受験を終えた子どもたちに、これからの中学生活に向けてどんな言葉をかければいい?
受験は最終目的地ではない
受験もそろそろ終わりですね。お母さんとしても、ここまで努力してきたことに思いを馳せ、ほっと肩の荷を下ろしているころではないでしょうか。
お疲れ様でした……と同時に、ここからがはじまりであることもお忘れなく。
そもそも、なぜ中学受験をめざしたのかを思い出してみてください。
中学受験は最終の目的地ではなく、通過点のひとつです。合格して、希望の中学に入学できれば、望み通りの教育を受けることができるでしょう。
でも、結果として思うような合格が得られなかったとしても、将来にわたる学力の強化と、学習への姿勢や意欲を養うことに役立つのは間違いありません。
ここまでの連載で、「絶対合格!」ではなく、「自信をもって思いっきりやろう」と声がけしてきた理由はそこにあります。
どの学校に入学しようと、これからも自信をもって進むことが重要です。入学する学校が決まったところで、次への意欲を高めることが大切になります。
では、お母さんからどんなことを言われると、子どもはやる気になるのでしょうか?
第一希望に進学できた子の場合
お子さんはよくがんばりました。お子さんには、がんばったことを本当によく伝えてください。そして、これが生きる基本であることも伝えましょう。
努力は裏切りません。求めるものをはっきりさせて、そのために努力すれば、ほしいものは手に入ることを体感したのです。
手に入ったこの幸運をより生かすためにも、中学でも同じように努力が大切なのです。
受験は入学のための勉強でしたが、入学すれば、まわりは全員合格した人たちです。ある意味、競争はより激しくなるでしょう。
中学受験で培った計画性やコツコツ取り組む根気を基本に、これからもがんばっていけば、どこまでも伸びていくことを、お子さんに伝えてください。
努力すればより良いものをめざすことが可能になることが分かれば、子どもも合格で終わりにならずに、これまでと同じように学習に取り組みます。
第二希望、第三希望に進学した子の場合
「この学校しか合格できなかった」とお子さんが思うことがないように、お母さんは最大の配慮をしてください。
まずは、お母さん自身が「この学校に決まったということは、この子はここですばらしい体験をするに違いない」と納得してください。
そして、お子さんには「ここはいい学校だよ」と伝えてください。お子さんが、この学校でがんばろうと思えば、学生の時間は子どもの可能性を大いに伸ばしてくれます。いまここで学んだことを次にどう生かすかで、人生は決まってくることを伝えてください。
もしお子さんが、第一希望に進学できずに悔しいという思いが強いようなら、その悔しさを次にどう生かしていくかを考えさせましょう。
その際、「あなたの努力が足りないからよ」などと決して言わないように。
お子さんが愛校心を持てるように、どんな小さなことでも学校のいいところを見つけていきましょう。そして、お母さんが学校を好きになることが大切です。
公立中学に進学した場合
色々な選択の中から、地元の公立中学を選ぶ場合、まず親がきっぱりと割り切ることが大切です。
「受験をしたのに、公立なんてみっともない……」などという思いは捨てて、今できる一番の選択をしましょう。
それは思いっきりの笑顔で「進学おめでとう」と、子どもを送り出すことです。
高校・大学受験、学生生活、就職活動、社会人と、今後子どもが歩む道の第一歩が、この中学にあるはずだということを伝えてください。
中学受験の勉強という貴重な経験してきたのですから、中学ではある意味良いスタートが切れるはずです。そこで油断しないように、勉強してきたメリットを生かして、より丁寧に取り組むように励ましましょう。
子どもたちは、日々の努力があるからこそ、時々与えられる息抜きが最高に楽しいことを知る必要もあります。
彼らは、受験のために多くの時間を勉強に費やしてきました。遊びをがまんしたこともあったでしょう。
しばらくは、自由な息抜きタイムを満喫させましょう。
その間に、入学したらどんなことをしたいのか、クラブ活動はどうするのかなど、入学後の計画を話し合うのもいいですね。
最後に、日々子どもを励まし、健康を気遣うなど、お母さんもよくがんばってきました。
結果はどうあれ、お母さんの励ましがあってこそ、子どももがんばれたのです。
お母さん、ありがとう。よくがんばりました。
お子さんだけでなく、ご自身をねぎらうことも忘れないでください。
そして、今から新たな気持ちでスタートしましょう。
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