


親子関係が冷え切ってしまう理由とは?
父親に絶対会いたくないと思っている長男
私は、今までに親子関係が崩壊した例をたくさん見てきました。
原因はすべて親のほうにあります。
これは60代の花田さん(仮名)という男性の例です。
彼は子どもの頃から勉強も運動もできて、性格も几帳面でリーダーシップもありました。
成人になってからは、仕事もよくできて、地域のリーダー的な存在でした。
それで、長男が生まれたとき、「自分のように立派な男にしたい」と思ったそうです。
しかし、長男は、父親とはまったく違うタイプでした。
花田さんから見ると、軟弱で能力が低くて怠け者のように見えました。
彼は、長男をよく叱って厳しくしつけました。
「しつけにうるさい厳格な父親」でなければ、立派な男にはできないと思い込んでいたそうです。
その結果、どうなったかというと、親子関係が完全に崩壊しました。
ひと言で言うと、長男は花田さんのことが大嫌いです。
長男は、大学受験で地元の大学をわざとすべて落ち、北海道の大学に入りました。
父親からできるだけ遠くに行きたいという、ただそれだけの理由で北海道を選んだのです。
その後、北海道で就職しました。
今は1年に1回だけ実家に帰ってきます。
それは母親に会うためです。
父親には絶対に会いたくないので、父親がいない日を確認してから来るのです。
母親と会いたくない息子
次は、50代後半の赤井さん(仮名)という女性の例です。
赤井さんには、女の子と男の子がいました。
上の女の子は、小さいときから自分で何でもできて、手がかかりませんでした。
生活態度もしっかりしていましたし、勉強も自分で進んで取り組めました。
ところが、下の男の子が正反対のタイプでした。
生活態度がだらしなくて、やるべきことをやらない、やりたいことしかやらない、片づけができない、何度言ってもできない、話も聞かない、という感じでした。
勉強も、何度も言わないとやり始めません。
やったとしてもいい加減で、ノートの字も雑でした。
それで、赤井さんは毎日よく叱っていました。
いけないとは思いつつ、姉と比べてしまうこともあったようです。
その結果、どうなったかというと、やはり親子関係が崩壊しました。
子どもたちは成人して独立し、赤井さんは旦那さんと二人暮らしです。
姉のほうはときどき赤井さんに会いに来てくれますが、弟のほうはめったに来ません。
来ても赤井さんとは会話が弾まず、お互い息苦しい雰囲気になります。
親子関係崩壊の原因は親にある
テレビをつければ、ニュース番組で親子間での暴力や殺人事件の話を目にすることがあります。
こういった例のほとんどが、親子関係の崩壊の結果です。
また、事件にならないまでも、前述の2つの例のように、他人以上に冷え切った人間関係になっている親子は、世の中にごまんとあります。
親子ですよ。
親子なのだから、最高の人間関係になれたはずです。
でも、なれなかった親子の例がたくさんあるのです。
これらのすべてにおいて、最初の原因を作ったのは親のほうです。
もともと無力な子どもが、最初の原因を作ることなどありえません。
最初の一歩は親のほうにあるのです。
同じ道を歩んでいませんか?
「親だから許される。これは自分の子どもだ。自分の子どもに何の遠慮がいるのか。自分は親だ。これはこの子のためなんだ。これは教育だ。しつけだ」という思い込みのもとで、親がやりたい放題をしてきたのです。
子どもに否定的な言葉をぶつけ続け、ときには暴力をふるったこともあったでしょう。
その積み重ねの結果、親子関係が崩壊してしまったのです。
今、これをお読みのみなさんが、同じ道を歩んでいないか、それが心配です。
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