“コロナ”の影響で、
中・高・大学の教育はどう変わる?

“コロナ”の影響で、<br>中・高・大学の教育はどう変わる?

新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の教育機関の多くが休校となっています。大学では遠隔授業の導入が進んでいますが、「通信格差」などの課題も浮き彫りになっています。一方、小中学校や高校では、遠隔授業はまだ始まったばかりです。私立中高の中には先進的なところもありますが、日本全体として見るとコンピュータを使った学習はまだまだ遅れています。子どものICT活用能力を伸ばすために、家庭でもデジタル環境を整えていくことは、アフターコロナの時代を生きる子どもたちに不可欠なものとなるでしょう。

●大学などは6割が遠隔授業を実施

新型コロナウイルス感染症は、世界の子どもたちに大きな影響を与えています。

国連の発表では、世界の188カ国で休校措置が取られ、約15億人の子どもと若者が学校に通えない状況になっているとしています。

遠隔授業を導入できている国はそのうち3分の2程度ですが、デジタル格差によりすべての子どもが遠隔授業を受けられているわけではない、と指摘しています。

 

日本では、現在、休校中でも授業を継続しようというさまざまな試みが、この数カ月、ダイナミックに続けられています。

文部科学省が4月24日に公表した大学の対応状況を見ると、多くの大学で、遠隔授業を実施または検討していることがわかりました。

調査は全国の大学や高等専門学校1,180校を対象に調査し、804校が回答。多様なメディアを利用した遠隔授業を「実施する」と答えた学校は59.5%、「検討中」は39.2%と、合わせて98.7%が導入の予定であることが明らかになりました。

ただし、実施にあたっては、学校ごとの取り組みや学生の状況により差が出てきているようです。

以前から遠隔授業に積極的に取り組んできた大学では、教員がオンラインで講義を配信し、学生が各自で視聴する、少人数のゼミでオンライン上のグループ学習がスムーズにできているところもあります。

その一方で、「大学のサーバーにアクセスが集中して授業につながりにくくなる」「授業を視聴する十分な通信環境が学生側にない」「パソコンやタブレットを持っていない学生がいる」「学生側のインターネットの利用料が高額になる」「実験や実習などオンラインではふさわしくない授業もある」などの課題も見えてきました。

大学側は、1回の講義のデータ量を抑える工夫をする、学生にパソコンやWi-Fiルータを貸与する、学生支援の奨学金を支給する、実験・実習系の授業は後期や次年度に回す、などの対策を講じています。

携帯電話大手3社も、学生向けにデータ容量を無料で増やすなどの対応を始めたため、今後、大学の遠隔授業は試行錯誤を重ねながら、改善が進んでいくものと思われます。

●公立校は紙ベースの家庭学習がメイン

では、小中学校、高校の状況はどうでしょうか。

文科省が休校中の公立小中高の学習指導について調査したところ(複数回答)、「同時双方向型のオンライン授業を通じた家庭学習」を行っている自治体の割合は、4月16日時点でわずか5%にとどまっていました。

「教科書や紙の教材を活用した家庭学習」は100%、「テレビ放送を活用した家庭学習」は24%、「教育委員会が作成した授業動画を活用した家庭学習」10%、「デジタル教科書やデジタル教材を活用した家庭学習」は29%となっています。

一部の先進的な地域やICT活用の研究校のように取り組みが進んでいる学校では、オンライン授業が実現していますが、全体を見ると公立の小中学校、高校で遠隔授業はまだまだ進んでいないのが現実です。

経済協力開発機構(OECD)の2018年の国際調査でも、日本は授業(国語、数学、理科)でデジタル機器を利用する時間が短く、OECD加盟国中最下位となっています。

この危機的状況を脱するため、国は2019年12月に1人1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」に予算を付けました。新年度から整備が始まろうとした矢先に、今回の新型コロナによる休校が重なってしまった格好です。

あと1年早ければ、状況は違ったかもしれません。学びの遅れを取り戻すと同時に、ICT環境の整備が急がれます。

●私立中高の多彩な取り組みを見てみよう

一方、私立中学校では、以前から1人1台のタブレット端末による授業など、ICTを活用した取り組みを進めているところも多く、新学期から遠隔授業や、デジタル教材を活用した宿題、先生と生徒をつなぐアプリを活かしたホームルーム活動など、多彩な取り組みが行われています。学校ごとに特色があり、その様子をホームページで活発に情報公開しています。

例年行われる私立中学校の合同説明会やフェアは中止や延期が相次いでいますので、各校のウェブサイトを訪れ、情報を積極的に収集するとともに、学校の遠隔授業への取り組みをチェックしてみることをお勧めします。

 

もう少し長い目で見ると、学校におけるオンライン授業の試みやICTの活用は、新型コロナウイルスが収束し、学校が再開されても、なくなることはないでしょう。一つの学びの形として、対面型の授業と並行して継続されることが予想されます。

2024年の大学入試では、コンピュータによる出題「CBT(Computer Based Testing)」の導入が予定されていますし、企業の就職活動でも「オンライン面接」が広がりつつあります。

子どもたちがコンピュータを用いて学び、オンラインで友達や先生と円滑なコミュニケーションを図る力を伸ばすことは、今の勉強のためだけでなく、将来にわたる「生きる力」となることは間違いありません。

ご家庭でもデジタル機器を十分に活用できる環境を作ることが、お子さんの未来につながっていくことでしょう。


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