


受験直前、年末年始の過ごし方を考える
小学6年生にとって受験直前となる年末年始がやってきました。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現で、2022年入試も引き続きコロナ禍に揺れることになりそうです。
ただし学校によっては、感染するなどした場合の救済措置として追試を実施するところもあり、どの学校も昨年の経験を踏まえ、万全な対策で準備を進めておられるようです。
不安解消の秘訣
埼玉入試を皮切りに、年明けから続々と入試が始まります。「いよいよ決戦」ということで、保護者の皆さんは体調面も含め不安に駆られる頃です。
塾の冬期講習はラストスパートとばかりに気合いが入っていきます。講師陣にも周囲の受験生にも緊張感が走るようになるので、それを目にするだけでも焦りが募りやすいのですが、こういう時こそ、冷静に。
あなただけが揺れているわけではなく、みんな、同じ気持ちなのです。
誰しもが、不安で落ち着かない時期なのです。
不安解消の秘訣はこれです。
「日々、やるべき感染対策をしっかりと講じ、周囲と比べず、毎日のルーティンを淡々とこなすこと」。
年末年始をまたぐ冬休みは、勉強時間がたっぷり取れる最後の長期休み。勢い、「これも、あれも!」と詰め込みたくなりますが、グッと我慢です。
この時期からは、難問や苦手な問題にチャレンジするというより、基礎固めの着実な積み重ねを重視することをお勧めします。
志望校の過去問対策はやり始めている時期でしょうから、志望校の出題の癖と我が子との相性を、親も一緒に探ってみてください。
合格するために落とせない基礎問題が不正解になってしまっている場合は、テキストに戻って補強していくイメージで過去問を活用しましょう。
この時期、一番大切な親の役割は
過去問をやってみて、もし合格最低点に達していなかった場合は、「この問題さえできれば合格! あと1問だったね、惜しい!」という風に、モチベーションが上がる方向で声掛けをしてみてください。
大抵は実力が拮抗している受験生同士の戦いになりますので、1点が明暗を分けてしまいます。結局のところ、最後は1点を全力で取りに行く気持ちが合格を引き寄せるのです。
これから入試本番までの親の役割はただ一つ、いかに「気分よく受験会場に行かせる」かだけです。どういう対応や言葉かけが我が子の援軍になるのかだけを考えて、家族の士気が上がる方向に持っていけるといいですね。
士気が上がるといえば、せっかくの年末年始ですので、クリスマスからお正月にかけての“行事”は、実行した方がたくさん良いことがあります。もちろん、簡略化された形で行っても構いません。
例えば、クリスマスのケーキを食べる、お節料理を食べるといった、季節のイベントを「食」で実感することなどです。家族で特別な食卓を共有することは、受験生にとっても息抜きにもなりますので、ほんの少しスペシャル感を演出してみてください。
新鮮な空気を吸いに、近所の氏神様まで初詣に行くことも、良い気が巡ってくるひとつの行動になります。
受験生としてのルーティンワークを崩さない程度の気分転換は、この時期こそお勧めです。
今年のニュースを振り返れば時事問題対策に
年末年始らしい行事の一環として、ご家族で「過ぎ行く年の振り返り」と「新たな年の抱負」といったテーマでの雑談をやってみてください。
こちらは、各自の反省や決意という意味合いではなく、どちらかといえば、いま自分たちを取り巻く世界情勢はどうなっているか、という観点に立った雑談です。
今年は、
- 新型コロナウイルス感染症の拡大
- 東京でオリンピックとパラリンピック開催
- 米大統領にジョー・バイデン氏が就任
- 米軍のアフガニスタン撤退
- 衆議院議員選挙
- 菅義偉内閣が総辞職し、岸田文雄氏が第100代首相に
などの出来事がありました。学校側が受験生に問いかけたいだろうトピックがたくさんあります。
世界と環境に目を向けてみると、核兵器の開発や保有などを禁じる核兵器禁止条約が発効し、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定にアメリカが正式復帰しました。
日本では、改正地球温暖化対策推進法が成立し、2050年までのカーボンニュートラルの実現が明記されました。関連するニュースとして、地球温暖化の予測法を開発した真鍋淑郎さんのノーベル物理学賞の受賞もあります。
また、奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録が決定。「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産になるというニュースもありました。
一方で、世界経済フォーラム発表の男女平等ランキングで、日本は156カ国中120位となり、多様化する社会とジェンダーの問題を浮き彫りにする数値も入ってきています。また、憲法改正の手続きを定める改正国民投票法が成立した年でもあります。
これらを受けて、例えば、地球の環境問題について親がざっくばらんに解説した上で、子どもの意見に耳を傾けるのも、大切な受験対策のひとつです。家族でこの時代に生きる意味を共有するのは、貴重な機会であり、受験年度ならではの有意義な会話といえるでしょう。
親子ともに時間が確保できる年末年始です。時事問題対策の一環として、親子で楽しく会話する機会にできるといいですね。
年末年始という、季節のイベントが華やぐ時期に受験勉強をしなければならない小学6年生ですが、この経験も一生に一度のものです。
ぜひ、前向きに捉えて、笑顔の春を目指して頑張っていきましょう。
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