
最難関校合格を勝ち取る 中学受験の「算数」勉強法
Math Study Tips for Top Junior High School Entrance Exams
中学入試において最も得点差が開きやすい教科は、何といっても算数。最難関校の算数には、一見しただけではいったいどこから手をつけたらよいのかわからない難問が続出しています。
このカテゴリでは、最難関校の算数対策として必要な勉強法をじっくり説明していきます。

【中学受験の「算数」勉強法③】合格点をとるために必要な「分野別対策」の方法
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ここでは、中学受験算数の主要分野である「計算」「図形」「文章題」「数の性質など」の具体的な対策をご説明します。
「計算」の攻略法
毎日取り組むことが絶対条件
最初に、受験算数の基礎中の基礎といえる「計算」を取り上げます。この分野で大切なのは、毎日ルーティン化して計算課題に取り組むことです。まずは基本的な計算についてトレーニングを重ね、慣れてきたら、たとえば「割合を小数に直す」「筆算の代わりに分数の割り算を使う」「分配法則を活用する」など、徐々に高度な内容へ入っていきましょう。
式は整理して書く
計算演習への取り組みとして大切なのは、計算過程記録用のノートをつくることです。
計算の正答率は、式を整然と書くという過程を通じて高まっていきます。計算過程を問題集の余白にグチャグチャと書き込むだけでは、いつまでたっても本番で使える力は伸びていきません。解答は、問題集ではなくノートに書いていきましょう。
なぜそのような取り組みが必要かというと、最難関校の入試問題は解答を記述式で書かせる場合が多く、解答用紙で自分の考えを式として表現しなければならないからです。日々の計算演習は、採点者に読んでもらえる答案づくりの第一歩だと考えてください。
「図形」の攻略法
図に書き込む
「最難関校合格を勝ち取る 中学受験の『算数』勉強法_算数の攻略に必要な『時期ごとの取り組み』」の記事で述べたとおり、「図形」に関しては、3年生までに感覚を養い、4年生からの「単元学習」によって本格的な問題演習に取り組んでいくこととなります。その際に大切なことが2つあります。
1つ目は、角度・長さのような情報や補助線などを、与えられた図に書き込んでいくことです。この過程を省いて頭の中だけで処理しようとしても、最難関校で出される図形問題は解けません。
自分で図を描く
2つ目として大切なのは、実際に自分で図を描くことです。
たとえば、「図形の移動」のテーマでは、「2つの図形が移動を開始してお互いが出合うまでに経過した時間」など、直接には書かれていない情報を問題文から読み取って適切に表現する必要があります。また、受験算数の最難関分野の1つである「立体図形の切断」というテーマではよく、与えられた図で目に見えている平面の部分が取り出された状態の図を描いたり、描いた図の中にさらに書き込みを加えていったりして、図中に表れた情報の相互関係をつかんでいくというプロセスが試されます。
このように、「図形」分野では、図への書き込みと作図が頻繁に求められます。みずから手を動かすという習慣を身につけていきましょう。
「文章題」の攻略法
自分なりの「型」を確立する
「文章題」という分野について、まず認識していただきたいことがあります。それは、「文章題」のテーマには一定の「型」がある、ということです。「型」というのは、たとえば、「『損益算』や『濃度算』では必ず『線分図』を用いる」などの内容を意味します。問題演習においては、このような「型」、別の言い方では「情報整理の分類パターン」を守って解いていくことが大切です。
導き出された結果を「言語化」してみる
「型」の習得に続く「文章題」対策として必要なのは、出てきた結果の意味を考えるというプロセスです。難しい問題を解いていく過程でなんらかの数字が導出できたら、そこでいったん立ち止まり、「この数字は、いったいどんな意味だろう」と考えてみましょう。
もっとも、ただ「考える」といわれてもどうすればよいのかわかりませんね。そこでおススメは、たとえば「この数字の単位は~だ」など、出てきた結果を「言語化」することです。たとえるならば、自分が行ったことに対して自分で指摘するという「セルフツッコミ」のイメージです。このようにして自分の考えを言葉で表していくと、自分が立てた式の誤りに気づいたり、その問題の出題意図がわかってきたりします。
「数の性質」などの攻略法
「数の性質」には時事的要素が含まれる
以下では、「計算」「図形」「文章題」の主要分野には入らないものの、入試に出てくるためお話ししておく必要がある内容を取り上げます。
「計算」「図形」「文章題」以外の分野の1つである「数の性質」の問題には、「時事的な要素が含まれる」という特徴があります。たとえば入試が「20XX年度」に実施される場合には、「20XX」にまつわる数字が問題によく出てきます。このような出題を想定し、入試直前期には、自分が受験する年度の数字に関する知識を確認しておきましょう。
「分配法則」をフル活用しよう
受験算数には、「これを使えば一発で解ける」という必殺技のような「テクニック」はありません。しかし、ミスの回避につながったり解答時間を短縮したりできる工夫という意味での「テクニック」はいくつか存在します。以下では、その例を紹介していきます。
使用頻度が高いテクニックの1つに「分配法則」があります。たとえば、「図形」の中の「円の計算」というテーマの問題では、出てきた数字に円周率3.14を掛けるという操作が何度も求められます。この場合、数字が出てくるたびに3.14を掛けていちいち足していくと時間がかかりますし、計算ミスの可能性も高まります。もっとも、出てくる数字が小さければ、そのつど足していっても大きな支障は生じません。しかし、たとえば「空間図形の回転体の表面積」などのように出てくる数字が大きい場合には、このやり方では非効率的です。
そこで、「分配法則」の出番が訪れます。たとえ式が立てられたからといって、喜び勇んで3.14を掛けてはなりません。この場合には、出てきた数字をすべて足したうえで、最後に3.14を掛けるのです。「分配法則」を駆使して、解答スピードと解答精度の両方を高めていきましょう。
「分数」を用いる計算は、解答時間の短縮に役立つ
じつは「分数」も、計算問題の強力な「武器」となりえます。その例をご紹介いたします。
小学生は、筆算が大好きです。子どもたちには、筆算によって出てきた答えは絶対に「割り切れる、きれいな数字」になるはずだという思い込みがあります。そのため、たとえば「50mを3秒で進みます。秒速何mでしょうか」という問題を見ると、すぐに筆算で「50÷3」を計算します。その結果、答えとして「16.666666……」という割り切れない数字が出てくと、「ひょっとしたら、式が間違っているかもしれない」と勘違いし、慌てて「3÷50」と計算して、「0.06」という誤答を出してしまうのです。
この問題の正解は、「50÷3」、すなわち「503」です。「503」は、「.666666……」のように、わざわざ割り算を行って小数点以下の数値にする必要はありません。時間のロスと計算ミスが生じるおそれがあるからです。計算には、このように筆算せずに最初から分数を使うほうがうまくいくケースがあります。
「最初から分数を使う」という考え方は、たとえば「4ケタ÷3ケタ」などの大きい数の計算でも効果を発揮します。このケースでは、「4ケタの数字を分子に、3ケタの数字を分母に書き、分数の形をつくってから約分する」という方法を使いましょう。泥くさく筆算する方法に比べ、解答時間が30秒ほど節約できます。このような計算工夫は、試験時間に比して解答すべき分量が多い中学入試の本番において強い威力を発揮します。
まとめ

出題分量に対して解答時間がシビアな最難関校入試で、解答時間を1秒でも短縮し、また1点でも多く得点するために、活用できる「テクニック」は何でもどん欲に吸収していきましょう。
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