


中学入試報告会について考える
これを受けて、各中学受験塾では「中学入試報告会」を開催しています。内容としては、入試結果報告、入試問題分析、科目ごとの傾向と解説、中学入試概況、来春の展望、来春入試の傾向と対策などになります。
これらの報告会に参加すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1 最新の入試方法を知ることができる
昨今、中学入試では、様々な受験方法が取られるようになりました。
従来通りの2科、4科型(または3科)入試だけではなく、思考力型入試、適性検査型入試、算数1科目入試、英語1科目入試など、選抜方法の多様化が進んでいるのです。
中でも、その場で初めて見せられる資料の中から必要な情報を抽出する力や、それをもとに推論できる論理的思考を重視する「適性検査型入試」、あるいは小学校での教科化の影響を受けた「英語1科目入試」は、次年度以降もさらに増えていくと考えられています。
入試方法を知ることは、戦略を立てるためにも必須になりますので、知っておいて損はありません。
2 入試問題分析により、学校が求めている力を知ることができる
2018年、教育関係者の間で「開成ショック」と呼ばれる“事件”が起こりました。
ご存じの通り、男子御三家のトップである開成中学が、国語の入試問題で判断力や思考力を問う問題を出したのです。
トップ・オブ・トップに君臨し続ける学校が、知識偏重型問題だけではなく、アクティブラーニング系の出題をしたということで、今後は公立中高一貫校だけではなく、私立中学全体が判断力・思考力を問う出題を行う可能性が高くなると予想され、業界全体が「ショックを受けた」のです。
これは現在、教育界全体が子どもたちの主体性や協働性、思考力・判断力・表現力の育成に力点を置いていることの裏返しでもあるのですが、この最新入試問題分析により、どうすれば我が子にこれらの力を身につけさせることができるのかを知るチャンスになるでしょう。
3 最新トレンドを知ることができる
私立中高一貫校も経営がかかっておりますので、時代のニーズを先取りすべく、時代のトレンドにも敏感な学校が多いものです。
すなわち、ICT(情報通信技術)教育や、英語力をつけるための各種留学制度も含めた多くのプログラム、多様性を意識した国際教育など、近未来を生きていくために必要なスキルについて、シラバスに取り入れている学校が多く存在します。
この中でも、特に人気となっている学校を見ることにより、「時代の要請」が何なのかを具体的に知ることができるのです。
それらの学校の授業計画も含めた教育方針が、我が家の教育方針とどの程度一致するのかを見ていくことで、志望校の絞り込みがより具体的になっていくでしょう。
4 座談会、識者の講演から気づきを得る
入試報告会は、主に資料や統計をもとに今年度入試を総括するものですが、これらにプラスして自塾の卒業生や保護者の座談会、あるいは識者と呼ばれる人たちの講演が組まれることがあります。
卒業生や保護者のお話では、経験者ならではの貴重な体験談が聞けるでしょう。
やはり、「生の声」ほど参考になるものもないので、その方たちが発信する「やって良かったこと」「こうすれば良かったこと」などに耳を傾けてみてください。
たくさんの気づきが得られるでしょう。
5 オリジナル資料がもらえる
入試報告会は、塾にとっても威信を賭けた一大イベントの位置づけになります。
それだけに、説明は各塾のそれぞれのエキスパートが担当することが普通です。
つまり、非常に分かりやすいプレゼンテーションが行われていきます。
さらに、お土産として今年度の最新中学入試分析などのオリジナル資料がもらえるのが普通です。
こちらも長い歴史の中で、より的確で分かりやすく見せるという改訂を重ね、年々、ブラッシュアップしている資料ですので、自宅に帰った後にも、じっくりと読み返すことができる優れものです。
中学入試そのものに慣れていない保護者にとっては、報告会の説明を聞いているだけでは腑に落ちないことも多々あると思いますので、現状がどうなっているのかを帰宅後にゆっくり確認できるという意味でも、入手するメリットはあるでしょう。
以上、5項目を挙げてみました。
中学受験界も「情報戦」になってきております。現状を知って、我が家流の「傾向と対策」を立てるためにも、機会があれば参加するのも良いと思います。
なお、報告会は予約制のことが多いですが、保護者であれば他塾生の親であっても、低学年の親であっても参加することが可能です。
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