッション通販サイトの創業者で実業家の前澤友作さんです。2021年12月に、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に12日間滞在し、無事に地球に帰還しました。
無重力下での生活や地球の見え方を少年のような笑顔で語る様子は、近い将来、一般の人が宇宙旅行に行ける夢を、多くの人に与えたのではないでしょうか。次は2023年に月旅行に出かける予定だそうです。
アメリカではヴァージン・ギャラクティック社や、ブルー・オリジン社といった新興の企業が、無重力状態を体験できる有人宇宙飛行に次々と成功していて、すでに世界中から予約が集まっているそうです。
もちろん、今は大富豪でなければ手が届かないわけですが――そう遠くない将来に、「究極の旅行」として、民間人が宇宙に行くビジネスが発展していきそうです。
この「宇宙大航海時代」の機運は、資源探索や研究開発にむけた宇宙開発の機運にプラスになることは間違いありません。
門戸が広がる宇宙飛行士への夢
日本も宇宙開発の国際プロジェクトの重要な一翼を担っています。アメリカを中心に計画されている月への有人宇宙飛行「アルテミス計画」にパートナーとして参画しているのです。
アルテミス計画とは、月の周回軌道に宇宙ステーションのような有人拠点を共同で建設して月の開発を行い、最終的には人類を火星に送るという壮大なプロジェクトです。2020年代後半には有人月離着陸機で月面に降り立ち、月面居住棟を建設して滞在することも構想されています。
新時代の宇宙開発を担う人材として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2021年12月20日から、宇宙飛行士の募集を始めました。野口聡一さんや星出彰彦さんら現役の日本人宇宙飛行士7名に続く、新たな募集です。ISSとその日本実験棟「きぼう」はもとより、アルテミス計画のもと、月面で活動することを想定して、新たな宇宙人材を育てていこうという計画です。
今回の募集では、より多くの人にチャンスを広げようと応募要件が緩和されました。
「4年制大学(自然科学系)卒業以上」や実務経験の「自然科学分野」といった前回まであった条件をなくし、一般教養試験や、STEM(科学、技術、工学、数学)分野の試験で評価することにしました。
また、身長の下限は「158cm以上」だったものを「149.5cm以上」とし、体重の要件もなくなりました。現在は日本人の女性宇宙飛行士が不在なことから、応募の奨励に力を入れていくといいます。
選抜結果は2023年2月ごろに発表され、宇宙飛行士候補者はその後、JAXAに入社。基礎訓練を経て、2025年3月ごろに宇宙飛行士として認定される予定です。
今の学校での勉強が、宇宙でも役立つ!?
JAXAは、新たな宇宙飛行士に求める人物像として、協調性やリーダーシップ、柔軟な思考力と判断力のほか、ミッション(使命)に参加することで得た経験や成果を世界中の人と共有する表現力・発信力のある人、としています。
実はこの「思考力」や「判断力」「表現力」は、今の子どもたちが身につけるべき資質・能力として学習指導要領に掲げられていることをご存じでしょうか。知識や技能を身につけるだけでなく、それらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力も「学力」に含まれると考え、その育成を重視しています。
私立中高一貫校ではPBL(Project Based Learning)といわれる問題解決型学習や、STEM教育に力を入れ、子どもたちの力を伸ばそうとしています。
今の勉強を頑張ることが、実は宇宙飛行士や宇宙旅行への夢につながるというのは、大げさなことではないのです。
2022年にはアルテミス計画で用いる宇宙船の飛行実験や、民間企業が開発した新型ロケットの打ち上げなどが予定されていて、宇宙関連の話題はまだまだ注目を集めそうです。
発射実験の模様は多くが動画配信されますし、ISSのライブストリームは24時間いつでも見られます。JAXAも大人から子どもまで楽しめるプログラムを積極的に行っています。
宇宙に興味を持つ子どもたちの夢の実現への扉は、すでに開かれているのです。
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