さきよみ中学受験

“ウィズ・コロナ時代”の大学入試はどうなる?

“ウィズ・コロナ時代”の大学入試はどうなる?

全国で、小・中・高の各学校が再開し、分散登校や分割クラスによる授業がはじまりました。進学を控えた学年の生徒からは、学習の遅れや入試の方法などが、新型コロナウイルスの影響でどう取り扱われるか、不安の声も聞かれます。「9月入学論」などがにわかに巻き起こる中、大学入試の行方はどうなるのでしょうか。

翻弄される受験生

一斉休校のあいだ、小・中学校や高校では、プリントによる課題を出すなどして、子どもたちは家庭で学習することが求められました。

しかし、学校で勉強しているのとまったく同じように過ごせた、という子どもは少ないようです。

生活のリズムが乱れて夜型になった、運動不足になった、友だちとあえずに寂しいと感じた、というお子さんが多いかもしれません。

保護者も付きっきりで勉強を見るわけにはいきませんから、学校が再開して「学習の遅れをどうやって取り戻すのだろう」と心配なご家庭も多いと思います。

特にこの冬、大学入試を控えた高校3年生は、「大学入試はどうなるのか」とストレスを抱えながら学校生活を送っています。

2021年1月に行われる大学入試は、これまで続いた「センター試験」が廃止され、新たな「大学入学共通テスト」に移行する初年度にあたるからです。

この大学入学共通テストは、新しい時代に向けて、思考力や判断力、表現力をより重視する出題となる予定でした。

当初は1点刻みの合否判定から脱却するため、マークシートによる選択式の回答方法に加え、国語と数学の一部に「記述式」が導入される予定でした。また、英語に関しては民間の資格や検定試験の成績を活用することも決まっていました。

ところが、それぞれの制度の不備や対応の未整備が指摘され、国は2019年11月から12月にかけて相次いで、英語民間資格検定試験の活用と記述式の出題を見送ることを決めました。

つまり、昨年、高校2年生だった今の高校3年生は、ずっと自分たちが受ける大学入試の制度の変更に、翻弄されてきたといっても過言ではないのです。

そこに、今回の新型コロナウイルスによる休校措置が取られました。

新テストに向けて対策を講じる大事な時期に勉強に集中できない、また、大学も休業で、志望校の最終判断に必要な情報が入手しづらい状況が生まれています。

早急な9月入学論より、生徒の身になった最適解を

さらに、いくつかの自治体の知事や団体などからは、学習のスタートが3カ月遅れている状況を鑑み、小・中・高で「9月入学」を導入する意見が出されました。

海外の教育機関が9月入学であることと合わせて「グローバル対応」にもなる、という主張です。

大学では、4月以外の入学を制度化している大学もありますが、義務教育を含めたすべての学校で9月を新学期とするには多くの法律を改正しなければならず、予算もかかる話です。

自民党のワーキングチームは、「直近で導入するのは困難」という結論を出し、9月入学論はわずか1カ月で急速にしぼんでいきました。

とはいえ、この冬の大学入試の出題範囲や日程はこのままで大丈夫なのかという課題は残ります。

安倍首相は6月初旬、大学入試の日程を事前の決定通り行うかどうか、6月中に判断するとしました。

多くの私立大学では入試問題作成にすでに着手していますから、「これから作り直すことは現実的には困難」という声も大学関係者からは聞かれます。

もし、「大学入学共通テスト」の日程が後ろ倒しになる、出題範囲が変更される、入試形態が変わるなどの動きがあれば、国公私立の入試日程にも影響が及びます。受験生の心理的負担、ストレスはさらに大きなものにならざるを得ません。

今回の新型コロナウイルスの世界的な流行は、誰にも想定することはできませんでした。

また、今後、秋から冬にかけて流行がどのような状況になっているかも予測不可能です。

今年度、小学校から本格実施となった新学習指導要領は、子どもたち一人ひとりが予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合うために、思考力や判断力、表現力、知識や技能、学ぶ意欲などを育むべきだとの考えに立っています。

今、まさに社会がそうした状況にある中、子どもたちにはこの時期を、与えられた条件を前向きにとらえ、ベストを尽くせるよう励ましの言葉をかけてあげるしかないのかもしれません。

何より、教育や教育制度を議論する大人たちが、この未曽有の社会の変化に、主体的に向き合い、能動的に対処する力を発揮すべきでしょう。

現在、文科省内で有識者を交えて大学入試のあり方を見直す検討会が開かれていますが、新型コロナウイルスの影響で進行は遅れ気味です。

年内に議論をまとめるとしていますが、十分な議論が尽くされないおそれもあります。

これ以上、今の高校生が大学入試の制度変更に翻弄されないよう、2021年の入試対応も含めて、現実的な「最適解」を一刻も早く提案していくことが求められています。

中学受験生は「学校発」の情報にアクセスを

このような状況下で、中学受験に挑戦し、中高一貫校を進学先に選ぶのは大きな意味があります。

中高一貫校なら、休校で3カ月の学習の遅れが生じても、詰め込みをすることなく、ゆるやかに取り戻すことができます。

制度改革に左右されない、しっかりした思考力・判断力・表現力を伸ばせる「時間」を確保するのが中学受験、とも言えるのです。

この春の一斉休校に伴い、私立中学校の学校説明会は中止が相次ぎましたが、今後は、各学校の情報発信は活性化すると考えられます。YouTubeなどを活用した学校公式チャンネルやZoomなどを活用した個別相談会も増えてきました。

教育に対する不安が大きくなっている時期だからこそ、掲示板やSNSに書き込まれた根拠の薄いコメントに踊らされず、直接、学校のホームページを訪れることをお勧めします。

夏から秋にかけての学校説明会や行事見学は「密」を避けるため、予約制をとる可能性もあります。

校長先生のメッセージ動画や生徒のコメントから、見学してみたい学校を探し、実際に学校に足を運ぶタイミングや、先生と直に話す機会を逃さないようにしたいものです。


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