
さきよみ中学受験

新学期に向けて、スマホやネットの安心・安全な利用法は
もうすぐ新学期。子どもにスマートフォンやタブレットを持たせようと考えているご家庭も多いでしょう。最新の調査によれば、子どもたちのインターネットの利用時間は、小学校、中学校、高校のいずれにおいても過去最長となっています。「子ども専用」の端末を10歳前後から使いはじめることも多いようです。
スマホがこれだけ身近になると、保護者がすべて管理するのは難しくなります。親が子どものスマホや使用時間を管理するペアレンタルコントロールから、子どもが自分自身で管理するセルフコントロールへと、安全利用の考え方をシフトしてく必要がありそうです。
どの年代でも幅広くインターネット利用が進む
内閣府が昨年11~12月にかけて行った「令和3年度 ⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査」の結果が、このほど公表されました。
対象は満10歳から満17歳の青少年5,000人と、その同居する保護者5,000人、0歳から満9歳の子どもと同居する保護者3,000人を対象に行ったものです。回収率は青少年で67.9%、その保護者で70.2%、0歳から満9歳の子どもと同居する保護者で76.5%でした。
調査では、スマートフォンや携帯電話、自宅用のパソコンやタブレット、学校から配布・指定されたパソコンやタブレットなどのインターネット利用状況を尋ねました。
インターネットの利用状況をみると、青少年の97.7%が利用しています。
使用機器としては、スマートフォンが68.8%、ゲーム機が59.8%、テレビ(地上波・BS等は含まない)が46.7%、⾃宅⽤のパソコンやタブレット等が45.3%、学校から配布・指定されたパソコンやタブレット等(GIGA端末)が42.2%と続きます。
学校種別でみると、⾼校⽣の99.2%、中学⽣の98.2%、⼩学⽣(10歳以上)の96.0%がインターネットを利⽤していると回答しており、すでに子どもにとって身近なものになっているといえるでしょう。
子どもの平均ネット利用時間は4時間以上
0歳から9歳までの子どもの利用状況を見てみます。
通園中(0歳〜6歳)では70.4% 、⼩学⽣(6歳〜9歳)では 89.1%がインターネットを利⽤。インターネットを利⽤する機器は、上位からテレビ(地上波、BS等は含まない)が46.9%、⾃宅⽤のパソコンやタブレット等が36.8%、ゲーム機が32.0%と続きます。
子ども専用の機器を使っているかどうかについては、9歳以下では「親と共用」が多くを占めます。ところが10歳以上になると「子ども専用」が増えていきます。
とくに10歳から11歳にかけては、子ども専用のスマートフォン使用率が13.8ポイント上昇し、「子ども専用」の割合が「親と共用」の割合を逆転していました。小学校4年生の約半数、5年生の約6割は自分用の機器を持っている状況です。
インターネットを利用すると回答した⻘少年の平均利⽤時間は、前年度と⽐べて約1時間増加し、約4時間24分になりました。小・中・高校生とも前年度と⽐べ約1時間増加しており、⼩学⽣(10歳以上)は約3時間27分、中学⽣は約4時間19分、⾼校⽣は約5時間31分となりました。
⽬的ごとの平均利⽤時間をみると、「趣味・娯楽」が最も多く、前年度と⽐べて38分増加し、約2時間45分にのぼります。一方、「勉強・学習・知育」も前年度と⽐べ約23分増加し、約1時間1分となっています。
安全利用はセルフコントロールの時代に
子どもが小さいうちは、親と機器を共有することも多いので、利用のルールも親子で決めやすそうです。1~9歳の低年齢層の⼦どもの保護者のうち、「ルールを決めている」との回答は81.3%で、⼦どもの年齢が上がるとともに割合は増加傾向にあります。
一方、中学校、高校になるにつれ「ルールを決めていない」の回答割合が増えていきます。子ども自身の回答をみると、中学生で24.7%、高校生になると54.1%が「ルールを決めていない」と答えています。
思春期を迎える子ども達にとって、インターネットがつながるスマートフォンは、誰にも入ってきてほしくない「自分だけの世界」になっていきます。
最近は「子どものほうがネットやスマホに詳しい」という状況も生まれているでしょう。次々と出てくるゲームアプリやSNSツールなど、保護者にも仕組みがわからないものもあるため、平均4時間以上インターネットを利用しているにもかかわらず、子ども任せにしてしまいがちです。
しかし、プライバシーを守ることや、誹謗中傷、著作権の侵害など、「ついうっかり」「知らなかった」で被害者にも加害者になってしまうおそれがあります。また、インターネットを介したコミュニケーションの特性を把握していないと、友達同士のトラブルに発展するなど、リスクもすぐ近くにあるといえます。親としては、安心・安全な利用法を子どもに伝えることが大切です。
そこで参考になるのが、内閣府が発行しているネットやスマホの安全利用のリーフレットです。令和4年1月版では、2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられることを受けて、子ども自身が「自分の力でコントロールできる18歳」に向けた準備をすべきだと呼びかけています。
中高生のネット利用に潜むリスクとして、▽個人を特定できる情報発信の危うさがある▽自分の興味関心に合う情報が優先的に表示され情報が偏る▽ネットショッピングやフリマアプリのトラブル、などの事例を挙げています。
私立中高一貫校は、スマホの持ち込みは許可してもSNSの利用を禁じている学校もあれば、SNSも含めて生徒の自己責任としている学校までさまざまです。
電車やバスを乗り継ぐ通学時の安否確認のためにスマホを持たせることも多いでしょう。スマホやネットを安全に利用して、楽しい学校生活が送れるよう、子どもたちが「セルフコントロール」の力を身につける必要がありそうです。
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