おかあさんの参考書
塾に行けない今、家庭学習を考える

塾に行けない今、家庭学習を考える

鳥居りんこ

コロナウイルスとの戦いを強いられ、大変な毎日をお過ごしのことと思います。

非常事態宣言の中、通塾は難しいという現状で、中学受験生をお持ちのお母さんたちのご心労はいかばかりかとお察し致します。

特に6年生をお持ちのお母さんは、焦りが強くなってくると思うのですが、今回はあえて別の角度から考えてみることをご提案いたしましょう。

「実はチャンス到来!」と意識を変えよう

6年生は幸いなことに、中学入試で扱われる全単元は既に学び終わっています。

では、通常、6年生は塾で何をするのかと言えば、夏までひたすら「基礎固め」となります。

多くの中学受験塾のカリキュラムは「スパイラル方式」、つまり同じ分野を繰り返し登場させる螺旋階段状の構造になっています。何度も繰り返すことにより、知識の定着を促しているのです。

もちろん、学年が上がるにつれて1回目より2回目、2回目より3回目のほうが、難易度が高くなるのは言うまでもありません。

このようにして、夏休みまでの間、復習をしながら、今まで学習したことをマスターさせることに重きを置いているのです。

親が錯覚しがちなのは、「塾にさえ行っていれば、学力はドンドン上がるはず」というものです。

ところが、多くのお子さんには「通いさえすれば成績が上がる」などという魔法は起こりません。

ということは、もう習い終わっているのですから、そもそも通塾できないことを不安がる必要はないのです。

通常、塾に行くと、その週の単元の講義が行われます。そして、その知識が定着しているかどうかの「振り返りテスト」が行われることが多いのです。

塾では、年間そして各学年を通してのカリキュラムが組まれているので、受験生である各個人がどの程度理解できているかを把握しないままに、翌週には次の単元の講義が始まるわけです。

これの問題点は、最初のところでつまずくと、そのつまずきを後々まで持ち越してしまうことにあります。

ドンドンと単元が進んでいく通塾の毎日では、「つまづき」を解消する時間がないのです。

どうですか? 今がチャンスではないですか?

やるべきは「復習」です。復習こそが「最大の攻撃」でもあるのです。

お子さんに合った基礎固めに繋がるような自宅学習のプランを、お子さんと一緒に練ることができる「大チャンス」を迎えたとも言えますね。

考えようによっては、すごくラッキーなことです。

それでは、何に気を付けて、自宅学習プランを組めばよいのでしょうか?

リズムを崩さず、ルーティンワークを大切にする

まずは、塾のある日と同じようなリズムで、毎日の課題を淡々と進めることを意識してみて下さい。

計算や漢字のようにデイリーでやらなければならないことなど、日々、行うべき基礎トレーニングを怠らないようにしましょう。

ウォーミングアップが終わったら、塾から出ている課題に取り組みましょう。

どこまでがわかっていて、どこからが理解不能になっているのかを整理できるとよいですね。

基礎を固めることを重視してみる

入試問題には、基礎問題という誰もが正解するであろうレベルの確実に取りたい問題、標準問題というきちんと学習をしていれば解ける問題、そして難問という解法パターンを応用したり、新しい視点を加えたりしないと解けない問題、という3つのタイプがあります。

多くの学校では、入試問題の6割から7割が正答となれば合格です。

必要なのは、難問を解く力ではなく、基礎問題を落とさず、標準問題に対応可能な学力なのです。

これを確実なものにするために、過去のテスト、あるいは下の学年のテキストを利用するのもよい方法です。

どこからつまずいているのかを知ることは、「急がば回れ」とも呼べるほどに効果的なことなのです。

学習環境を整える

自宅で勉強するということの難しさは、ダラダラしがちになるということでしょう。

これを防ぐためにも、遊ぶときは遊ぶ、勉強するときは勉強するという環境を整えなければなりません。

父親がゲームに夢中になっている横で、小学生が集中して学習することはまず無理です。

学習時間は家族揃って、そういう環境になるように協力しなければいけません。

遊びの時間も大切にする

人間は鞭だけでは動けません。やはり、ときには思い切り遊んだり、笑ったりすることも必要なのです。

もちろん、その子が熱中できる好きなことをやる時間も大切ですし、ときにはダラダラと寝そべっている時間も悪くはありません。

さらに、家族全員で夢中になって笑い合えるような遊びを“発明”できると素晴らしいですね。

例えば、4桁の数字をお題として出して、それを足したり、引いたり、かけたり、割ったりしながら、10という答えになるようにできるかというゲーム。

家族の中で誰が一番早く、その計算式を思い付くかなどをやってみると盛り上がりますし、数字の特徴(奇数と奇数を足すと偶数になる)などにも自然と気が付くようになり、一石二鳥です。

このように家族団らんの時間、ダラダラする時間、好きなことに夢中になる時間を取った上で、勉強する時は勉強するというメリハリを付けた毎日にすることが努力目標となります。

がんばれ、中学受験生母!

著者プロフィール

鳥居りんこ
鳥居りんこ
とりいりんこ

作家&教育・介護アドバイザー。2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。保護者から“中学受験のバイブル”と評された当書は、その後シリーズ化され、計6タイトルが出版された。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に『【増補改訂版】親の介護をはじめたらお金の話で泣き見てばかり』(双葉社)、『【増補改訂版】親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』(同)、『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス)、企画・取材・執筆を担当した『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』(やまざきあつこ著・小学館)、『たった10秒で心をほどく 逃げヨガ』(Tadahiko著・双葉社)、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(鹿目将至著・同)、『神社で出逢う 私だけの守り神』(浜田浩太郎著・祥伝社)など多数刊行。最新刊は『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(石黒智也著・双葉社)

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