


多様化する私立中学入試を考える
「適性検査型入試」をきっかけに、広がりを見せる選抜方法
今、私立中学の入試が多様化しているという現実をご存じでしょうか。
多様化のきっかけは、公立中高一貫校の登場によって生まれた「適性検査型入試」と呼ばれる入試にあります。
学力選抜ではなく、思考力を問う入試として始められたものですが、私立中学はその「お試し受験」という意味合いで受験してもらおうという意図から、徐々に導入が広がっていったのです。
それからは、各校が知恵を絞るかのように、多様な入試を打ち出し始めました。
従来から存在した「帰国生入試」や「午後入試」に加え、「推薦・第一志望入試」「総合型入試」「算数1科目入試」というものも生まれました。
さらに、選抜方法は広がりを見せ、今では「記述・論述型入試」「PISA型入試」「思考力入試」「自己アピール(プレゼンテーション)型入試」「英語(選択)型入試」「得意科目(1科・2科・3科)選択型入試」など、そのラインアップは豊富です。
中学入試から教育を変えたいという思いを持つ私立中高一貫校
私学は、「少子化」という経営面と共に、2024年度から本格的に導入される「大学入学共通テスト」を中心とした大学入試改革などを見据えた戦略を迫られていることも確かなのですが、それにも増して「時代の要請」に応えていこうという動きは速いのです。
つまり、急速に進むグローバル化、ボーダレス化という世界情勢の中で、真に求められる力は何か? という視点で、「中学入試から教育を変えていこう」という熱い思いを持った私立中高一貫校がとても多いのです。
ゆえに、これは従来通りの知識型の子どもだけではなく、多様な才能を持っている子どもたちに入学してもらい、切磋琢磨させ、不透明な未来をたくましく生き抜く力を持つ子たちを育てたいという意識の表れでもあるのです。
なかでも、「プログラミング入試」と「自己アピール(プレゼンテーション型)入試」は、「トレンド」とされている入試。この選抜方法は来春以降も増加していくだろうといわれています。
これは、この春から小学校で「プログラミング教育」が必修になったことと、グローバル社会での日本の教育の課題として「プレゼン力」が挙げられているためだと思います。
我が子に合う受験方法、学校選びをすることは、親の大切な仕事
このように、多種多様な入試が導入されているのが現状で、この動きは、少なくとも、今後数年は広がり続けていくはずです。
これは、私たち親の立場から見て、歓迎すべき状態だと言えましょう。
なぜなら、入試方法の選択が増えたことで、「得意」を生かせる入試の機会が広がったからです。
苦手な科目があるがゆえに、偏差値という数字で見ると合格には心もとないという場合でも、志望校に行けるチャンスが広がったと前向きにとらえることができるのです。
そうは言っても、従来の「4科・2科(または3科)」入試が主流であることには変わりはありません。
親は、我が子の中学受験を考えるにあたって、入試方法の傾向と対策をしっかりとやっておく必要があります。
従来型と呼ばれる「4科・2科(または3科)」入試に対応するために、新4年生からの塾通いを選択するのか、6年生の段階で参入し、希望に合った学校を目指す、いわゆる「駆け込み受験」と称される受験にするのか、または上記のように、新入試タイプと呼べるような多種多様な入試スタイルを取っている学校を目指すのか。
「正解のない時代が来た」と言われる現代、その課題に立ち向かっていく力を育ててくれるのは、どこの学校なのかという視点は今まで以上に大切になってくるでしょう。
そういう意味でも、私立中高一貫校の「未来を見据える目」をしっかりと見抜き、我が子に合う受験方法を選択すること、そして、学校選びをすることは、中学受験に参入している親の大切な仕事のひとつなのです。
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