おかあさんの参考書
受験のプレッシャーに子どもが打ち勝つための親の心構えとは?

受験のプレッシャーに子どもが打ち勝つための親の心構えとは?

菅原裕子

過度に緊張すると、頭が真っ白になる

いよいよ受験勉強も追い込みの時期です。

親として望むのは、とにかく本番で平常心を保ち、実力を発揮することではないでしょうか。

本番に強い子と弱い子がいます。その差は、緊張をうまくセルフコントロールできるかどうかの違いにあります。

いざというときに緊張するのは誰でも同じ。

適度な緊張は、力をよりよく発揮するうえでは必要な要素と考えられています。注意力を高め、ミスを防ぎやすくなるのです。

ところが、過度に緊張すると、いわゆる「頭が真っ白になる」状態が起こります。心身ともにフリーズして、本来の力が発揮できません。

子どもが受験のプレシャーに打ち勝つために、この時期から心がけておくべきことは何でしょうか?

ここでは、緊張を解放する方法や脳をリラックスさせる方法をお伝えしておきます。お母さんもご一緒にどうぞ。

親の期待がすでにプレッシャーになっていないか

緊張を解放する方法のお話をする前に、まずは、あるお母さんからこんな話を聞きましたので、ご紹介します。

息子さんが中学受験の時のこと。

第一希望は無理をせず、ここなら大丈夫と思える学校に決めて、「君なら大丈夫」「絶対合格するから」と言っていたそうです。

信頼する母親が大丈夫と言えば、きっと子どもも心強く思うはず、とお母さんは励ますつもりで言ったのです。

ところが、その言葉が、息子にとっては結構なプレッシャーになっていたことを、お母さんは後で知ります。

「絶対合格する」と言われている学校に合格しなかったら、と息子は必要以上にプレッシャーを感じていたそうです。

言い方や言葉の使い方を間違えると、かえって子どもの負担になってしまいます。

重要なことは、試験会場で力を発揮できること。合格はその後についてきます。

親の合格への期待に気をつけてください。

緊張の解放は、「気づき」「解放する」の2段階

もし、お子さんに本番に弱いとか、緊張しやすいとかの状況が見られるのであれば、以下のような訓練をするといいでしょう。

まずは、お子さんが緊張に気づく訓練から始めます。

私たちはあまりに緊張していると、それすら気づかないまま、期待しない結果を招いてしまいます。

「今、自分は緊張している」と気づくことは大変重要で、そうであると気づける余裕があるということです。

試験の後などに、思い通りの点が取れなかった、わかっていたのに正解できなかった、知っていたのに思い出せなかった……などの言葉があれば、どういう状態だったのか聞いてみてください。

お子さんが答えることに対して、「緊張していたの?」と確認します。お子さんは肯定するでしょう。

そうすれば、「緊張に気づくってすごく大事なんだって」と話してあげてください。

つまり、緊張は悪いことではなく、気づいて解放すればいいということを教えるのです。

緊張が悪いもので、そうなってはいけないと思えば思うほど、緊張するように自己暗示をかけているようなものです。

特に、「あなたは本番に弱いから」などという言葉は厳禁です。気づいて解放すればいいと教えましょう。

そして、解放の仕方はいろいろです。いくつかの方法が使えるように練習するといいでしょう。

脳をリラックスさせるルーティン

模試が役に立つのは、その実力を測れるだけでなく、受験の場に慣れることができる点です。

いつもの慣れ親しんだ場で、いつもの人たちと一緒に受ける試験とは違い、模試には緊張感があります。

その感覚に慣れておけば、実際の試験会場でも、落ち着いて自分の緊張と向き合えます。
緊張する試験会場に送り出すとき、親がにっこり笑って子どもと向き合います。子どもも笑ってくれるといいですね。

この儀式をルーティンにできるといいのです。

笑顔は脳をリラックスさせます。いざとなったら笑顔を作ることを教えましょう。

思いっきり口角を上げて、顔全体を笑顔にします。

これから毎日、お互いに笑顔で、「行ってきます」「行ってらっしゃい」をルーティン化するといいかもしれません。

最初はぎこちない笑顔でも、だんだんいい顔になってきます。「今日の笑顔は100点よ!」と言ってあげてください。

ほかにも、お子さんによってはいろいろなルーティンがあると思います。

鉛筆を削り終わると、ほっとしてやる気になる。背筋を伸ばして深呼吸すると、取り組む勇気が湧いてくる。笑顔とともに「私はできる」と心の声でつぶやく。大好きな歌を聞く。ポケットに忍ばせたお守りを握りしめる……。

スポーツ選手がやっているのをよく見かけますが、こんなちょっとしたことが緊張緩和に大変役立つのです。

著者プロフィール

菅原裕子
菅原裕子
すがはらゆうこ

NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。1977年より、人材開発コンサルタントとして企業の人材育成の仕事に携わり、従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。後に、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム「ハートフルコミュニケーション」を開発。各地の学校やPTA、地方自治体の講演やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得ている。著書に『子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)、『子育てが変わる親の心得37』(幻冬舎)等。

公式ホームページ『NPO法人 ハートフルコミュニケーション』


菅原先生 記事一覧

ALL

オススメ記事

記事一覧

ALL

お近くのTOMASを見学してみませんか?

マンツーマン授業のようすや教室の雰囲気を見学してみませんか?
校舎見学はいつでも大歓迎。お近くの校舎をお気軽にのぞいてみてくださいね。

首都圏駅前103校 校舎検索はこちら

校舎名をクリックすると、詳細をご覧になれます。

ひばりヶ丘校 大宮校 阿佐ヶ谷校 柏校 本八幡校 二子玉川校 津田沼校 錦糸町校 千葉校 成増校 北浦和校 川越校 南浦和校 所沢校 志木校 西日暮里校 池袋本部校 教務本部 八王子校 川口校 練馬校 大泉学園校 松戸校 高田馬場校 メディックTOMAS 市ヶ谷校 立川校 荻窪校 巣鴨校 三鷹校 府中校 赤羽校 飯田橋校 国分寺校 中野校 渋谷校 三軒茶屋校 調布校 笹塚校 目黒校 麻布校 聖蹟桜ヶ丘校 成城学園校 大森校 自由が丘校 町田校 本厚木校 武蔵小杉校 たまプラーザ校 蒲田校 横浜校 川崎校 門前仲町校 新百合ヶ丘校 千歳烏山校 青葉台校 藤沢校 新浦安校 下北沢校 上大岡校 千歳船橋校 葛西校 東戸塚校 日吉校 日吉校 南大沢校 四ッ谷校 田町校 浅草橋校 戸越校 センター北校 国立校 戸塚校 向ヶ丘遊園校 武蔵境校 メディックTOMAS横浜校 白山校 大崎校 石神井公園校 市川校 吉祥寺校 綱島校 海浜幕張校 下高井戸校 桜新町校 学芸大学校 多摩センター校 宮崎台校 スペックTOMAS自由が丘校 上尾校 メディックTOMAS大宮校 大船校 流山おおたかの森校 二俣川校 浜田山校 尾山台校 海老名校 大井町 中目黒校 勝どき校 月島校 メディックTOMAS渋谷校 御茶ノ水校 船橋校 用賀校