


「学校合同説明会」の有効活用を考える
この合同説明会は、塾や企業が主催する比較的大規模なものと、例えば「キリスト教主義学校」「男子校」「神奈川県」などというある特定の括りで、複数の学校が集まって実施されるものがあります。
受験生側から見れば、ひとつの場所に行くだけで、複数の学校情報を得られるというメリットがあります。
「学校合同説明会」は学校の生の情報を得るチャンス
多くの合同説明会では、5分程度で学校紹介プレゼンテーションが行われたり、在校生が参加してダンスやマジックなど生の学校生活の一端を披露したりするなど、盛りだくさんのイベントが用意されています。
また、これとは別に、大きな会場に各学校が一堂にブースを並べ、そこで受験生家族からの相談を受け付けるコーナーも設けているのが一般的です。
大きな合同説明会では数百校が集結しますし、小さな合同説明会でも最低でも十数校は参加しています。
来場者も相当数になりますので、その雰囲気に圧倒され、気付いたら何も聞けずにパンフレットだけをもらって帰って来るという「無収穫」状態になる方も、毎年たくさんおられるのが実情です。
もちろん、パンフレットを持ち帰ることも、後でゆっくり比較検討できるため、それはそれで有効な手段なのですが、せっかく出かけたのですから、是非、色々なブースに行って、生身の先生方の声を聞いてみることをお勧めします。
しかし、ブースに行ってみたものの、初対面の先生と膝を突き合わせて、何を話せばよいのかわからない、というお声を多く耳にするのも事実です。
そこで、今回は「合同説明会」で何をやれば「収穫」につながるのか、ということをお話ししましょう。
事前に参加校のホームページを見ておこう
まずは、行く前からが勝負です。
参加校は事前に発表されていますので、それを確認してみてください。
気になる学校、聞いたことがある学校、自宅から1時間半以内で通える学校などに絞って、目星を付けましょう。
そして、その学校のホームページを一つひとつ見てください。
「教育理念は何か?」
「教育方針は何か?」
「教育プログラムはどうなっているか?」
「大学進学実績」
「在校生の様子」
学校のホームページを見れば、これらの大まかなことが分かりますので、ここで頭に浮かんだ疑問点、質問などをメモしておきましょう。
そうしながら、1冊のノートを作っていくイメージを持たれることをお勧めします。
自分がホームページを見ながら感じた「校風」、例えば「自由闊達」であるとか「質実剛健」であるとか、そういう雰囲気を書き留めておくのです。
そこにプラスして、どうしても我が家が確認しなければならない点をまとめておきます。
例えば、帰国生入試の有無や図書館の蔵書数、食堂の有無、プールの有無、語学教育、気になる部活の有無などです。
さらに、いじめが起きた場合の対応方法など、「ここだけは聞いておきたい!」という質問があるなら、それを忘れないようにメモしておきましょう。
短い時間を有意義なものにするためには、予習が必須
このように、事前に予習して参加することが大切です。
なぜなら、合同説明会に来られる先生方にインタビューしたところ、多くの先生方が次のようにおっしゃっていたからです。
「どんな学校ですか?」という質問はなるべく避けた方がよい、と。
もちろん、先生方は場数を踏まれて慣れておられるので、どんな質問をされてもオールマイティに返してくださいますし、それが悪い質問というわけではありません。
しかし、やはり短い時間を有意義なものにするためには、予習が必須なのです。
少なくとも、別学か共学かも分からない、学校がどこにあるのかも分からないという状態でブースに座ることは避けてください。
ホームページ上の情報をなぞるだけになりがちで、実りある時間にならないからです。
このひと時を実りある時間にするためには、その場で先生に「このご家庭は本校のことをこんなに理解して来てくれている」と思わせることがとても大事です。
予習をして来てくれるご家庭ですと、先生は単純に嬉しいので気分も上がり、話も弾み、たくさんの情報を伝えてくれるでしょう。
我が家の教育方針に合致する学校かを「見極める」
学校の個別ブースでは、先生の「やる気」をどのくらい引き出せるかが勝負です。
「お客様」として一方的に「おもてなし」を受けるのではなく、我が家の教育方針に合致する学校なのかということを「見極める」気持ちで参加してください。
その学校が目指す「人間像」、教育の質をどう担保しているか、何を目標にどう教育しているのか、勢いがあるか、先生方の自校愛などを探るために、具体的に様々な質問を投げかけてみてください。
せっかくの機会です。
我が家オリジナルの質問ノートを用意し、その疑問を一つひとつ解決する気持ちで参加すると、合同説明会はとても有意義なものになります。
さらに、我が家が何を求めて中学受験に挑んでいるのかが、よりはっきりとした形で見えてきます。
すると、具体的な志望校がより鮮明になるでしょう。
照準が定まれば、後は「合格」に向かって、行動あるのみです。
その一助として「学校合同説明会」があるのです。
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