おかあさんの参考書
親が自分の子育てを後悔するとき

親が自分の子育てを後悔するとき

親野智可等

親であるみなさんは、ときに過去の子育てを悔やむこともあるのではないでしょうか。
「あのとき、もっとこうしていれば」
「あんなことを言わなければよかった」
「○○しなければよかった」
などというように。そんな考えにとらわれると、つらい気持ちになりますよね。

後悔や反省は成長している証拠

あのときは叱りすぎてしまった。もっと優しくしてあげればよかった。
園児のときに、もっと一緒に遊んであげればよかった。
もっとしっかり話を聞いてやればよかった。
「勉強、勉強」と言いすぎた……。

こうした後悔や反省が全くない人は、いないと思います。
そして、今さら考えてももう遅い、と思っているのではないでしょうか。

子育て中の人には、みんなそういうことがあるはずです。
そもそも子育てにかかわらず、人生はそういうことの連続だともいえます。

でも、「後悔」「反省」を別の角度から見てみれば、自分が以前よりも成長したということでもあると思います。

過去の何がよくなかったか、どこが不十分だったかに気がついているわけですから。
つまり、当時の自分にはわからなかったことが、今はわかっているのです。

「後悔や反省がない」ということは、自分の過ちに気づかないままでいる、ということでもあります。
ある意味幸せかも知れませんが、成長していないともいえます。

過去を後悔したり反省したりしている人は成長中ということであり、それだけで立派だと思います。
そして、大切なのは「これから」に気をつけることです。

同じことを繰り返してはいけないわけで、繰り返さないように気をつける、そのために工夫する、努力するなどが大事ですね。

気づいたときが始めどき

とはいえ、反省を生かして行動を改めるといっても、それもまた難しいことです。
頭ではわかっていても、実際にはできないという状態が続いたりもします。

「三歩進んで二歩下がる」という状態です。
でも、心がけることで、だんだん成長していくのもまた人間だと思います。

そもそも人間という存在は、みんなそういう不完全なものです。
神様ではないのですからね。

私も若いころ、クラスの子どもたちを否定的な言葉で叱りすぎて、猛反発をくらったことがありました。
それを機に反省し、言葉遣いを変えるように努めました。

最初は思うようにいかなくて、つい以前と変わらない口癖が出たりしました。
それでも、心がけているうちに、だんだんできるようになったのです。
しばらくすると、ほとんど否定的な言葉を使わないようになりました。

自分を変えるのは決意次第です。
そして、何ごとにおいても遅すぎるということはありません。
気づいたときが始めどきです。

クヨクヨしている自分に気づいたら、思い出してください。
「過去を悔やむのは成長している証拠。でも、同じ失敗を繰り返してはいけない」
いくつになっても成長することはできるのです。

著者プロフィール

親野智可等
親野智可等
おやのちから

教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。ブログ「親力講座」も毎日更新中。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。

教育評論家・親野智可等 公式ホームページ『親力』


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