


模試結果を見て、
途方に暮れたときの対処法を考える
今回は、合格確率を見て途方に暮れたときの処方箋をお出ししましょう。
1 「よかった、これが本番でなくて!」と自分の心に強く言い聞かせる
まずは、無理にでもお母さんが思考を変えましょう。
「こんな偏差値ではとても無理!」とガッカリしないことが重要です。
なぜなら、親の落胆は子どもの心にダイレクトに作用するからです。
子ども自身が既にガッカリしているのに、親がトドメを刺すかのように「不合格」の烙印を押してしまうことは、百害あって一利なし。本番はまだ先なのです。
そうではなく、子どもの心に「これからだ!」という“火”をつけることに尽力してください。
お母さんは、自分の心に「よかった、これが本番でなくて!」と強く言い聞かせましょう。
この時期に、子どもを不安と怒りで追い詰めるようなことはやめてください。
「やる気がないなら、やめなさい!」
「こんな成績で、受かるわけないでしょう!」
という呪いの言葉は、もう封印です。その時間がもったいないからです。
これからは、いかに子どもが受験を我が事として真剣に捉え、どうすれば目標に向かって一途になれるのかを考えて行動することが、親の役割になります。
そのためには、次のようなことを参考に、具体的に動いていきましょう。
2 模試を活用し、具体的な弱点をあぶり出す
まずは模試の見直しです。
正答率50%以上で落としてしまった問題をピックアップします。
50%以上ということは、2人に1人が解ける問題ということですが、仮にこれらをすべて正答した場合、偏差値で言えば5ポイントは軽く上がると言われています。
受験に満点は必要ないので、「みんなが正解して、自分は不正解」という問題を潰すことが一番の早道なのです。
ここで、その問題を落とした理由を探ります。
多くはつぎの3つに絞られるでしょう。
- ケアレスミス
- 忘れてしまった知識
- 穴があった
例えば、算数で起こりやすいケアレスミス。
筆算がぐちゃぐちゃになっていて、繰り下がりを間違えていないかを見てみましょう。
筆算は余白の右側によせて丁寧にやり、その答えを慎重に式の下に書くという意識付けができているかどうかが大切です。
もし、できていなければ、「丁寧にやると偏差値はこれだけ上がる」という具体例で子どもに伝えてあげましょう。
また、理・社に多いのですが、以前は解けていたはずなのに、忘れ去ったかのように不正解を連発することが、この時期は多くなります。
この原因は、やはり「忘れ去った」からです(笑)。
夏休み前にサラッと習ったことを忘れてしまうのは、よくあること。
この対策は、もう一度思い出せばよいだけです。
ここでのコツは、自分の手を動かし、知識を定着させること。
歴史であれば自分で確認しながら年表を作るとか、理科であれば「メダカ」の箇所を自分でイラストを描いて、もう一度しっかりと確認するなどが、効果を発揮するでしょう。
最後の「穴があった」に関しては、「穴だらけ」に思えて、親が茫然自失となるかもしれませんが、先述したように「今、見つかってよかった」のです。
模試は、「手薄な単元」を具体的に見つける「あぶり出し」です。
まずは、正答率50%以上で落としてしまった問題の単元をチェックします。
過去の模試も参考にしながら、どの単元が「弱点」なのかを把握するのです。
算数の「比」であれば、そもそも「比べる」ことができているかということも確認が必要です。
「比べる」の意味は、共通している箇所や等しい部分を比較するということですが、その問題の条件と求めるものが何かを把握できているか、“速さの3公式”などの解法が理解できているかなどを中心に見てみましょう。
設問の条件をきちんと把握できているかはどの教科であっても必要です。子どもの意識を「条件把握」に向けると、これだけでも成績が伸びますので、親子で話してみると効果的です。
3 過去問は志望校からのラブレター
前項で単元ごとの弱点のあぶり出しをしたら、志望校の過去問に立ち返ってみましょう。
おそらく、この時期は志望校の過去問にトライしているころでしょうから、ここでも前項と同じように、正答率を見てください(出ていなければ、合格最低点を参考にする)。
正答率が50%以上で解けていない問題をチェックしながら、弱点となっている単元を照らし合わせます。
やはり、共通して正答できていない場合は「弱点単元」と見て、その単元の基礎問題に戻って、確実に足場を組み立ててみましょう。
これからは、「難問よりも基礎固め」ということに重点を置く時期に入ります。
また、過去問は「志望校からのラブレター」ですので、大切にすべきは模試よりも過去問なのです。
第一志望校は、最低でも過去3年分を解いて、志望校の“癖”に慣れておきましょう。
「基礎固め」をやった上で、過去問の不正解だった問題に再チャレンジします。
これで、正答となった場合には、合格にグッと近付くことになります。
これからの時期、お母さんがやるべき事は多岐にわたりますが、「頑張れ」だけではなく、合格への具体的な対策を子どもと一緒に講じることが必要不可欠なのです。
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