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2021年春からスタートする中学校の新カリキュラムとは

2021年春からスタートする中学校の新カリキュラムとは

新年度から、中学校で新しいカリキュラムが全面実施になります。これまでの方向性を保ちつつも、時代の要請に合った新たな学び方や内容が注目されています。これから中学校に入学されるお子さんがどのような学び方をするのか、それが大学入試までどのようにつながっていくのか見ていきたいと思います。

グローバル化や、AIが発達する社会が前提

この春から中学校で実施されるカリキュラムは、新しい学習指導要領にもとづいています。
学習指導要領は約10年に1度、専門家らの検討を経て「改訂」され、これに合わせて教科書や参考書なども変わります。
直近の改訂では、グローバル化や人工知能(AI)などのデジタル技術の進展により、社会が大きく変化する中で、次の世代を育成する教育のあり方が検討されました。

今は、2017年に改訂された小中学校、2018年に改訂された高校の学習指導要領が実施されつつある時期です。
すでに小学校では、2020年4月から新しい学習指導要領に基づいた授業が始まっています。小学校高学年のお子さんを持つご家庭なら、英語が、これまでの「外国語活動」から「外国語科」に変わっているのをご存じでしょう。
これは新学習指導要領で、英語を正式な教科にすることが示されたためです。

そして、2021年4月から、中学校でも新学習指導要領に基づいた授業がスタートします。
新しい学習指導要領では「知識・技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」を育てていくことを目指しています。
学力というと、知識や技能といったイメージが思い浮かびますが、思考力や自ら学習に取り組む姿勢、態度も学力に含めているのがポイントです。

探究的な学び方が本格化

思考力や表現力、主体的に学ぼうとする姿勢は、ひとりで知識をつめこんだり、受け身で覚えたりするだけでは身につきません。
さまざまな場面で知識を活用してみたり、答えのわからない問題に対して探究を続け、解決方法を探ったり、自分やほかの人の考えを理解し表現していく経験を通して伸びていきます。

そこで、新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」という呼び方で「どのように学ぶか」に言及しています。
アクティブ・ラーニングという科目があるのではなく、授業を良くしていくための視点として提唱された言葉です。
ですから今後は、どの教科においても「主体的・対話的で深い学び」ができることが求められているのです。

プログラミングや理数、外国語教育の充実

では、3つの柱の資質・能力を育むために、中学校では従来の教科に加えて、どのような内容を学ぶことになるのでしょうか。
注目を集めたのは「プログラミング」でしょう。
小学校で必修化したので、すでに経験しているお子さんもいるかもしれません。中学校ではもともと「技術・家庭」の技術分野で学ぶ内容ですが、今回は、より拡充することになっています。
高校では全員必修の「情報I」という科目ができ、高校生全員がプログラミングやネットワークの基礎を学びます。

理数教育の充実も、今回の改訂の注目点です。
日常生活から問題を見出す活動や、科学的に探究するための観察や実験を充実させること、データを収集・分析して、その傾向を踏まえて課題を解決する統計教育にも力を入れることになっています。
さらに高校では、数学と理科を融合させた新科目「理数探究」などが始まります。
こうした学び方を進めるためにも、コンピューターなどICT(情報通信技術)を活用した学習にも大きな期待がかかります。

外国語(英語)は、小学校で必修になったことから、中学、高校ではレベルアップが図られます。
英単語数は、中学校では1200語程度だったのが1600~1800語程度に、高校では1800語程度から1800~2500語程度に増えます。
ここでも単なる暗記ではなく、対話的な活動の中で「実際に使えるようになる」レベルを目指しています。
英語を自分から使ってみて、その中で使い方を覚え、結果的に語彙も増え、文法も身につけていくようなイメージです。

中学入試や大学入試にも直結

今回の学習指導要領の改訂は、小学校から高校まで一貫して、3つの柱の「資質・能力」を伸ばす視点で組み立てられています。

近年、私立中高一貫校で多様なスタイルの入試が増えてきたのも、新学習指導要領の方向性と無縁ではありません。
教科の垣根を超えて思考力を問う「思考力入試」や「教科横断型の入試」、小学校時代に取り組んだ活動を発表する「プレゼンテーション」、他者との対話を通して自分の考えを表現する「ディスカッション」など、さまざまな形の入試が生まれてきています。
私立中高一貫校は、公立に先駆けて、思考力や判断力を伸ばす授業や、探究型の課題解決のための学習を開発し、実践してきました。
入試スタイルの多様化は、こうした力を発揮していける生徒を求めていることの表れと言えます。

また、新しい学習指導要領は、大学入試改革とも連動しています。
今年から始まった「大学入学共通テスト」も思考力を重視しています。
これからの中学・高校から大学までの教育が、社会の変化を見据えた新たな学びへと移行しつつあることが、この春の中学の、新学習指導要領の実施から見て取れるでしょう。


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