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コロナ禍での大学の支援状況は?

コロナ禍での大学の支援状況は?

収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症。働き方や学び方が大きく変化するなかで、家計への不安、とりわけ大学進学への影響を心配しているご家庭も少なくないでしょう。コロナ禍での学生支援はどうだったのか。国や大学からの支援策を見てみます。

9割の大学等が授業料の猶予を実施

文部科学省は、2020年9月から10月にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生への支援状況を調べました。

対象は、全国の国公私立大学(短期大学を含む)および高等専門学校で、各大学等における経済的に就学が困難な学生に対する支援状況や退学者の状況を尋ねたものです。

それによると、2020年度の前期授業料の納付猶予を実施した大学等は全体の99.1%となりました。

内訳は、「制度として納付猶予」が50.2%、「個別対応」が29.1%、「過去に納付猶予実施、現在は終了」が12.5%などとなっています。

大学等の学生総数に占める、前期授業料を猶予された学生の割合は6.76%で、昨年度の4.52%より増加しています。

文科省は、より多くの学生に対して猶予制度や個別の対応を行っていることがうかがえる、としています。

後期の授業料に関しても、全体の97.5%の大学等が、納付猶予や、納付猶予の締め切り延長をすでに行っているか、行う予定と回答しています。

大学等はもともと、経済的な理由や特別な事情により、授業料の納付が難しくなった学生を対象に、学力や家計の基準などを考慮して授業料の納入猶予や免除、減免をする制度を持っています。

今回はそれらが新型コロナ対応として活用されたわけですが、世界規模の危機に限らず、家計の急変など予期しない個人の事情が起きた場合も、こうした制度を活用できることを知っていれば、安心して大学生活を送ることができるでしょう。

60.4%の大学で独自の給付金制度

新型コロナの影響で、大学では授業のオンライン化が進み、パソコンやWi-FiルーターなどのICT機器が必須アイテムとなりました。

その一方で、アルバイト先が休業してシフトに入れず、機器の購入費用や生活費にあてるための収入が大幅に減った学生もいました。

こうしたことから、国は学生支援緊急給付金の制度を創設し、困窮した学生に最大20万円を支援するなど給付に乗り出しました。

この動きと前後して、大学側も独自の支援策を発表します。

一つは給付措置です。「緊急学生支援金」「学修環境補助費」など名称はさまざまで、現金のほか、図書カード、市内共通商品券などの形で給付を行った大学等は60.4%にのぼりました。

物品支援をしたのは44.2%で、具体的には、パソコンやWi-Fiルーターの無償貸与、校内実習のためのフェイスシールドの提供、生活面の支援として食品(お米、地域特産品等)の提供などとなっています。

中退者は食い止められたが…

前出の調査では、2020年4月から8月までの中途退学者の状況も尋ねています。

その割合は0.38%(11,411人)で、2019年度の同じ期間の割合0.48%(14,239人)と比べて、大きな変化はないことがわかりました。

中退の主な理由を見ても、「経済的困窮」が2020年度は23.1%(2019年度22.1%)、「学生生活不適応・修学意欲低下」は15.6%(同15.9%)と、こちらも変わりがありません。

新型コロナの影響による経済的な困窮で大学中退者が増える事態は、ひとまず食い止められた格好です。

これには、各大学が退学を防ぐために様々な工夫を行ったことも功を奏しているようです。

例えば、チューターや担任、ゼミの教員が個別に相談対応をしたり、学生相談窓口による相談や面談を行うなど、学生に身近な立場からの対応をした大学もあれば、対面に限らず、メールや電話、ウェブ会議システムなどを用いた相談対応をしたり、学生のストレスチェック、体操やストレッチ動画を配信した大学もありました。

学生同士のオンライン交流会などを開催し、リアルで会えないなかでもつながりを作ろうとする試みもありました。

2020年度後期は、ほぼすべての大学が対面授業を開きましたが、オンラインとの併用も続いています。再び流行が拡大すれば、いつオンラインのみの授業に戻ってもおかしくありません。

また、慣れない授業や通学のほか、新入生にとっては学生同士の関係づくりも浅いなか、不安や困難を抱えるケースへの対応が引き続き求められるでしょう。

まだまだ必要な支援

2020年度からは、経済的な理由で学びを中断することがないよう、授業料減免と給付型奨学金を充実させた「高等教育の修学支援新制度」が始まっています。

しかし、低所得世帯に限った支援となっており、中間所得層が利用しづらい制度であることが指摘されています。

私立中高一貫校への進学を考えているご家庭では、貯蓄や学資保険など、教育資金のマネープランに確かな目を持っている保護者が少なくありません。

しかし、日本の教育公的支出は、OECD加盟国のなかでも下位にあります。

今回のコロナ禍のような誰もが想像できない未来に備え、学生が安心して大学に通うためには、国の支援を含めた対策が求められるでしょう。


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