


今一度、中学受験そのものを考える
高校受験にシフトする家庭が増える?
新型コロナウイルスの影響は、依然として消えていない状況下にあります。
学校や塾の授業は、様々な対策を講じながら、ようやく再開されましたが、第2波、第3波の襲来も予測され、先生は授業数の確保に苦戦を強いられているような状態です。
現時点では、来年の入試は「例年通り」とされていますが、これも状況次第で柔軟に対応せざるを得ないとする中高一貫校は多いようです。
つまり、一斉に日時を延期する、リモート入試の導入など、様々なことを想定して動いているようですが、現状ではまだ何も決まっていないというのが本当のところでしょう。
このように、過去に経験したことがないようなことが起こっておりますが、ここでは「今一度、中学受験そのものを考える」という視点で語ってみたいと思います。
中学受験の専門家の多くは、2020年度の受験生数に目立った減少はないだろうとの予測を掲げておられます。
6年生はこれまで受験勉強を頑張ってきたという歴史があるので、リタイヤせずに、このまま受験に邁進していくであろうというのが理由のようです。
もし、減少に転じることがあるとすれば、リーマンショックの時がそうであったように、今後2~3年先以降に影響が出るのではないかと言われています。
つまり、まだ中学受験には本格参入していない現4年生以下の層の中で、高校受験にシフトする家庭が多くなるのではないかということです。
これは、経済的なこと、コロナ渦での塾や学校の体制が意外と脆弱だったこと、遠方への電車通学の不安などが複雑に絡み合っておりますが、特に中堅以下の中高一貫校は危機感を隠しきれません。
中学受験が本当に必要かを見つめ直す絶好の機会
一方で、受験するサイドから申せば、このことは「禍を転じて福となす」ということになるかもしれません。
各ご家庭で、「我が家にとって中学受験は本当に必要なのか?」ということを見つめ直す絶好の機会になるからです。
本来、私立中高一貫校に入学するということは、その学校が掲げる教育理念に深く共鳴して、我が子を託すということです。
私学の「肝」は、「どのような教育方針で生徒たちの人間形成を為そうとしているのか」ということになります。
この各校で違う「教育理念」を理解することが最も大切なことなのですが、中学受験は数字の世界になりやすいので、往々にして、学校選択の基準が「偏差値」と「大学合格実績」に傾きがちです。
本来この数字は参考程度に見るものですが、受験生活の渦中にあると、これのみにしか意識がいかなくなる保護者がとても多いのです。
これの何が悪いのかと申せば、学校と我が子(あるいはご家庭)とのミスマッチを招いてしまいかねないからです。
やはり私学は理念ありきで動いていますので、この教育方針と我が子が合わない場合、とても辛い毎日を過ごす羽目に陥りやすいのです。
それゆえに、通常通りではないという今だからこそ、もう一度、原点に立ち返って「我が子にとっての中学受験」という視点で考えてみることをお勧めします。
- なぜ、中学受験なのか?
- 我が子はどういう長所を持っているのか?
- 我が子の長所が伸びる学校はどこか?
この3点を冷静に見ることはとても大切なことです。
高校受験を選ばずして、中学受験に踏み出した理由は何なのかという強い動機を思い返すことができるならば、今の不安定な状況は「全員が同じ条件下にある」と思い切り、やるべきことを毎日、粛々とやっていく原動力になるでしょう。
我が子に合う学校選びができれば、強力なモチベーションになる
また、我が子がどういう性格なのかをきちんと把握することも大事なことです。
我が子は何が得意で、何をしている時が楽しそうか。我が子の良い面をたくさんピックアップしてみてください。
ポイントは、「こうなって欲しい」という短所を矯正することではなく、「ここはとても良い面だから、これを伸ばして欲しい」という視点に立って見ることです。
さらに、どの学校に行けば、その良さが花開いていくのかということに悩んでください。
私学は、本当に様々な校風を持っており、一つとして同じ学校はありません。
幸いなことに、今はリモートでの学校説明会が実施されておりますので、一つひとつの学校に出向かずとも、自宅にいながら学校探求を行うことができます。
ぜひ、たくさんの学校の説明会を見て、我が子に合う学校選びをしてみてください。
もし、「ここだ!」と信じられる学校が見つかったら、親子でその学校に入るための準備をしていく強力なモチベーションになります。
やはり、受験は志望校への「強い気持ち」なくしては合格もあり得ません。
不安定な毎日だからこそ、今一度、このことを確認することで、「中学受験」が頑張れるものになると思っています。
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